Hump Back 大阪発ガールズバンドが世
間に嘆く“僕“らのうた

シンプルでカッコいいガールズバンドH
ump Back。ポストチャットモンチーは彼
女達で決まり!

My Hair is Badyonigeを輩出してきた【THE NINTH APOLLO】の関連レーベルに所属するHump Back(ハンプバック)を知っていますか?まだ世間的には名が知られていないですが、6月にリリースされた新曲「拝啓、少年よ」のYoutube再生回数が180万回を越え、大きな反響を呼んでいる、今年大注目の大阪出身3ピースガールズバンドです。
先月完結したチャットモンチーのトリビュートアルバムにも「湯気」で参加し、【こなそんフェス】にも出演していました。高校時代にコピバンをやっていたこともあり、堂々たるパフォーマンスを披露しています。

只今、2週に渡り開催中の日本最大規模の野外ロックフェス【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018】への出演も決定!

バンド結成時からのオリジナルメンバー林萌々子が、幾度のメンバー編成を乗り越え守ってきたHump Back。シンプルかつパワフルなバンドサウンドと年に100回近くのライブをこなすストイックさを武器に、ガールズバンド界で暴れ出す!

Hump Backって?

L→R ぴか、林萌々子、美咲

Hump Backメンバー遍歴

バンド結成から9年、インディーズデビュー3年目の活動を通してメンバーの入れ替えが激しかったHump Back。バンドの経歴を辿る前に、メンバー遍歴をまとめてみました。

・2009年
林萌々子(Vo/Gt)、めぐ(Ba/Cho.)、ゆっきー(Dr)で結成。
・2013年
ゆっきー(Dr)が脱退。373(Dr)加入するが、めぐ(Ba/Cho.)脱退。
・2015年
373(Dr)が脱退し、林ソロプロジェクトとなる。
約4ヶ月ぶりに新メンバー、ぴか(Ba/Cho.)、カンナ(Dr/Cho.)加入。
バンド活動を再開するものの、カンナ(Dr/Cho.)が脱退。
・2016年
美咲(Dr/Cho.)が加入し、現メンバーが揃う。

これを見てお解りいただけたと思いますが、現メンバーになってからまだ2年しか経っていません。“バンドをやりたい!”という気持ち一心で突き進んで来た林が、ようやく安定したバンド活動を出来るようになるまで、紆余曲折を乗り越えて来たということを先に知っておいて欲しかったので、経歴をご紹介する前にお話させていただきました。

バンドプロフィール

Hump Backは、高校の軽音楽部内で結成された大阪出身の3ピースガールズバンドです。当時は、主にチャットモンチーのコピーバンドとして活動していました。その経験から、自ら作詞作曲を手掛けるようになり、高校卒業後にはオリジナルバンドへと発展していきます。その後は、大阪のライブサーキット【MINAMI WHEEL 2013】を皮切りに様々なイベントに参加。メンバーの脱退を機に一時は活動休止に追い込まれるものの、サポートメンバーを迎えてすぐに活動再開。しかし、2015年に恐れていた事態が起きてしまうのです。他のメンバーが抜け、ついに林だけとなってしまい、ソロプロジェクト“Hump back”としての活動を余儀無くされます。タワーレコードで初の全国流通盤『帰り道』をリリースし、諦めずに活動を続け、晴れて新メンバーを迎えることとなりバンド活動を再開。(ここで現メンバーのぴかが加入。)新体制から半年も経たないうちに、ぴかと同時期に入ったメンバーが脱退し、これを機に現メンバーの美咲が翌年の2016年2月に加入することとなり、ようやく現体制に至ります。

後に所属レーベルとなる【THE NINTH APOLLO】関連レーベル【WELL BUCKET RECORDS】への所属が決まり、12月7日に1stミニアルバム『夜になったら』でインディーズデビューを果たしました。

今となってはレーベルメイトのyonigeは、世代が近いこともあり切磋琢磨する良きライバル同士。共に年間100本近くのライブをこなすライブバンドであり、アイドルかのように扱われているガールズバンドの世間体を、気持ち良い程に覆してくれる、同性から見てもカッコいいと思える存在です。

