藤山直美「感謝しながら舞台に」 約
3年ぶりに松竹作品出演『笑う門には
福来たる〜女興行師 吉本せい〜』製
作発表会見レポート

笑いの王国“吉本”の創始者・吉本せいの波乱万丈の人生を描いた舞台『笑う門には福来たる~女興行師 吉本せい~』が2019年5月から大阪松竹座、7月から新橋演舞場で上演される。3月20日に都内で行われた製作発表会見の様子を写真とともにお伝えする。
本作は、2014年11月、博多座で初演され、同年12月には新橋演舞場で上演。その後、16年11月に大阪松竹座でも上演されている。
藤山直美
主人公の吉本せいを演じる藤山直美は「2016年11月、病が分かりまして、休業させてもらいました。ほとんど3年ぶりに松竹の舞台に立つ機会をいただきましたことを感謝いたしております。『おもろい女』(※藤山直美の舞台復帰作。2018年10月上演)とは違いまして、檜の舞台の劇場は花道もありますし、劇場としても大きく、大変運動量も多いので、自分でどこまでいけるか分かりませんけれども、皆さまに助けていただきながら、一つひとつ無理せずに檜を踏みしめながら、感謝しながら舞台に立たせていただきたいと思います」と挨拶。「(病が分かり公演を中止にした時に)みなさん快く対応していただきましたので、お詫びとお礼の気持ちを込めて、舞台を務めさせていただかなくてはいけないと思います」。
初演からほとんど同じメンバーで共演することについて、藤山は「馴れ合いではなくいいチームワークだなと思って、ほっと安心もしておりますけれども、もう一度気持ちに引き締めまして、みんなに助けてもらいながら、責任を持ちまして、共演させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」とも語った。
喜多村緑郎
せいの実弟である林正之助を演じる、喜多村緑郎は「本当にこのお芝居は僕の中で三本の指に入るぐらい、大好きなお芝居なのですが、今回こうして大好きなお芝居、林正之助というお役に帰ってこられたこと、嬉しく思っております」と話した上で、「お姉ちゃん、お帰りなさい。本当に直美さんが帰ってきてくれたこと、自分では近年稀にみるほど興奮しております。新橋演舞場、大阪松竹座、2ヶ月間、吉本せいを支えていきたいと思います」と決意を語る。
せいの夫である吉本泰三を演じる、田村亮は「遊び人でお酒も女も好きで、早死にしてしまう、どうしようもない男に見えるけれど、泰三さんというのが、僕は結構好きなんですね。自分に正直に生きているというか。初演の時から大切にやってきたつもりです。しかも大変楽しく、やらせていただきました。それが今回2ヶ月もできるので、嬉しく喜んでおります。一人でも多くの皆様に見ていただきたいと思います」と挨拶した。
西川忠志
せいの息子である頴右を演じる、西川忠志は「この役をやるために生まれてきました西川忠志でございます(笑)」と笑いをとった後、父の西川きよしと母の西川ヘレンが吉本興業出身であり、自分自身も吉本興業に所属していることなどから「このお役に巡り会えたことに運命とご縁を感じております」と話す。
 
「たくさんのご縁の先にこのお役がある。僕は導かれるようにこのお役をやらせていただくことに感謝し、精一杯務めなければいけないと気を引き締めております。吉本興業100年以上の歴史を迎えさせていただいております。今まで吉本興業に携わってこられた社員の皆様、芸人・タレントの名を汚すことなく、精一杯務めさせていただきます。息子として、お芝居の中で親孝行しなければいけないと思います」と熱弁を振るった。
出演者の西川忠志、喜多村緑郎、藤山直美、田村亮、松竹の安孫子正・副社長(左から)
続いて質疑応答が行われた。内容を一部お伝えする。
ーー今回で3度目の上演ということで、観客の期待値も高まっていると思いますが、改めて心境を教えてください。
藤山:気持ち的には初日戻るつもりで、新鮮な気持ちでやっていかなくてはいけない。一生懸命やりましょうというのは時々お客さんにとってはうるさくなる。役者が一生懸命やるとお客さんが苦しくなることがあるので、そうではなくて、三味線でいうと糸がピンと張っているような状況の中から、まろやかさや滑らかさ、遊び心を出していきたいと思います。お稽古を頑張っていきたいと思います。
喜多村:初演から参加させてもらっていますが、16年の再演の時にものすごい素晴らしい舞台に立たせてもらっているなとじわじわと感じるようになりました。お客様も見れば超満員ですし、お客様も同じことを感じていらっしゃるんだなと実感したことを覚えています。16年から3年経ちまして、役者というのは生き物ですから、どういう進化を遂げるのだろうと。演じる方も楽しみです。
田村:(自身が演じる)泰三さんが大好きです。今回も楽しさを噛み締めて一生懸命演じたいと思っております。
西川:ただただ笑っていただくだけではなくて、喜怒哀楽が詰まった舞台。この舞台を見たお客様に元気を与えられるように、皆様と一緒にこの作品を作り上げていきたいと思います。
藤山直美
ーー吉本せいと演じるにあたって、どんな女性だと思いますか?
藤山:この方は本当は良妻賢母で、子供を育てて、旦那さんが頑張ってくれるのを応援して……という人生を送るつもりやったと思うんですけど、私がやらなあかん状況になった人。子どもと相対している時間がない母親の悲しさや、「こんな三流の小屋に出る筋合いはない」という罵倒される人の悲しさ……そんな悲しさが出ればいいなと思っています。今は吉本というと日本一と言われるけれど、奥歯を噛み締めてきた人がたくさんいたと思う。こんなところで働いているんだと吉本の社員さんには誇りを持ってもらえるような舞台にしたい。吉本せいさんは、女の悲しさ、寂しさがあり……生きていかなあかんという笑いの神様に肩を叩かれた人生を演じられればいいなと思っております。
ーー最後に一言お願いします!
藤山:新元号で初めてのお芝居。昭和のお芝居は時代劇になっていきます。よき大阪の、よき日本の時代。道具や衣装の力もあるのですが、風情は役者の身から出るもの。よき時代のよき大阪のお芝居になればと思います。うるさくならないように頑張ります。

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