「ギルティ ~この恋は罪ですか?~」

「ギルティ ~この恋は罪ですか?~」

【芸能コラム】小池徹平が新境地へ!
 ギャップの魅力で“ヤバい男”のオ
ファー絶えず

 ベビーフェースで人気を集め、かわいい年下キャラを演じることが多かった小池徹平も今や34歳。年相応の大人の魅力を醸し出し、役の幅も広がり、役者として大活躍しているが、昨今はこれまでのイメージを覆す“ヤバい男”のオファーが絶えないようで…。
 愛する夫(小池)と元カレ(町田啓太)との間で揺れ動くヒロイン荻野爽(新川優愛)のドロドロの人間関係と、キュンキュンする恋愛模様を描いた“ドロキュン”ドラマ「ギルティ ~この恋は罪ですか?~」(日本テレビ系 毎週木曜夜11時59分~)。
 本作で小池が演じる荻野一真は、広告代理店に勤めるハイスペックなイケメンで、雑誌編集者として働く妻のために率先して家事を行う優しくて完璧な夫。だが、彼女には決して見せない“裏の顔”を持っているという役どころだ。
 第1話の放送後には、愛妻家のように振る舞うが、子どもをほしがる爽に向かって「子どもはいらない」と拒絶したり、爽の友人の瑠衣(中村ゆりか)と不倫をしていたりと、さっそく”裏の顔“を露呈した一真に、「震える…」「笑顔なのに『ヤバい。これ何かありそう』っていう妙な恐怖感」などと、戦りつを覚える視聴者が続出。「爽やかかわいいイケメンはどこにいったの!!!!」と小池の変わりようを嘆く声もあった。
 小池は15歳のときに「第14回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」(01)でグランプリを受賞して芸能界入り。05年にはウエンツ瑛士と音楽デュオ・WaTを結成してメジャーデビューし、若い世代から絶大な人気を得た。
 役者としては02年から活動しており、「ごくせん」「ドラゴン桜」「医龍-Team Medical Dragon-」といった大ヒットドラマに立て続けに出演。08年に放送された「シバトラ~童顔刑事・柴田竹虎~」では、イメージそのままのタイトルロールで連続ドラマ初主演を務めた。
 デビュー当時は、やんちゃな学生役や、主人公に振り回される役など、自身の愛くるしいビジュアルとシンクロするキャラクターを任されることが多かったが、30代で大きくかじを切った。
 ドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」(18)では、孤独な療養生活を送る中、同じ病を患うヒロイン(戸田恵梨香)にゆがんだ愛情を傾ける松尾公平役を演じ、「ゾッとする」「芝居うまい」と絶賛された。中には、その演技力故に「徹平見るのヤダ」と拒否反応を示す者まで現れた。
 ドロドロの恋愛劇で視聴者をくぎ付けにしたドラマ「奪い愛、夏」(19)では、恋人(松本まりか)を思うあまり、好青年から激変し、過激な言動に走る桐山椿役を怪演。目を見開き、わめき散らし、金属バットを振り回し、殺人にまで手を染めようとする姿は、まさにサイコパスだった。
 一方、ドラマ「リカ」(19)では、自称28歳のヒロイン(高岡早紀)に見初められて執ようなストーキングに遭い、恐怖によって乱心する大矢昌史役を熱演。同作が決定打となり、小池は“狂気”がハマる役者の仲間入りを果たした。
 しかし、これまで無縁だった“狂気”が、なぜこんなにもハマるのか…? その理由は、やはりギャップの魅力だ。人懐っこい笑顔を振りまいていたイケメンが突如見せる狂気の沙汰は見る者を驚かせ、引き付ける。そして、「次はどんな姿を見せてくれるのか?」「どこまで壊れることができるのか?」と、役者としてのポテンシャルを期待させる。
 役者にも、自分の殻を破って新たなステージに上がることを願い、ギャップのある役には勇んで挑む傾向がある。小池も2年前のインタビューで「イメージを裏切る役をいただけるのは楽しい」と喜んでいた。
 また、小池にはギャップの魅力だけにとどまらない、培われた演技力もある。16年にWaTを解散後、舞台に積極的に挑戦し、17年には主演ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」「キンキーブーツ」での歌唱や芝居が評価され、舞台役者にとっての誉れとされる「第42回 菊田一夫演劇賞」を受賞。
 ファンに「役者としての活動で恩返ししたい」と誓った小池は、以降も数々の作品に出演しており、舞台で鍛え上げた演技力と度胸は見事に映像の世界に還元されている。
 小池の起用が相次ぐ理由は、彼の人柄にもあるといえよう。スタッフ・共演者からは「気さくに話し掛けてくれる」「優しい」「マイナスが一つも見当たらない」と言われるほどのパーフェクトマン。性格もよくてイケメンで、幅広いキャラクターを演じられるのだから起用しない理由がない。
 「ギルティ」の撮影では、「一真もなかなか癖のある役です。平気な顔でうそがつけるヤバめな人物です。皆さんに驚いて楽しんでもらえるように頑張ります」と意気込んでいる小池。
 早々に本性をのぞかせた一真は、今後どのようなヤバさを見せてくれるのか、ドラマの展開とともに大いに楽しみだ。同時に、新境地に達した小池の暴走劇からも目が離せない。(錦玲那)

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