DEZERT 2年半ぶりアルバム『TODAY』
リリース取材で「お金について話した
い」というバンドの真意とは

DEZERTがニューアルバム『TODAY』をリリースした。「納得いく作品ができるまではリリースしない」というスタンスゆえに、前作から実に2年半ぶりのアルバムとなった今作は、これまでの表現とは異なる“鋭さ”を持った歌詞と、そのメッセージを伝えるために研ぎ澄まされたメロディーにより、バンドの新章を強く印象づける。そんな新作についてたっぷり訊こうと思っていたところ、「新作についてはすでに各所の取材で話しているのでSPICEでは“お金について”話したい」というバンド側からの提案により、通常のリリースインタビューでは訊けない生々しい話題から現在のバンドのモードまで、フロントマンの千秋(Vo)と経理担当のSacchan(Ba)に赤裸々に語ってもらった。
――今回は“お金”について語ってくださるとのことですが、つまり、何か語りたいことがあるってことですよね?
千秋:いや、僕はないですよ。ただ『TODAY』のことも散々しゃべってきたんで、あんまりインタビューで話さない観点からアルバムについて辿れれば楽しいかなって。
――なるほど(笑)。しかし、差別化を図ろうとしたときに“お金”が出てくるのがDEZERTらしいというか。やっぱり自主で活動してきたぶん、お金には敏感なんだと思うんです。
千秋:いや、逆に敏感じゃないですね。一緒にやって楽しそうな人たちがいれば全然やりたいと思ってたし、実際、今までもいろんな人とやってたし。ただ、なかなか面白い人もいなければ、会場を取るのも物販作るのも自分らでやれるから自主でやってきた……っていうだけ。別に金儲けしたいから自分らでやってるわけじゃないし、むしろ一番ヒドい金の使い方してるよね?
Sacchan:うん。ウチの活動を見てる経営者さんとかに、よく「結構貯めてるんでしょ?」とかって言われるのが不思議でしょうがなくて。もう全然っすよ!
千秋:なんも残らない! メンバーみんなチャリやもんな(笑)。
――本当に? 全部自分たちでやっていたら、そのぶん利益も自分たちだけで独占できると考えがちですが……。
Sacchan:いや、ウチらみたいな活動してたら貯まるわけがない。作りたいものを作りたいだけ作って、ダメだったら平気でおじゃんにするし。
千秋:ちょっとでも良くないとお蔵入りにするんで、撮影したのに出してないMVのほうが多いですからね。
――なるほど。ただ、そうやって自分たちの裁量で経費を振り分けられるのは、間違いなく自主のメリットですよね。
Sacchan:早いっすよね。とにかく意思決定が早い。ウチが自主でやるのを選んでた理由もソコで、頭の中にあるものをサッサと出したいバンドだったから、間に人を入れて余計な時間をかけたくなかった。ただ、それだけ。
千秋:だから、もし、これを読んでるバンドマンで自主でやろうとしてる人間がいるなら……絶対やめたほうがいい。もちろんバンドを始めるときは自主でいいですよ。でも、事務所をやめて独立するっていうのは、僕はこのジャンルにおいてはカウントダウンだと見てるから。“あ、とうとう終わりに近づいてる!”って。
――ただ、最近は独立して自主でやり始めるバンドも増えていますよね。
千秋:でも、全然それって良いことじゃないですよ。何のためにバンドを始めたのか?ってところを考えたら、時間の無駄。もちろん頑張ってるバンドもいるかもしれないけど、やれるんだったら最初からX JAPANみたいにソレをアイデンティティにすればいいわけで。要は、やってることが面白いのか否か?ってことだけ。
Sacchan:なおかつ昔だったら雑誌とかテレビとか、プロモーションする先も数が限られてたんで、自主でも狙いやすかったと思うんですよね。それがネットの時代になって、それこそストリーミングとかサブスクとかやってくとなったら、そこにメンバーが動いていたらキリがない! 良い音楽を作るっていう観点で考えたら、そんなとこにまで時間は割けないですよね。
――つまり雑事ではなく、音楽活動だけに集中できる環境を整えたほうが良いと。
千秋:そうですね。自主でやっていて面白い部分も昔はあったけど、もう、やりたいことがいっぱいあるから、そんなことに時間を取ってられない。
千秋(Vo)
魂売らなきゃなんでもいいし、変わろうとしてたから「千秋は変わってしまった」と言われても“良かった”としか思わない。売ってるのは音楽だから。
――それが今回アルバム『TODAY』を自主ではなく、大手プロダクショ・MAVERICK D.C. GROUP(以下マーヴェリック)の新レーベル“MAVERICK”から出した理由なんでしょうか?
