伊礼彼方とspiが新加入! ミュージカ
ル『ジャージー・ボーイズ』チームB
LUEゲネプロレポート

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が2018年9月7日、東京・日比谷シアタークリエで開幕した。初日を前に行われたチームBLUEのゲネプロ(=総通し稽古)の様子を写真とともにお伝えする(なお、チームWHITEのゲネプロレポートはこちら)。
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
舞台はアメリカ・ニュージャージーの片田舎から始まる。“天使の歌声”を持つフランキー(中川晃教)は、成功を夢見る兄貴分のトミー(伊礼彼方)とニック(spi)のバンドグループに迎え入れられる。鳴かず飛ばずの日々が続くなか、作曲の才能に溢れるボブ(矢崎広)が加入。下積み時代を経て、ついにボブの楽曲と4人のハーモニーが認められる。「ザ・フォー・シーズンズ」としてレコード会社と契約し、全米ナンバー1の楽曲を次々と生み出していく。
しかし輝かしい成功の裏では、莫大な借金やグループ内の確執、家庭内不和など様々な問題が彼らを蝕む。やがてそれらは大きな軋轢となり、グループを引き裂いていき……という物語だ。
1幕80分、20分の休憩を経て、2幕75分。フランキー、トミー、ニック、ボブそれぞれがグループや自分自身のことを述懐する形で話が進んで行く。
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
2005年にブロードウェイで初演された本作は、トニー賞最優秀ミュージカル賞やグラミー賞などを受賞。その後も全世界で上演され、14年にはクリント・イーストウッド監督によって映画化もされた。2016年には日本版が初演されると、高い評価を受け、主演の中川晃教は第24回読売演劇大賞最優秀男優賞、第42回菊田一夫演劇賞を受賞し、また演出においても藤田俊太郎が多数受賞、高い評価を受けた。

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

本作品の一番の見どころは、なんと言っても「シェリー」や「君の瞳に恋してる」など名曲の数々を思う存分に楽しめること。それがジュークボックスミュージカルと言われる所以だが、とにかく歌唱も演奏もハイクオリティなので、素直に音楽に酔いしれてほしい。
また、藤田俊太郎の演出も見どころとしてあげたい。舞台の両端には大小様々なテレビが積み上げられているのだが、舞台上で撮影した映像を生配信したり、時代を象徴するような映像を流したりして、視覚的に面白い。さらに、要所要所で回転舞台を使い、観客の視点を多角化させてくれる。例えばライブのシーンでは、「ザ・フォー・シーズンズ」から見た“観客”の様子も分かるし、大衆から見た「ザ・フォー・シーズンズ」の視線も味わえる。これらの巧みな演出手法によって、物語にグイグイ観客は引き込まれるのだと思う。
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
日本版初演に引き続きフランキーを演じる中川晃教は、今回の再演でも、彼の持ち味であるハイトーンで伸びやかな歌声を惜しげもなく披露し、観客を魅了する。矢崎広も初演から続投で、抜群の音楽センスと知性を感じさせるボブを熱演した。
今回から参加する、トミー役の伊方彼方も、ワルな感じが出ていて、なかなかのハマリ役。頼れるリーダーでありながら、裏ではマフィアとつながり、多額の借金を背負うという二面性を巧みに表現していた。同じく初参加のニック役・spiは、細部までよく計算された演技で、恵まれた体格ということもあって、安心して見ていられた。
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
東京公演は10月3日まで。その後、秋田、岩手、愛知、大阪、福岡、神奈川と各地を巡る。チームWHITEもチームBLUEもそれぞれの魅力があるので、見比べてみるのも面白いかと思う。
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより
取材・文・撮影=五月女菜穂

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