プラネタリウムが映し出す星々と共に
立ち上がってくる「今」 Dance New
Air 2020→21 湯浅永麻 × 大平貴之
『 n o w h e r e 』開催決定
今年(2020年)秋に行われる予定だった国際ダンスフェスティバルDance New Air 2020は、今年の状況を踏まえてDance New Air 2020→21とタイトルを変え、2021年秋に開催する。それに伴い、湯浅永麻 ✕ 大平貴之『 n o w h e r e 』を2020年12月24日(木)~27日(日)東京・南青山のスパイラルホールにて上演することになった。
湯浅永麻 (c)柘植伊佐夫
これは国内外で数多くの世界的振付家と共にクリエイションを重ねてきたダンサー・振付家の湯浅によるプロジェクトから派生した作品。大平貴之(プラネタリウム・クリエーター / 大平技研代表取締役)が開発したプラネタリウムマシーン「MEGASTAR(メガスター)」が映しだす星々とともに織りなすコラボレーションとなる。
大平貴之
星々に囲まれた360度の雄大な空間を我々は普段目にすることはできないが、本来は常にそこに囲まれている。本作では、それを「どこでもない場所(nowhere)」であり、その反面「今、まさにここに(now here)」という地点だと捉える。
メガスター (c)大平技研
出演は湯浅とイスラエルのダンスカンパニー「L-E-V Sharon Eyal|Gai Behar」に所属しながら多彩に活動する柿崎麻莉子(ダンサー・振付家)。世界中が多難だった2020年の終わりに、今我々がどこにいて、どこに向かおうとしているのかについて思いをはせることができるだろう。
柿崎麻莉子 (c)chikashi suzuki
【湯浅永麻 メッセージ】本公演をご覧になる方々へ
私たちは奇跡と呼ばれる地球で奇跡の確率で生まれいつかは死を迎えるという『現実』を知っていますが、毎日の生活という『現実』をこなす中ではそれは霞みがかってしまいます。
2020年、私はまさに立ち止まって空を見上げて、満天の星空に気づく様な時間を過ごしました。
それは、自分の居られる場所、日々の微妙な移り変わりに目を向ける中で、遠い大切な人達を想い、世界中で起こる様々な出来事などに、一人の人間としての視点から、今何処に在って、何に影響されてどう自分が突き動かされるのかを強く見た日々でした。
2020年、私はまさに立ち止まって空を見上げて、満天の星空に気づく様な時間を過ごしました。
それは、自分の居られる場所、日々の微妙な移り変わりに目を向ける中で、遠い大切な人達を想い、世界中で起こる様々な出来事などに、一人の人間としての視点から、今何処に在って、何に影響されてどう自分が突き動かされるのかを強く見た日々でした。
大きな流れの中では、屑のような毎日の些細な事に翻弄される私たちは、
愚かだが同時にその一瞬一瞬を愛しく思う事も出来る
私と柿崎麻莉子さんのそれぞれの小宇宙で流れる時間での『今』の位置
n o w h e r e
それは全く違う『現実』で、人の数、存在する物の数だけそれはある
無数の星のように
愚かだが同時にその一瞬一瞬を愛しく思う事も出来る
私と柿崎麻莉子さんのそれぞれの小宇宙で流れる時間での『今』の位置
n o w h e r e
それは全く違う『現実』で、人の数、存在する物の数だけそれはある
無数の星のように
【大平貴之 メッセージ】
僕はこの場所で、天文学の話をしたいわけではない。
ただ「宇宙に無数の星がある」というシンプルだけど深淵なメッセージをよどみなく伝えたい。
宇宙のスケールの大きさ、膨大な星がひしめく銀河宇宙の中で私たちはあまりに小さな球体に佇んでいること。
他の誰かを常に探しているが見つからないこと。未来も知ることができないこと。そして孤独な事。
もし宇宙で誰かを見つけることができたら、時間と空間の両面で閉ざされた私たちは、ここから出ることができるだろうか?そしてそもそも我々はどういう存在なのか?このことを自身に問いかけてもらいたいと思う。
私は、「個人」というものを「地球」という存在に置き換えてもいいと考える。
個人=惑星。
来場者ひとりひとりが、地球という個人に成り代わって、宇宙の深淵に耳を澄ませ、誰かの声を聞き分けるような感覚が描けたらと思う。
ただ「宇宙に無数の星がある」というシンプルだけど深淵なメッセージをよどみなく伝えたい。
宇宙のスケールの大きさ、膨大な星がひしめく銀河宇宙の中で私たちはあまりに小さな球体に佇んでいること。
他の誰かを常に探しているが見つからないこと。未来も知ることができないこと。そして孤独な事。
もし宇宙で誰かを見つけることができたら、時間と空間の両面で閉ざされた私たちは、ここから出ることができるだろうか?そしてそもそも我々はどういう存在なのか?このことを自身に問いかけてもらいたいと思う。
私は、「個人」というものを「地球」という存在に置き換えてもいいと考える。
個人=惑星。
来場者ひとりひとりが、地球という個人に成り代わって、宇宙の深淵に耳を澄ませ、誰かの声を聞き分けるような感覚が描けたらと思う。
文=高橋森彦
SPICE
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