Sacchan:……って、みんな捉えるんですけど、順序が逆なんですよ。この体制になっての第1弾が『TODAY』なんじゃなく、『TODAY』みたいな作品ができたからこの体制にしたという流れが正しい。これならもっと間口を広げたほうがいいと思える作風だったから、こういう体制にする決断に至れたっていうだけの話なんです。だから事務所を否定するわけでも自主を肯定するわけでもない。
千秋:ただ、いろんな人に聴いてほしいと……バンドとして4人でスタートしようって、やっと僕がなれたんです。もともと僕にとってバンドは暇つぶしだったから、いろんな人の前で歌いたいとも思ってなければ、売れたいとも思ってなかった。きっとSacchanなんかはバンドを始めたときから当たり前にソレを望んでただろうけど、俺がそうじゃなかったっていうのが、このバンドの問題だったんですよね。
――では、なぜそう思えるようになったんでしょう?
千秋:前作のアルバム(2016年1月発売『最高の食卓』)を出してから2年くらいは、正直、死んだ魚のようだったんですよ。今、考えるともがいてた。いろんなことをやったけど……たぶん人と違うことがしたかったんでしょうね。僕の中ではヴィジュアル系を始めたのがその第一歩で、例えるならダメージジーンズ。
――ダメージジーンズ?
千秋:街でダメージジーンズを着てる若者を見ても、別に誰も何とも思わないですよね? 今となっては文化になってるからだけど、最初に始めた人はヤバい人扱いされたはずなんですよ。だって、わざわざ千切ってるんですから。で、僕にとってヴィジュアル系はそういう世界だったんです。だけど今、ヴィジュアル系もダメージジーンズみたいになっていて、誰を見ても同じだし当たり前になってる。それは先人たちの功績なんだけど、結局、新しいジーンズは出ていないのが今のヴィジュアル系なんで、ここで僕はあえてストレートの……ちょっと良いジーンズをはきたいなと。
――なるほど。確かにそのほうが本来のヴィジュアル系の精神には近いですよね。
千秋:僕が受けた衝撃には通じますね。ヴィジュアル系のちょっとグロテスクな世界観とかに僕はインスパイアされたけど、今、そういうことをやってるバンドはいっぱいいるし。何を歌ってるんだかわかんない曲があふれてるから、だったら俺はちゃんと言葉をしゃべろうって。
――わかります。アルバムの歌詞を見ていても“普通”と“特別”だとか、ありふれたこと、ありのままであること……といったキーワードが散りばめられていて、千秋さんが何に葛藤してきたかがよく見える。それをストレートに訴えようとしているのが、すごく新しいと思うんですよ。
千秋:そう。僕は“NEW千秋”って呼んでます。みんなそれぞれに苦しんで生きてる中で、僕はホントに甘えて生きてきたから、傷つく速度も落下する速度もすごく速くて。世間一般で言うところのメンヘラチックな人間だったから、この考えに至るまでに2年半かかったんですね。暇つぶしで始めたけれど、やっぱり音楽が好きだし、これと真剣に向き合う以外に選択肢は無い。だったら、もうここで真剣にならないで、いつ何に真剣になるんだろう?って。
――だから未だかつてなく真っ直ぐな作品になったんですね。
千秋:そうです。真っ直ぐ――つまり尖ってる。今までで一番人生観を語ってるし、一番鉛筆削って歌詞を書いたから、俺的には今までで一番尖ってる作品だと思ってるんですよ。別にヴィジュアル系っぽい曲とか、ちょっとアングラな言葉使いだとかを“尖ってる”とは昔から考えてないんで。だから俺の黒い部分が好きだった人は“こんなの千秋じゃない!”って感じたり、毛嫌いする人もいるかもしれないけど、これが今の俺だから仕方ない。俺は音楽を続けたいし、たくさんの人の前で歌いたいし、やっと人生を賭けて音楽やろうって思えたから。
――私、前回千秋さんにインタビューさせていただいたのが5年前なんですけど……いや、すごい変わりっぷりですね。
千秋:ホントそうなんですよ! “こんなに変わるもんか?”って、俺、将来本を書こうかなと思うくらい(笑)。
Sacchan:変わりますよ。人はね。
――いろいろと振り回されながらも、ようやく“この人についてきて良かった!”と、Sacchanもホッとできているのでは?
