“浦島坂田幽霊船”による一夜限りの
プレミアムな夜宴・ハロウィンライブ
をレポート

Happy Halloweeeen 浦島坂田幽霊船~吸魂(求婚)パーティ!?ちょっと魔って▽もしかして僕にヨーカイ?~

2018.10.28(Sun) 千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
異国における秋の収穫祭であったはずのハロウィンが、日本でもてはやされるようになったのはここ近年の話。楽しいことを常識の範囲内で愉しむこと自体には、何の問題があるはずもない。
題して、『Happy Halloweeeen 浦島坂田幽霊船~吸魂(求婚)パーティ!?ちょっと魔って▽もしかして僕にヨーカイ?~』。このたび、普段であれば浦島坂田船の名で活動をしているはずの彼らが、浦島坂田幽霊船として開催した一夜限りのプレミアムなパーティーは、ハロウィン目前の10月28日に幕張メッセ・幕張イベントホールおいて行われたのであった。この前日にあたる27日には同じ会場を使用し『浦島坂田船SUMMER TOUR 2018 ~THE FINAL~』が大盛況のうちに成功していたことを、ここにあらためて記しておこう。
浦島坂田船
前日とは打って変わり、ステージセットのデコレーションなどが完全にハロウィン仕様となっていた幕張イベントホールでは、この夜パーティーが始まる前からアリーナの客席エリアに不穏な雰囲気を放つ黒装束と仮面を身をつけたナニモノたちかが、幾人も蠢いているという、いかにもハロウィンらしいシチュエーションが展開されていたのだが。いよいよ開演時刻となったところで、彼らはステージへと大移動。
その後、次々と黒装束を脱ぎ捨てた彼らはゾンビスタイルのダンサー勢と化し、その展開に場内が一気にザワつきだすと、程なくして客席後方から浦島坂田幽霊船の4人がそれぞれの仮装姿で現れ、いずれもハロウィンをテーマにした楽曲となる「グリムメイカー」と「ハロウ!ゴーストシップ」を高らかに歌い出すところから、今宵の夜宴は始まりを迎えたのであった。
うらたぬき

志麻

「幕張のみなさん、Happy Halloweeeen!!というわけで、どうも。僕らが……浦?」(うらたぬき)
「島……」(志麻)
「坂・田!」(となりの坂田。)
「幽霊船でーーーーす!」(センラ)
背には羽根をつけ、頭には角をつけ堕天使ルシフェルのように見えるうらたぬき。ゾンビと化しながらも、自動小銃を携えたアーミー仕様の志麻。ゲームに出て来そうな賢者の装いでキメた、となりの坂田。。映画からそのまま飛びてて来たかのごとく、衣装からポーズまで完璧にキョンシーなセンラ。彼らが昨日とは異なり、それぞれがやや声色にホラー色を加えた自己紹介から始まるところも、実にハロウィンらしい。
となりの坂田。
センラ
故に、このあと続けて歌われた「Happy Halloween」と「Mrs.Pumpkinの滑稽な夢」についてもまた、この怪奇なる一夜をより色鮮やかなものとしてくれていたことは間違いないだろう。
なお、この日のライブでも幕間にTV番組『逃走中』をモチーフとしたバラエティ番組風VTRが前日同様に流されたのだが、中味自体は1回戦目とは異る2回戦目の模様となっており、その中でメンバー4人は奮闘するも、残念ながらの敗戦を喫することに。結果、罰ゲームとして全員が容赦のない激辛ワサビ寿司を食することとなってしまっていた。
浦島坂田船
浦島坂田船
もちろん、こうした企画が組み込まれるだけでも充分にエンタテインメント性のあるライブにはなるはずなのだが、なにしろこの日は『Happy Halloweeeen 浦島坂田幽霊船~吸魂(求婚)パーティ!?ちょっと魔って▽もしかして僕にヨーカイ?~』と題されたプレミアムな宴。なんとここからのくだりでは、このライブタイトルどおりの“朗読劇”が4人によって繰り広げられていくことになったのである。
ストーリーとしては、“とある4人の紳士が、花嫁を探さなければならなくなってしまった”という設定から始まるものとなっており、劇中ではロマンティシズムあふれる「ロメオ」を織り込みながら、最終的にはうらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラの4人がそれぞれにプロポーズの言葉をこの大会場にて大観衆を前に発表する、というなかなかのオチがつけられるに至った(笑)。
うらたぬき
志麻
いずれの企画も、この一大パーティーをことさら盛り上げてくれることとなったわけだが、もちろん肝心のライブアクトについてもこの夜の彼らが全編にわたりふるっていたのは言うまでもない。たとえば、志麻&センラによる「#嘲笑ポラロイド」と、うらたぬき&となりの坂田。のツインボーカルによる「夢ファンファーレ」では、ツインボーカルならではの絶妙なコンビネーションが。
はたまた、志麻がアグレッシブなロックチューンの中でアクションシーンを演じた「千日紅」、センラが女性目線のバラードを切なく歌い上げた「スパイラル」、となりの坂田。がキュートかつ無邪気なパフォーマンスをみせた「私、アイドル宣言」、うらたぬきがエロ度全開のダンスと歌で場内からの嬌声浴びた「Pink」と、4人が思い思いに色濃い個人カラーを提示したソロ曲ではひとりひとりの独立した存在感が、あますところなく表現されていたと感じたのは、何も筆者だけではないはずだ。
となりの坂田。
センラ
本編の最後をアッパーでいて叙情性も含んだ「花鳥風月」と、キラキラ感がたっぷりのポジティブナンバー「Dreamer」を飾った後には、アンコールでも4人の醸し出すウェーイ感がハジけた「厨病激発ボーイ」や、浦島坂田船にとってのアイデンティティをそのまま歌にした「SAILING!!!!!」で、幕張イベントホールを完全に浦島坂田(幽霊)船の支配下へとおいた彼ら。4人は、徹頭徹尾このハロウィンパーティーの主宰者として見事な役割を果たしてくれたことになる。
そんな彼らは、このあと11月にセンラが愛知・大阪・宮城・東京でのワンマンツアー『SENRA LIVE TOUR S STILO!!!:RE』を開催。12月には志麻ととなりの坂田。が、大阪・東京2デイズ(Zepp Tokyo+豊洲PIT)での全3公演にわたる『【速報】しまさかでバースデーイベントやるってよwww』も行うほか、来年1月には東名阪のZeppをサーキットする、うらたぬきととなりの坂田。の『URASAKA KINGDOM~To kiss princess~』も決定しているそうだ。
浦島坂田船
1人でも、2人でも、4人でも。その時々によって自在にフォーメーションを変化させながら、これからも浦島坂田船が我々を愉しませてくれていってくれるであろうことには疑いの余地などあるはずもない。願わくば、今回行われたハロウィンパーティーに関しても“常識の範囲内で思い切りはっちゃけられる宴”として、ぜひともさらに定着させていって欲しいものだ。

文=杉江由紀 撮影=小松陽祐(ODD JOB)、黒瀬友理
未掲載カット含む全ライブ写真は【こちら】

※文中▽はすべて白抜きハートマークが正式表記
※「Shouter」のeはウムラウト付きが正式表記

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