アクション×殺陣で魅せる『誰ガ為の
アルケミスト 舞台版「聖石の追憶」
』稽古場&合同取材レポート

6月26日(水)~30日(日)に博品館劇場にて『誰ガ為のアルケミスト舞台版「聖石の追憶」』が上演される。本作は全世界900万ダウンロードを突破した本格タクティクスRPGゲーム、『誰ガ為のアルケミスト』を原作とした舞台。物語は、メインストーリーではなく、ゲーム内でもファンの間で話題となった「聖石の追憶」のシナリオだ。
主演の橘龍丸をはじめとした、殺陣、アクション、芝居を兼ね備えた豪華俳優陣が“ゲームでは語られることのなかったもうひとつの聖石の物語”を舞台上で紡ぎ出す――
今回は、そんな舞台版『聖石の追憶』の稽古場、および合同取材をレポートする。
熱気あふれる舞台稽古
稽古場ではセットは組まれておらず、床に複数のテープで導線やセットのラインを取ったスタイルで行われていた。この日の稽古は殺陣が中心で、エクスカリバー、双剣、槍、体の半分以上もある弓など、様々なキャラクターの武器を操り、打ち合わせを重ねていた。
稽古場の床面セットなどをテープで示してある。

中村のダイナミックな殺陣
カグラの武具
様々な武具が稽古場に置かれている

殺陣も本格的、かつ、ダイナミックだ。舞踏兵団と呼ばれるアンサンブルも含めた複数人で迫力溢れるアクションで、稽古場を所狭しと動き回る。熱気に満ちた稽古の最中、演出の宮城陽亮や殺陣師と真剣に意見を交わし、何度も動きを確認するキャストたち。
真剣に殺陣の指示を聞く末永
稽古中の花影
稽古が一旦止まった間も、キャストたちは動きを止めず、中村誠治郎を中心にアクションの自主練習や、再度殺陣の練習を繰り返すなど、キャスト陣の熱意もたっぷりだ。その合間にも笑顔が見え、稽古がはじまって一週間とは思えないほど、カンパニーの結束力を感じさせた。
和やかな空気の中で進んだ合同取材
ーーまずは意気込みや演じるキャラクターについて一言お願いします。
今泉潤(企画・プロデュース ):今泉P役の今泉です(笑)。ゲームを作っているゲームプロデューサーです。(意気込みは)ゲームではない形のエンターテインメントの体験をゲームユーザーに届けられるように頑張ります。
宮城陽亮(脚本・演出):意気込みかぁ……ちょっと刺さるくらいの想い出に残したいです。普通の思い出よりガン!とくるような衝撃的な感じで頑張ります!
演出・脚本は仮面ライダーの特撮を手掛ける宮城陽亮
橘:クダンシュタイン役の橘龍丸です。アプリゲーム『誰ガ為のアルケミスト』の舞台化ということで、主演をさせていただけるのは光栄です。一同全力で皆さんに楽しんでいただけるよう頑張ってまいりますので、応援の方よろしくお願いいたします。
花影:カノン役の花影香音です。超元気キャラなので、自分自身の元気さを活かして役に投影していきたいと思います。こういう大きな舞台がはじめてなので、みなさんのお芝居だとか立ち回りとかを吸収していきたいと思います。
三浦:クウザ役の三浦海里です。クウザが今回、ゲームではそんなに出てきていないキャラクターなので、舞台でやれる自由度が他のキャラよりも高いと思うので、僕の演じるクウザがゲームに反映されたらいいな(笑)と思います。
花影香音
末永:カグラ役の末永みゆです。カグラはツンデレキャラということで、少しツンツンしながら、アクションの方もありますので、一生懸命頑張ります。
中村:ザイン役の中村誠治郎です。お客様が見に来てくれる上に、舞台は長丁場で、映画よりもチケット代も高いので、せっかく稽古期間がひと月もあるので、ゲームのユーザーの方も、知らない方たちも素晴らしいものを、何かひとつでも与えられるようにやっていきたい。2.5次元という舞台ですが、ひとつの作品としてみなさんに届けたいと思います。
