『1CHANCE NIGHT TOUR 2018-2019』ツアーロゴ

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WANIMA、
アルバム『Everybody!!』を提げた
過去最大規模の全国ツアーが
大団円で終幕

WANIMAが8月25日・26日にわたって『Everybody!! Tour Final!!』を埼玉・メットライフドームにて行なった。

本公演は2018年1月に発表したメジャー1stフルアルバム『Everybody!!』を引っさげ、2月1日の神奈川・CLUB CITTA'川崎公演を皮切りにライヴハウスからスタートしたリリースツアーの締め括りであり。ツアー中の3月から4月にかけて幕張メッセや大阪城ホールをはじめとしたアリーナ公演も行なってきたが、“WANIMA×7万人”と銘打たれた本公演はバンド史上初のドーム公演かつ最大規模のワンマンだ。

バンドの勢いを物語るように、チケットは即完。メットライフドーム史上初のアリーナスタンディング、会場内・外問わずの趣向を凝らした演出、これまでの歩みを総括しながら未来を提示するセットリストも相まって、バンド自身にとってもターニングポイントとなるような記念すべき夜となった。

開場前からファンが多数メットライフドームに詰めかけたが、そこはファンへ楽しみを作り続けていくWANIMAだけあって、会場横には“ワンチャン広場”と名付けられたスペースを提供。暑い中、各地から足を運んでくれたファンに対してのおもてなしだろう。ロッテ『爽』、LIVEDAM STADIUM、カーセンサー、ESPといったWANIMAとコラボレーションした企業ブースのみならず、KO-SHIN(Gu&Cho)が子供時代に憧れたお祭りには欠かせないテキ屋やWANIMA直筆のメッセージボードも掲示されている至れり尽くせりの内容。また、彼らの地元である熊本の名物を提供するワンチャン食堂!!に、ファンを気遣ってのレストスペースや巨大冷風機も完備し、午前中から開演直前まで両日にわたって大いに賑わいを見せていた。

そして、注目のライヴステージ。アリーナツアーではフロア中央にステージを組み、さながらアミューズメントパークのような装いであったが、本公演では南国の島をイメージした作りになっており、開演前では巨大スクリーンに様々な魚介類に扮したWANIMAが延々とスクロール。ライヴ前からニヤッとさせる仕掛けは彼らならでは。

また、こういった大規模な公演ではひとつの完成形を両日にわたって提供するのが常だが、ライヴハウスから叩き上げで育ってきたWANIMAはそこに満足せず、ガラッとセットリストを変え、両日ともに巧みなアプローチを施し、素晴らしきパフォーマンスを披露してくれた。

まずは初日となった8月25日。KENTA(Vo&Ba)のタイトルコールで始まった「夏の面影」でいきなり駆け出す彼らのドライブ感によって、いきなりクライマックスのような熱気が充満。バンド史上初のドーム公演かつ最大規模のワンマンではあるが、緊張した様子はなく、時折笑みを浮かべながら、語りかけるよう、問いかけるように強烈なサウンドを放っていく。思わず手を伸ばして近づきたくなる、この圧倒的なオーラ。WANIMAが性別も年齢も問わず、多くの人を惹きつける要素のひとつだ。

そのスタートダッシュから「CHEEKY」でさらに勢いを増したかと思えば、スイッチを切り替えて「つづくもの」を心地よく響かせる。FUJI(Dr&Cho)の合いの手も絶好調であり、会場全体の温度を上げていく。KENTAが“みなさんのためにメットライフドームを貸し切りました!”と力強く口にしてから、ステージ上でのスイカ割り(!!)を挟み、「ララバイ」や「やってみよう」と畳み掛けてからの「Drive」。みんなそれぞれの歌になっていることがわかる大合唱、泣き出しそうな表情で歌うKENTAは印象的な名場面だった。

驚愕したのがFUJIが恒例のあの人に扮して“出航だー!!”と声を挙げ、なんとイカダに見立てたステージの一部が会場中央へ移動し、回転もしながらそこで披露した「オドルヨル」。その後のMCで“いちばん遠い人の近くへ行きたかった”とKENTAは語っていたが、予想の遥か上をいくWANIMAのアイデアとサービス精神の賜物に違いない。

その後も客席内の特設ステージへ移動しながらプレイし、下手側ではアリーナシリーズからおなじみになったアコースティックスタイルで「HOME」を披露。終盤、歌いながらKO-SHINの膝を叩くKENTA。上京したてのKO-SHINの部屋を模したステージ上でのこの仕草から、2人の絆を感じざるを得なかった。

中盤を過ぎても「ともに」では会場が揺れるほどの歓声と歌声が客席から響き渡り、気持ちを共有した嬉しさからか、メンバーも実にいい表情を見せる。終盤、KENTAが“楽しみを作る為に(メットライフドームを)貸し切った。いろんなところを貸し切って、みんなのことを待ってるから、未完成でも不器用でもいいけん、いつでも戻ってきてください”と思いの丈をぶつけて曲へなだれ込んだ「シグナル」。自らの存在意義を宣言するような立ち姿も美しく、鮮やかな光を放っていた。

本編ラストは「Everybody!!」。名残惜しそうにするかと思いきや、今この瞬間にすべてを届けることが何よりも大事なのだろう。ガムシャラで必死にプレイ。彼らの純粋さがそこには表れていた。アンコールは彼ららしい活発で笑いを交えた映像から“20曲分を1曲にこめて”とKENTAが叫び「OLE」。きらびやかな銀テープも舞い、まさしく大団円となった。

OKMusic編集部

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