竹内涼真が17歳と35歳を一人二役で演
じる 世界初演ミュージカル『17 AG
AIN』ゲネプロレポート

『セブンティーン・アゲイン(原題 17 AGAIN)』は、『ハイスクール・ミュージカル』シリーズのザック・エフロン主演のコメディ映画だ。2009年4月に公開されると全米初登場一位を記録。王道青春コメディとして高い評価を得ており、映画会社主導でミュージカル化が進められていた本作が、日本において世界初演を迎える。
ミュージカル化にあたって、『ハイスクール・ミュージカル』や『ワンス・アポン・ア・タイム』といった作品の楽曲を手がけるアラン・ザッカリー&マイケル・ウェイナーが、マルコ・ぺネットの脚本に相応しいエネルギッシュでポップな曲を書き下ろし、作品に新たな命を吹き込んだ。翻訳・演出は、昨年岸田國士戯曲賞と鶴屋南北戯曲賞を受賞し、大きな注目を集めている谷賢一。また、映画と違いミュージカルでは35歳と17歳の主人公・マイクを一人二役で演じる。その難しい役に、今回が初舞台・初ミュージカルとなる竹内涼真が挑む。
ミュージカル初出演のフレッシュな面々から実力派までバラエティ豊かなキャスト陣による化学反応に期待が高まる。
竹内涼真 コメント
いよいよ初日を迎えます。無事に開幕できる、劇場でお客さんに会えるという喜びを感じています。稽古というものを初めて経験しましたが、自分の知らない世界が広がっていて、僕の体の中にはない表現方法を取り入れるのが難しく大変な作業でした。でも何回も試行錯誤し最後にひとつの形にするという作業はすごく好きでした。演出の谷さんは役者に寄り添って演出してくださいましたし、共演者の皆さんが役を大事にして稽古に臨んでいる姿に感銘を受けました。全員で作品を面白くしようと言う気持ちで稽古を積み重ねられることが、すごく素敵だと思いました。
この作品の登場人物たちが抱えている問題は日常的にありふれたもので、みんな自分の目的に一生懸命というところが一番の魅力だと思います。
この大変な時期に劇場に足を運んでくださる皆様には、心から感謝しています。最高のパフォーマンスをして、楽しい気持ちで劇場を後にしていただけるように全力で頑張りますので楽しみにしていてください。

<あらすじ>
主人公・マイク(竹内涼真)はハイスクールバスケットボールのスター選手。有名大学への推薦入試をかけ、スカウトが見守る試合に挑むはずだった彼は、恋人・スカーレット(ソニン)の妊娠を知り、彼女と人生を共にする決意をした。
しかし、35歳になった二人の結婚は破綻。マイクは家を追い出され、親友・ネッド(エハラマサヒロ)の家に転がり込む。さらに、仕事は上手くいかず、娘のマギー(桜井日奈子)と息子のアレックス(福澤希空)から負け犬呼ばわりされる日々。
そんなある日、不思議な現象により、マイクは17歳の姿に戻ってしまった。
「マーク」という名で子どもたちと同じハイスクールに通うことにした彼は、娘の彼氏・スタン(有澤樟太郎)の存在や息子が受けているいじめを知ってショックを受ける。
一方、マイクの父親代わりを務めるネッドはマスターソン校長(水夏希)に一目惚れ。
果たしてマイクは、人生で一番輝いていた頃の自分を取り戻し、家族を再生することができるのか――?

本編が始まる前には、公演グッズの一つであるペンライトの使い方が指南される。グッズをお持ちの方はもちろん、持っていない方も、チアガールたちの応援に合わせて試合シーンを盛り上げよう。作中では、お客様から募集したコメントがSNSコメントとして楽曲のバックで流れるなどユニークな取り組みも。
客席やファンを巻き込んだ演出により、彼らが通うハイスクールの一員になったような気持ちで楽しむこともできるはずだ。
竹内は初舞台・初ミュージカルとは思えない存在感を放ち、将来への希望に満ちた17歳のマイク、生活に疲れきった35歳のマイク、体は17歳に戻ったが精神は35歳のマイク(マーク)の違いをしっかり演じ分ける。
特に、メインで演じる17歳に戻ってからのマークは、少年らしい溌剌とした輝きの中に大人の思慮深さ、父親らしい愛情が見え、非常に魅力的だ。
歌唱やダンスにおいても周りのキャストに引けを取ってはいない。曲に合わせて時に元気に力強く、時に切なく心情を歌い上げる姿に、今後もミュージカルでの活躍を見てみたいと感じた。
スカーレット役のソニンも、家庭への思い、自分自身の人生、マイクへの愛情といった悩みの中で揺れる複雑な心を繊細に表現する。
抜群の歌唱力と安定感ある芝居で竹内をリードする姿が、地に足をつけて家庭を支えてきたスカーレットと重なり、深みのある人物像が浮かび上がってくる。
また、王道コメディに現代風の楽曲が華を添え、新たな魅力を引き出している。
マスターソン校長がネッドのトンチンカンで熱烈なアプローチを跳ね除け、威厳たっぷりに自らの主義やスタイルを歌い上げたり、トイレに閉じ込められていたアレックスがラバーカップを手に、イケていない現状への諦めと未来へのちょっとの希望を込めて熱唱したりと、楽しく耳に残るナンバーばかり。
スタンとマギーのデュエットでは、反抗期ではあるものの根が素直なマギーの真面目さ、傲慢なジョックであるスタンの憎めない可愛らしさが伝わってきて、キャラクターへの愛着が増す。
大袈裟な表情や動きで迫るネッドとクールにいなすマスターソン校長も、作中のアクセントとなっている。テンションの差や絶妙な間がユーモラスだ。
スターウォーズや指輪物語、ハリー・ポッターが好きなオタクであるネッドの言動には、各作品のアイテムやキーワードを散りばめられており、ファンならニヤリとしてしまう場面も。
二人が距離を縮めるシーンは映画版で非常に印象的な演出がなされているが、本作ではミュージカルならではの楽しくロマンティック(?)なシーンになっていた。
全体を通しての大筋は映画と同じだが、シーンが追加されていたり、掘り下げられたりしているのも魅力の一つだろう。
マイクとスカーレットのすれ違い、それを間近で見てきた子どもたちの心情など、家族一人ひとりの思いや価値観により深くフォーカスし、魅力的な楽曲に乗せて丁寧に描いていると感じた。
また、本筋から少し視線を動かすと新たな気付きがあるのも舞台ならではの楽しさ。アレックスのバスケ部での活躍、友人たちと和気藹々と過ごすマギーやスタンの姿などに注目することもできるため、原作が好きな方も新鮮な気持ちで観ることができるのではないだろうか。

きっと誰もが一度は「あの時に戻ってやり直せたら」と考えたことがあるだろう。全く違う道を選ぶのか、未来をよりよく変えるのか。
不思議な現象で若かりし頃の自分に戻り、違う視点から家族を見ることで様々な真実に気付いて、自らの手で未来を掴み取るマイクと家族の姿から、多くの学びと感動、勇気をもらえるはずだ。
本作は5月16日(日)より東京建物Brilla HALLにて開幕。その後全国4都市で上演される。

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