【インタビュー】スキマスイッチ「う
まくいかないこともあった、でもそれ
がおもしろい」デビューから15年で得
た経験と自信を胸に贈る“花束”

デビュー15周年を迎えたスキマスイッチが、初のセレクションアルバム『スキマノハナタバ〜Love Song Selection〜』を発表。これまでの楽曲の中から“記念日に贈りたい曲”を厳選し、丁寧にまとめた今作は、まさに大切な人へプレゼントできる花束のように豪華かつ優しい色合いの1枚となった。そして、好きな人、友達、家族など様々な顔が思い浮かぶ曲たちを聴きながら、彼らが15年間守ってきた音楽の本質に改めて気付かされるのだ。聴くたびに大切な人を想い、会いたくなる“衝動”。つまり彼らの音楽はそうやって、心の“スキマ”だけではない、自分と誰かの“スキマ”を埋めてくれていたのだという事実に。
■別れの曲だから思ってもいなかった!結婚式でかけられて驚いた曲
――コンセプトアルバムのリリースはスキマスイッチにとって初となりますが、これは15周年を祝うプロジェクトとして話が進められたものなのでしょうか?
常田 そこよりむしろ、「未来花(ミライカ)for Anniversary」をどうしたらたくさんの方に聴いてもらえるかっていうのが話としては先でしたね。「未来花(ミライカ)for Anniversary」自体もロンドンでレコーディングする機会があったからこそ出来た曲だったし、ピアノバージョンは配信で先に世に出ているけど、今回はオーケストラバージョンで豪華にしたものをCDで出したいねっていうのがあって。ちょうどその頃、最近はCDをプレゼントにして贈る人も減ったよねという話もしていたんですよ。なので15周年としては、何か贈り物になるようなものを作りたいというのがコンセプトとしてあったんですよね。
大橋 スキマスイッチの楽曲って、そこまでハッピーなラブソングって少ないんですよ。失恋の曲のほうが多いのかな?季節感があるものも少ないし。ただ、話を聞いているといろんな人が“この辛かった時期にこの曲を聴いていました”“結婚式にこの曲をかけました”とか言ってくれて…「奏(かなで)」なんかも結婚式に当てはまるなんて当時の僕らは思ってもいなくて。あれは別れの曲だし(笑)。多分、いつも曲を作るときはそうやって聴く人がいろんなシチュエーションを感じられる曲にしたいなと思っているからなんですよね。だから今回も、あえていろんなシチュエーションに合いやすい楽曲を集めてみたというか。結婚記念日とか母の日とか、それ以外にも付き合った記念日とか人それぞれの記念日ってあるじゃないですか?夢を追いかける友達の内定が決まった日でもいい。そこから誰かに音楽を贈るっていう行為に繋がってくれたらいいなと思うんですよね。だから仕様も、歌詞カードが全部1枚ずつになっていて、そこにメッセージを書いてジャケットにして渡せるようになっているんです。
――ボーナストラックとして大橋さんのソロ曲「ありがとう」が、常田さんのリプロデュースの形で入っているのも新鮮でした。これはかなり踏み切ったことなのでは?
大橋 うん、僕とシンタくんで結構悩みました。これは10年前に僕がソロ活動でバンドを組んでいたときの曲なんですけど、今だに結婚式で使ってくれる人が多くて。ちゃんと楽曲として見てもらえているんだなっていう感覚があって嬉しかったんですよね。もう歌うタイミングもないし、こういう機会でもなきゃリリースできないんじゃないかなと思って、僕の楽曲をシンタくんがリプロデュースしたものを、ボーナストラックとして入れようってことになったんです。
■運があったらアレが経験できていた!?デビューから15年を振り返って思うこと
――スキマスイッチ15周年ということで、改めて思うことはありますか?
大橋 デビュー当時はミリオンセラーがバンバン出ていた時代なんですけど、僕らはいきなりドーンと売れてそこからヒット曲が出ないままなんとなく活動を続けてっていうんじゃなく、20万枚をずっと売っていけるアーティストになっていたらいいねって話をよくしていたんですよ。そういう意味では、いい状態で続けてこれているかなとは思いますね。爆発的ヒットがあるわけじゃないけど、ライヴにも自分たちの音楽を理解してくれているお客さんたちが集まってくれているし。自分たちの音楽とそれを楽しみにしてくれている人達のバランスが保てているのはすごく幸せだなと思うんです。もちろん自分たちはこうなりたいってことは、常に考えてきたんですよ?何も考えずに今の状況を手にできているほど、運は良くないと思うんです。そんな運があったらミリオンセラーも経験しているだろうし(笑)。
――あざとくはないけど、策は打ってきたと。
大橋 打ってきていますよ!意外と(笑)。狙ってやってきたこともたくさんありますからね。でも、それもすごく健康的だったなと思えているし。
常田 うまくいかないことのほうがたくさんあったよね。でも、それがおもしろいっていう(笑)。
大橋 たぶん、クラスのおもしろいヤツを目指していたんです。学校を一歩出たらそいつのこと誰も知らないけど、クラスではめちゃめちゃ信頼できて目立つヤツっていうか。
常田 モテないけど、人望はあるっていう(笑)。
――人望ありますね(笑)。長い全国ツアーを終えたばかりですが、11月には神奈川・横浜アリーナ2Daysが決定しています。これはどんなライヴになりそうですか?
常田 ツアーとはまた違う、お祭りっぽく15周年を掲げるライヴにしようとは思っていますね。観た後に熱く語りたくなるようなライヴになると思います。
大橋 お祭りですね。僕らは小屋を回っていくアーティストだと思うので。あなたの街にスキマスイッチが行きますっていうスタイルはずっと守っていきたいし。なんかね、飲み屋で後輩アーティストに会ったときに「次も全国5ヶ所のドームツアーなんです」とか聞くとカッコいいなと思うんですよ。ドームなんて派手なプロジェクトをサラッと言ったりして(笑)。でも、後輩アーティストにホールツアー全国40ヶ所できんのかって思っている自分もいるんです。それは、自分たちのやってきたことに自信があるからで。その状態でアリーナができるっていうのも嬉しいし、僕らには僕らなりの、ホールツアーでお客さんと向き合ってきたからこそのライヴができると思うんですよね。
――長い花道を全力疾走する姿も見れそうですしね。
大橋 はい。若手みたいに頑張ります!
常田 走るって言っても2日間じゃん(笑)。
文/川上きくえ

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