失踪事件の1割は未解決

 世の中には様々な事件があるが、その中でも最も奇妙なのが「神隠し」だろう。昨日までは普通に暮らしていた人が、ある日突然姿を消してしまうのだ。それも生活感を残したままで…。
 意外なことに失踪事件の約9割は解決している。神隠しと騒がれるような事件も結局はただの失踪であることが多い。至るところに監視カメラが設置された時代に、完全に蒸発することは不可能だからである。それゆえ、残りの1割の未解決事件が神隠しとしか思えないのだ。

 2005年4月29日午後1時40分前後、香川県坂出市王越町の五色台ビジターセンター付近の竹林で、タケノコ掘りのイベントの開催中、当時5歳だったYちゃんが行方不明になった。大勢が見守る中いなくなったため、すぐに見つかると思われていたが発見できなかった。すぐに警察に連絡し、複数の警察犬を動員し探索が行われた。
 しかしここで不思議なことが起こる。犯人を見つけたときに吠える警察犬が、同じ場所で足を止めて吠え始めたのだ。これは何を意味するのだろうか? 警察犬が吠えた場所は崖の淵であったが、当然そこには誰もいなかった…。

 2009年7月24日にも同じような事件が起こっている。当時10歳だったMちゃんは、午前7時30分頃から岐阜県群上市のキャンプ場内の遊歩道を散策中、行方不明になった。数人ずつのグループに分かれて夜の肝だめしのコースを下見したが、Mちゃんは最後のグループになった。最後にMちゃんを目撃した校長によると、4人は同8時前に林道のカーブ地点に立っていた校長の前を通過。その後、Mちゃんが遅れてきたので、校長は「がんばれ」と声をかけて見送った。ところがその後、3人の生徒が引き返してきて「Mちゃんが来ない」と告げたという。
 なんと同級生と校長で挟み撃ちしたにも関わらず、姿を消したということになる。その距離約100メートル、わずか10分足らずの間に起きた出来事だった。Mちゃんは臆病で横道に入っていくようなタイプではなく、遺体も発見されていないため誘拐事件と考えられている。
 犯人はMちゃんがグループから遅れると予想し、物陰に潜んでいたのだろうか? そのような状況が奇跡的に起きても、わずか10分で完全に証拠を残さず誘拐できるのだろうか。不可解な点が多すぎる神隠しだ。

 2003年5月20日には、大阪府熊取町で当時9歳のYちゃんが下校途中に行方不明となった。社会科見学で近くの下水道科学館を訪れ、学校に戻って解散したのが午後2時30分。友達3人と別れたのが同57分。その2分後、自宅から400メートル離れた地点で顔見知りの少年がYちゃんとすれ違っている。だが、その後Yちゃんの消息は途絶えた。交通事故が起こった形跡もなく、わずか30秒ほどの間に何者かに連れ去られたのだろうか?

 いずれも小さな女の子が短時間のうちに消えているが、一人で遠くまで行けるわけはない。誰かに連れ去られたのか? しかし一切の手がかりを残さずに連れ去ることが可能だろうか? 少女の悲鳴を聞いた者はいないし、少女と近しい人間の犯行なのか? それとも本当に神隠しに遭ったのだろうか?

(文・編集部)

オススメ文庫:『神隠しと日本人』 (角川ソフィア文庫) [文庫]/著:小松和彦

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