千秋:まだでしょ(笑)。だって「来世では会いたくない」って言ってたよね?
Sacchan:…………。
千秋:なんか話が合わなくなって、「もう一旦置いといて、この話は来世でしよう!」って言ったら、「来世では会いたくない……」って(笑)。結構ガチなトーンで言ってましたよ。
――なるほど。アルバム表題曲の一節を借りれば、まだ“ついてきて良かったと思える日を探してる”のかもしれない。しかし、そこまで千秋さんを変えた源は、やっぱり音楽?
千秋:いや、人です。音楽なんかじゃ人は変わらない! 例えばロックバンドのドームライブで「明日から真剣に生きてください!」って煽られて涙する5万人のうち、何人が次の日ホントに頑張れますか? ライブじゃ人は救われない。でも、それをキッカケに言ってる人間を好きになって、その言葉で救われることはあるだろうから、やっぱりキッカケは人だと思うんですよ。
Miyako(Gt)
――そういえば先ほども「一緒にやって楽しそうな人たちがいれば全然やりたい」という発言がありましたし、千秋さんにとって“人”というのは大きなファクターなのかも。
千秋:うん。「千秋がもがいてるんだったら、こういうやり方もあるよ」ってサポートしてくれるような人だったら、頼ることに俺は躊躇ないですからね。良い作品を作るってことを考えたら、そこで“自分一人でやるんだ!”って意固地になるのはプライドでも何でもなく、ただの我儘でしかない。実際CDを出すということにおいては、体制が変わってもチームは変わってないんです。ずっと関わってくれていた人たちだし、みんなベクトルは同じだから、メンバーがちょっと増えたようなもので大した変動はない。ま、それでも今回、麻雀打ってるときに関係者に言われましたよ。「とうとう千秋くんも押しに負けて、マーヴェリックに入ったって聞いた」って。そこでいちいち説明するのもめんどくさいから「うん、そうだよ!」って言っといたんだけど、俺、正直あんま関わってないですから。会社がそうしたいと言ってきて、バンドもそのほうが良いと判断したから“お好きにどうぞ”って乗っかってるだけ。
Sacchan:今までも少なからずアドバイスを貰いながら、自主で活動してた部分もあったし。そもそもね、マーヴェリックに頼りたい気持ちしかなかったら、とっくに入ってますよ。それこそ2年半前に! だけど、そこから今に至るまでにいろんな話ができて、千秋くんが言ってた通り「俺はこういうやり方したいんだけど、どうなの?」って話してくれる人がちゃんと出てきてくれたから前向きになっただけ。
――ずっと自主でやってきたDEZERTが、大きな会社の新レーベルからCDを出すからって、決して“魂を売った”というわけではないと。
千秋:このアルバム聴いて“魂売った”って言う奴とは、俺、たぶん仲良くなれないですね。そもそも“よく俺の魂知ってるな?”と思う。売ってるのは音楽だから、魂なんて彼女でも見てねーぞ!って。
Sacchan:……彼女いるの?
千秋:彼女いない(笑)。
――CDを新レーベルから出すだけで、今日も取材しているのはマーヴェリックではなく、皆さんの事務所ですからね。
千秋:事務所、全然あるもんね。でも、これだけは言っておきたいな。魂だけは売らない。ただ、体も脳みそも硬かったら人生、面白くないから、魂は硬く、他は全て柔らかく! 魂売らなきゃなんでもいいし、変わろうとしてたんだから「千秋は変わってしまった」と言われても“良かった”としか思わない。でも、魂を売ることは死ぬまでないですね。
――なるほど。
千秋:だから今日はSacchanに“今までお疲れ様!”ってことを言いたかったんだよね。物販作ったりお金の勘定だったり、きっと自主でやってるバンドの苦しみを全て背負ってた人だから。そのへん俺は無頓着だったけど、きっと予算オーバーだとか赤字が出たとかって悩んだこともあったんじゃない?