ーー原作者として、何故舞台化を選ばれたのでしょうか?
今泉:我々は思い出を大事にしているのですが、コンシューマーはゲームに終わりがある、物語には終わりがあるから思い出になるなって思っていて……。だけど今のアプリゲームは終わりがない、(『誰ガ為のアルケミスト』も)4年目の運用、アプリとしては長い・古いものになってきて、ユーザー様に愛される作品になっている。ユーザー様に思い出を作ってほしいという気持ちで、ゲームとは全く違う、真反対くらいのエンタメである舞台で、中毒性の高い舞台を、『誰ガ為』で作りたいと思いました。
今泉プロデューサーも殺陣の稽古中?
ーー熱いストーリーが魅力のゲームですが舞台にする上でどんな作品にしていきたいですか?
宮城:そもそも、主役のクダンシュタインはゲームの中でいつも騙されてたり怒ってたり、仲間から少し距離を置かれてしまったり、少しかわいそうな立場のキャラクターなんですよね。そこが魅力だったりするのかもしれないけど、舞台ではこんなクダンシュタイン見たいことない! というところを見せたいんです。このクダンシュタインは孤独の中で一番友情に恵まれていた時というものにしております。
ーー先週から稽古がはじまったとのことですが、今回の台本を読んでみての感想は。
橘:「聖石の追憶」のストーリーがとても長いものになっているので、とある時期の抜粋されたストーリーをやるんですが、語られていない部分、それこそ新しいキャラクターのクウザがいることによってゲームでは見られない普段の一面が見やすくなっている気がしています。
主演の橘(左)と舞台オリジナルキャラクターを演じる三浦(右)
ーー三浦さんはクダンシュタインと深いかかわりのあるクウザ役でのご出演ですが、稽古場ではどのような心掛けや接し方などをされていますか?
三浦:龍丸さんと3年前に共演したことがあって、今でも稽古場でふざけあったりとかお芝居の話をしたりとかさせていただいているので、僕的にはありがたいなって思います。人見知りなので、知っている龍丸さんがクダンで嬉しいです。
ーー花影さんと末永さんが演じるカノンやカグラは困難に立ち向かっていくキャラクターですが、難しいと感じる場面などありますか?
花影:殺陣はやってきたことがあるんですけど、意味つけとかが苦手な部分ではあるので。戦闘シーンで意味つけをしっかりしていって、カノンがかわいそう…がんばってがんばってと、思っていただけるように頑張って行きたいと思っています。
末永:絶賛苦闘中です……(笑)アクション? 殺陣? はやったことがないに等しいので、言われていることは分かってるけど出来ない自分に苦しんでます。でもきっとカグラってこういう場面でもやってやるぞ、頑張るぞっていうタイプだと思っているので、頑張っています。
末永みゆ
ーー中村さんは原作で人気のキャラクターを演じるとのことですが、ゲームは実際プレイされていますか?
中村:キャストの中で誰よりもやってます。ザインはレベルマックスです……なんで僕だけゲームの話?(笑)
ポスター撮影時の思い出を語る末永(左)と中村(右)
ーーこの舞台の見どころをお願いします。
今泉:我々裏方からすると、ゲームユーザーにも楽しめるようにしつつ、ゲーム✕舞台の、キャラクター✕役者の、ゲームではない舞台の魅力があるので、僕も楽しみにしています。
ーーそれぞれの武器の見どころを教えてください。
橘:僕は槍をつかっているんですけど、普通の槍と違って、先が斧くらいの大きさになっていたり、お尻の部分にも刃がはっていたりします。

