水上真理がライフスタイルをコラムす
る「Make smile」vol.10 水上真理流
、幸せの定義

記念すべき10回目のコラム。さて何を書こう。
スマイルプロデューサーとして「笑顔」をテーマに書いてきた。そして、このコラムの中で、笑顔になることで感じる幸せについて考えてきた。
改めて考える。幸せとはなんだろう・・・?
「幸せだから笑うんじゃない。笑うから幸せなんだ。」という言葉がある。
「笑う門には福来る」ということなんだろう。確かにそうだと思う。笑うことで幸せを感じることは、化学でも解明させているのだ。
笑うと脳内の神経伝達物質セロトニンの放出が活性化される。セロトニンは人に安心感を与えたり、気持ちをリラックスさせる効果がある。セロトニンが不足するとうつ病になると言われていて、実際、うつ病の薬にはセロトニンを活性化させる働きがあるのだ。
「As if(アズ イフ)の法則」はご存じだろうか。心理学者のリチャード・ワイズマンによる実験で証明された笑いに関する法則だ。26000人を二つのグループに分け、片方には「毎日、数秒ずつでいいので、意識的に笑うようにしてください」と告げ、もう片方には特に何も言わずに一週間を過ごしてもらった。
一週間後、両グループに幸福感を尋ねたところ、意識的に笑うようにと告げられたグループの方が、圧倒的に幸せを感じていたのだ。
科学的根拠や心理学者の実験データを聞いて、どんな風に感じるか。
実は、それが1番重要なのだ。
頭ではわかっているけど・・・そんな風に思ってしまうのはもったいないと思う。とりあえずやってみよう!と素直に実践することで、もしかしたら、幸福感を手に入れることができるかもしれないからだ。
つまり、物事をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかが、幸せに直結しているのではないかと思うのだ。
生きていると、毎日たくさんの選択肢がある。何を食べるのか、どの道を歩くのか、何を聴くのか、誰と過ごすのか。そして、脳は起きた出来事をどう捉えるかも選択している。
感情は選択なんてできないよ!と思うかもしれない。でも考えてみてほしい。
同じ出来事が起きても、喜怒哀楽、人によって感じる感情は違うのだ。感情の選択は無意識で起こっている。
では、脳はどのように選択しているのか。それは、過去の出来事で自分が感じてきた感情をベースにして今の感情を選んでいるのだ。
さて、
「雨が降っている」
この状況をあなたならどう捉えるだろうか。
私は、湿気で髪がまとまらなくて嫌だなと思う。ネガティブな感情だ。しかし、このネガティブな感情をポジティブに変えようと意識してみるとどうだろう。
お気に入りの傘やかわいいレインブーツを持っていたらどうだろうか。
傘もレインブーツも雨が降らなかったら使うことなどないのだ。そして、お気に入りの傘とレインブーツを買いに行くことにする。見事みつけることができたら、次の雨は今日の雨より、幸せに過ごすことができるかもしれない。
イメージしてみる。
髪の毛は湿気で広がらないように編み込んだアレンジにして、お気に入りの傘にかわいいレインブーツで出かけるのだ。不思議と次の雨が楽しみに感じている自分に気付く。
無意識の選択を変えるというのは、こういう小さなことからでいい。
小さな変化は重なるといつのまにか大きな変化になる。
私の住む東京は、1年の内の三分の一、つまり、121日くらいは雨らしいのだ。365日の内、121日の気分が変わったら、今年より来年は、幸せに過ごす時間が長くなるのではないだろうか。
幸せでなくてはいけない。そんなことはない。
しかし、ポジティブに考えることで変化する感情の可能性について考えてみてほしいのだ。
では、幼少期を振り返ってみよう。
私の幼少期は、「ネガティブorポジティブ」というよりは、とにかく「感情が激しい」子供だった。
嬉しければ笑う、嫌なら泣く、子供らしいと言えば可愛げがあるが、中学生になってもそのままだったから可愛いなんてものじゃない。
有難いと感じるのは、そのわがままを素直と捉えてくれた大人たちがいたことだ。そして、その長所にも短所にもなる「素直」を良い方向に伸びるよう育ててくれた人たちがいる。
溢れる愛情で、厳しさで、共感という優しさで・・・
振り返れば全ての出逢いに有難さを感じる。あの時、あの人に出逢わなければと想像するとゾッとするくらいだ。
人との出逢いだけではない。
音楽が、映画が、本が、漫画が、ドラマが、関わってきた、選んできた全てに教育されてきたのだ。そして私の脳は経験から学び、感情の選択を繰り返し、今の私になった。
春には、桜の美しさに足を止め、ときめく。
毎年飽きることなく、この季節を待ちわびている。
夏には、緑の美しさを感じる。
前にコラムでも書いたが、苦手な夏を好きになれた今は、夏を楽しめるようになった。
秋の紅葉も楽しみのひとつだ。
毎年、今年こそは、山に紅葉を観に行こう!と思いながら、まだ行けていない。秋にはまだ、体験できていない楽しみがあるのだ。
そして、秋刀魚を美味しくいただく。季節の食を楽しめるのもとても贅沢なことだ。
冬にはお風呂で幸せなため息をつく。
凍える体を温めてくれる湯舟の有難さは、夏には感じることはできない。寒い季節ならではの幸せなのだ。
鍋もいい。大切な人と食べる鍋なら、なお幸せだ。
イメージしてみてほしい。
どんなことを幸せに感じ、笑顔になるのかを。
想像するだけでにやけてしまうくらいに。
無理に笑う必要なんてない。人は幸せを思い出すだけで幸せになれるからだ。
幸せなことを想像する癖をつければいい。それだけでセロトニンは活性化し、心は穏やかになる。
できれば想像する幸せは簡単に実現できることがいい。好きな食事、好きな場所、想像した後、実現することでさらに幸せを実感できるからだ。

ポジティブにならなきゃ!と自分を追い込む必要はない。
ポジティブに考えてみようと楽しんでみるのだ。それでもネガティブが頑固に脳を支配しているなら、とことんネガティブになってみるのもいい。
とことんだ。
人間というのは不思議なもので、限界を感じる瞬間がある。ネガティブも行き着くと、それ以上のネガティブが思いつかなくなってくるのだ。
ネガティブは悪いことじゃない。
私はネガティブも好きだ。ネガティブな感情は泣くことを教えてくれる。泣くことで前に進める時もある。前に進めたら、ネガティブな自分を抱きしめてあげればいいのだ。
ありのまま生きるのは難しいと言われる世の中だが、そんなことはない。
自分の感情に素直であることと、思い通りにいかないと嘆くことは全く別のことだからだ。
感情は自由だ。
何を思っても、何を感じても、自分自身が受け止めてあげればいい。他の人にわかってほしいと強要してしまうから苦しくなるのだ。
そして、自分自身に素直であれば、その気持ちに共感してくれる人に出逢うことができる。
自分らしく生きることで自然と笑顔は増え、幸せを感じるのでないかと思う。
今回のコラムは、私なりの「幸せの定義」を書いてみた。
みんなの幸せは見つかっただろうか?
分かり合えても、分かり合えなくてもいい。
最後まで読んでいただけた。それだけでうれしいからだ。
お付き合いいただき、ありがとうございます!
今日の笑顔を振り返り、明日の幸せに繋がっていきますように・・・

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