Sacchan:もう、夜も眠れぬ……(笑)。
――では、体制が変わって楽になりました?
Sacchan:なったんじゃないですかね。例えば自分で銀行に振り込みに行かなくていいわけじゃないですか。マジマジとゼロの数とかを計算しなくていい。もちろん全く気にしないわけではないですけど、それは気持ち的に楽ですよね。
千秋:だから、みんな物販買ってほしいね。可愛いから! ウチの物販!
――グッズの売り上げは、どのバンドにとっても大事な活動資金になりますからね。でも、“やりたいことをやる”のがモットーのDEZERTとしては、そこにジレンマはありません? グッズなんかどうでもよくて、音楽だけやってたい! とか。
千秋:そんなこと言ったら俺、もう移動もしたくないもん。ストリーミングでライブ配信できる時代に、なんで大阪まで行かなきゃいけないの? 音楽やるのに移動なんてメッチャ無駄な時間じゃん! とか考えてたらキリがない。そこは自分たちのプライドとの相談で、選択をしていくだけの話ですね。例えばチェキをやめたのも俺らが歳を取ったからで、オッサンのチェキなんて俺はいらないし、そこに時間を割くんだったらデザインしてる自分のほうが愛せるから。俺はチェキ撮ってる自分を愛せなくなっちゃったからやめただけで、それを愛せてるおっちゃんがいるなら俺は応援しますよ。ただ、尊敬はしないっていうだけ。
Sacchan:撮りたくてしょうがなくて撮ってるんならいいよね。どっちのポーズがいいかな?って、頭悩ませて撮ってるんだったら……。
千秋:マジリスペクトで、ホントに凄いと思う!
Sacchan:そういう意味で言うと、グッズは作りたくて作ってるんで。だって、バンドのグッズって可愛いほうがいいじゃないですか。
千秋:だから、もうみんな四の五の言わずに買えばいいんだよ! 買って後悔しないから!
Sacchan(Ba)
千秋くんやバンドも2年間くらいはこのテンションでやるだろうけど、また自主になったら……考えることが変わったんだなと捉えていただければ。
――では、アルバムツアーで出るグッズのうち、特に推したいものは?
Sacchan:……アルバムに力入れてたんで、全然作れてないです。だから今回のツアーのグッズはメチャメチャ少ないですよ。適当なものは作りたくないんで、しょうがないですよね。やってるのが僕一人だし……練習しなくていいなら作りますけど。
千秋:練習、メッチャしてるもんね。昔のDEZERTって、全部“~っぽい”だったじゃないですか。尖ってるっぽい、曲が良いっぽい、ライブも激しいっぽい……っていう。でも、そういうのに疲れちゃったんです。そこまで俺、器用じゃないし、ずっと来てくれてるお客さんは俺のこと、きっと尖ってるなんて思ってない。たぶん“一番の臆病者だな、この男は”って気づいてるだろうし、この歳になって俺はやっと人生で伝えたいことが見つかったから、それを大事にライブで歌うために必死に練習するだけ。そこで俺は頑張るから、あとはSacchanどうぞ!って感じ。
Sacchan:雑ですね……。
千秋:このインタビューの主役はSacchanだから。曲が良い悪いは他でも言ってるから俺も飽きちゃって、なんかプロデューサー目線の話を聞きたいんだよね。ほら、チケット代の話とか。
Sacchan:どうなんですかね? 僕は行きたいライブには、いくらでも払っちゃうタイプだから。ただ、俗に言うロキノン系の人たちとグッズの話をしたとき「ヴィジュアル系って、この値段でちゃんと売れるからすごいよね。俺らこんな値段で出したら絶対誰も買わない」って言われて。「え、クオリティ高くでもダメなんですか?」って聞いたら「ダメダメ」って、なんかクオリティの問題じゃないらしいっす。
――確かに同じ会場と動員でも、ジャンルによって相場感って違いますよね。
千秋:ま、それはそれで面白いなと思いますよ。統一する必要もないし。
Sacchan:ジャンルそれぞれの世界観っていうのが、きっとあるんでしょうね。
――その点ツアーが4000円、ファイナルのZepp DiverCityが4500円というDEZERTの価格設定は、ヴィジュアル系というジャンルの中では良心的な気がしますよ。
千秋:確かに俺らの周りだと5000円くらいのイメージですね。でも、これも揉めたんですよ。俺、ホントは3500円が良くて……だって4000円でもドリンク代とか手数料入れると5000円超えるでしょ? Sora(Dr)くんとか、よくチケット買ってライブ行くから「高ぇ!」って言ってますよ。
SORA(Dr)
――手数料が高いというのは、SPICEとしては耳の痛い話です(笑)。ちなみにファイナルが500円高い理由は?
