阿部寛がスキャンダラスな王に挑む
彩の国シェイクスピア・シリーズ第3
5弾 『ヘンリー八世』初日が開幕
『ヘンリー八世』はみなさんに馴染みのない、シェイクスピアの最晩年の戯曲です。芝居の構造はしっかり作るとともに、蜷川幸雄さんから続く彩の国シェイクスピア・シリーズにはエンターテイメントの要素を盛り込むことも重要。構造を作りながら、どうやって面白くみせるかという兼ね合いに時間をかけ、いつもより2割、3割増しに長い稽古時間をとりました。丹念に稽古した甲斐あって、主演の阿部寛さん然り、初舞台の金子大地君もしっかり理解して、自分の中に取り入れてくれました。僕の目指したものが役者さんたちにも伝わっていて、非常に面白い芝居になったと確信しています。シェイクスピアは言葉の芝居。お客様に言葉をきちんと伝えないと成立しない芝居ですが、役者たちは明晰に台詞を喋り、さらにそこに感情を乗せるということができた。目指していた理想的なシェイクスピア上演の形が出来たと思います。
これまでみんなで一所懸命に稽古をしてきて、ようやくお客さまの前で演じることができます。劇場に入ったお客さまの反応をはやく感じたい。全体像を共有できるのが楽しみです。
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