槍を記者に披露する橘

三浦:僕の武器は日本刀みたいな、つばのない白鞘というものなんですけど……まだ武器が来てなくて……他のキャラクターとよりはシンプルなはずです。
花音:私もまだ届いてなくて、手に慣れていなくて。衣装合わせ(ヴィジュアル撮影)で持っただけなんですけど、すごく重かったです。でも、格好いい剣です!
末永:魔法の杖なんですけど、林檎がついてる、みたいな。武器にも注目してください。
中村:僕はエクスカリバーです。ゲームよりは短いんですが、武器を作ってくださる方が『あの長さは物理的に無理だ』と。芝居で大きく見せます!
左から、橘、三浦、末永、中村
ーーヴィジュアルのお話も出ましたけれども、衣装はどうでしたか?
橘:足の甲に角が生えてるんですよね、実際はどうなるのかな? この角があることで、僕の膝にサクって刺さるので、今のままじゃ座れない……(笑)。小さくなるのか、なくなるのか楽しみです。
花影:完成したポスターにはあんまり映ってないんですけどマントがあって、ひらひら感を再現するために、扇風機を当ててもらったり、糸で吊るしたり、剣を振って躍動感を出したりしたんです。
三浦:はじめ、傷をどこにつけるか問題みたいなのがあって、僕、傷がない状態がヴィジュアル系バンドみたいなので、傷があることでイイ感じにしてもらって嬉しかったです。装飾が多くて、竜の爪とかひらひらとか、僕ぶかぶかした衣装が好きなので、ぶかぶかしてて嬉しいです。
末永:カグラは結っっ構露出が激しいんです。背中全空きですし、足元もストッキングにふんどしみたいなチャイナドレスなので、セクシーが好きな人はそのあたりもお楽しみにしてください。
中村:格好いい衣装を着させてもらって、撮影中めっちゃ褒めてくれて、みんな『格好いい格好いい』って言ってくださって幸せでした。
ーーアクションなどとても素敵な舞台になるそうですが、殺陣についてはいかがでしょうか。
宮城:剣だけで戦っている場面が少ないかもしれないです。剣ももちろん振るんですが、近くになれば足が出たり武器を捨てたりの組み合いがある。そこが見ていると「アッ」言っていただけるのでは? と思っています。オーディションの時でお会いした時から思っていたんですが、花影さんはハイキックすごく決まる女性。クダンとクウザは一番殺陣が多い、技だけではなく見せ場を意識して組んでいます。
今泉Pも太鼓判の花影のハイキック
ーー各キャラクターの舞台でここを見てほしいということろをお願いします。
橘:ゲームユーザーの方は、クダンは『頭クダン』というイメージを持たれているみたいなので、今回の舞台でそのイメージを払拭しつつも、違う面も見られると思います。本来『聖石』はカノンがメインで、それがクダン側に映るとどうなるのか、カノンはどう動いていたのかなど、そういう点に注目してみて下さると嬉しいです。
三浦:任侠感。兄貴感。今回出てるキャラがみんなクールなので、場をにぎやかせるキャラが少ないので、僕のクウザがそっち側に行けたらいいなって思います。クールな時もあるし、フランクになる時もあるし、っていうのも目指し、クダンに深く関わるのでクダンシュタインにどんな影響を与えるのかそこを見てほしいと思います。
花影:カノンの発言だったり行動だったりによって、他のキャラがどのように影響されていくのか作用されていくのかというストーリーでもあるので、そういうところが見どころだと思っています。あと、カノンの必殺技『ミラクル・カノン・スラッシュ』をどこで使うのか是非とも楽しみにしてください!
(左から)花影、橘、中村
末永:普段はカノンとわちゃわちゃしてるんですけど、でも、ワダツミの女王の娘ということで決めるところは決めるというところを見てほしいです!
中村:動ける人が多いので、殺陣に注目していただければと思います。
――では、最後に、観劇にいらっしゃるみなさまへメッセージをお願いします。
橘:今回初の舞台化ということで、ゲームユーザーの方も、舞台のファンの方も楽しんでいただけるように、カンパニー一同試行錯誤しながら頑張っております。是非劇場に足を運んでいただき、舞台の世界観も楽しんで頂けると嬉しいです! よろしくお願いいたします!
取材・文・撮影=森 きいこ

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