千秋:もちろん、他の会場よりも仕込むんですよ。ショーとして、例えば照明とか。500円ぶん面白いことをやる。もちろん本当は地方ツアーでもそうしたいけど、人間そういうゴール的なものを設定するのって好きじゃないですか。
Sacchan:あと、遠いのが悪いね! だって俺ら東京で活動してるんだもん。北海道で仕込むとか、まだ無理。
千秋:近かったら俺らも仕込む。ま、でも、なんだかんだチケット代は高いね。俺ら最初のころは対バンで2500円とかやったもんな。2500円でノルマ15枚!みたいな。
スタッフH氏:じゃ、例えばストリーミングで中継されるライブがVRで1500円とかだったら買う?
Sacchan:俺はね……いらない。
千秋:やっぱ生のパンチは絶対違うから。震えないでしょ? VRでは。
Sacchan:あとVRの機械買わなきゃいけないし。それなら会場に行くわ!
千秋:確かに(笑)。ライブは正義でしょ、きっと。そう信じて僕はやってる。
――これだけバーチャルが発達した時代になっても、ライブという文化が衰退しないのは、そういうことなんでしょうね。
Sacchan:ムチャクチャ現実ですからね。Amazonで頼めば今日届くご時世に、自分の足で会場まで行かなきゃ味わえないっていうのはスゴい。
千秋:だから今度のツアーも、すごく楽しみ。このアルバムじゃ、たぶん盛り上がらないだろうけど。
――……確かに、いわゆるヴィジュアル系では鉄板の“暴れ曲”も少ないですからね。単に曲を演奏するだけで、お客さんが勝手に盛り上がることは望めないかも。
千秋:そう。そこを俺は考えてなかった! なので“暴れられない”とか“DEZERTはこんなんじゃない”って思うならば、じゃあ、暴れるバンドに行けばいいんじゃないかな?としか言いようがなくて。体で暴れるのも楽しいけど、今の俺は心で暴れるほうを魅力的に感じてるから、そこはすごく楽しみ。初めてツアーに気合入ってる!
――初めて!?
千秋:うん。今までは、その場に行って俺はどう楽しもう?っていうお客さん任せな部分があったけど、今回みたいなアルバムだとお客さん任せにできないじゃないですか。ちゃんとコッチが向き合って、自分の中にあるメッセージをちゃんと提示しないと面白くならないから、今すごい練習してるんですよ。信じられないくらい練習してるよね?
Sacchan:うん。でも、どうせ事務所とかレーベルなんて2年契約じゃないですか。だから千秋くんやバンドも2年間くらいはこのテンションでやるだろうけど、2年後にまた自主になったら……考えることが変わったんだなと捉えていただければ。
千秋:すーごいタイトルの作品が出ると思いますよ。そのときは(笑)。
――そういう意味では『TODAY』というタイトルも象徴的ですよね。要するに今の状態、今の気持ちを歌っているだけだっていう。
千秋:そうです。だから次がどうなるかもわかんないし、ホント人生が楽しみになった。現時点では全く満足してないからこそ、向き合えるものができて良かったなぁって、今、俺は最高に楽しいですよ!
取材・文=清水素子

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