一人称を”私“ではなく”僕“として歌
う理由

「サーカス」MV
Hump Backの歌詞には、”僕“という表現がほとんどの曲に出てきます。男性ボーカルが”あたし“と歌う事も、女性ボーカルが”ぼく“として正反対の表現をする事もバンドでは珍しくないですが、Hump Backは“僕”と口に出しても全く違和感を感じさせません。言葉の言い回しも振る舞いも総じて、少年口調がぴったりハマっています。この“僕”というのは、架空の登場人物ではなく、林萌々子自身のことを指していて、自らが思い描く自分自身の姿に“僕”や“少年”が一番当てはまるからというのが理由。
「星丘公園」MV
ロックバンドに性別の区別なんてどうでもいいという持論を元にお話しさせていただきますが、総ての人がそうではなくても、ロックというジャンルのイメージから“軽音楽”というものに直結するのは圧倒的に男性だと思います。かつて、ギターやドラムなどに携わってきたレジェンド達を思い浮かべると男性アーティストばかりだったことに気付くでしょう。そういった音楽に女性が興味を持つということは、少なからずして男性に近い感覚を持っているからなのではと思うのです。

Hump Backが同性に好かれるのは、少年の心を持った女子達にとって、心からカッコいいと思える音楽を、夢物語ではなく、現実的な部分に寄り添って共感してくれるところにある思います。
ここでは、「サーカス」と「星丘公園」の歌詞の一部分をご紹介します。

【サーカス】

終わりの見えない夜にいつも”僕”たちは クダラナイ小さな嘘に踊らされてるんだ どこでも行けると信じた夜に”僕“たちは 泡色の車に乗って空泳ぐクジラに願うんだ

【星丘公園】

君が泣いた夜に ロックンロールは消えてしまった ”僕“は飛べない イチニのサンで日が暮れて 明日になれば忘れてしまうのさ もう時間が止まればいい

Hump Backの魅力(1)天に突き抜けるよう
な少年ヴォイスとシンプルかつパワフル
なサウンド

「月まで」MV
Hump Backの良さと言ったら、まずひとつに男も女も惚れる林萌々子の歌声でしょう。低いわけでも、物凄く高いというわけでも無い、天まで届きそうなスパーン!と抜けがいい声の虜になり、Hump Backにハマった人も多いと思います。曲を初めて聞いた時、力強さと透明感が同居し、更に憂いを帯びた哀愁も持ち寄った、耳に心にグッと刺さる良い歌声をしているなと思いました。
「嫌になる」MV
ふたつめは、その歌声とうまく調和しているシンプルかつパワフルなバンドサウンドです。バンドの多くは、ボーカル&ギター、リードギター、ベース、ドラムの4人編成が主流となっているなかで、3ピースバンドは、音の要であるリードギターが居ない為、全員で補う必要が少なからず出てきます。Hump Backは、普通なら不利となってしまうシンプルな部分を美咲がドラムで支え、リフやメロの付け足し部分をギターとベースが補っているように聴こえます。大きな音やヘッドホンで一度聴いてみると、ぴかのベースの一音一音が踊りまくっているのがわかります。
物足りなさを感じる空虚なところもまた、林の歌声の引き立て役となり、曲をより一層ドラマティックに展開させています。

Hump Backの魅力(2)キャッチーなメロデ
ィーに乗せたストレートな歌詞

「拝啓、少年よ」MV
Hump Backのソングライティングを務めるのは林萌々子。元々ピアノをやっていたこともあり、歌詞でどう伝えるということよりは、言葉を音的に捉え、メロディの響きに合うものを選んでいるそうです。無理やり言葉をメロディーに合わせるよりも、考え過ぎずに口からスルっと出てきた言葉を大切にすることで、結果的に自分自身が本当に思っていること、伝えたいことに直結すると本人も口にしていて、結果的に、自然とストレートな歌詞が生まれていく過程が出来上がっていた。ということになります。

考え抜いた先にある言葉を使って、聴く人を感動させることも出来ますが、その人の人間性がかすれてしまいます。その一方で、SNSに呟くような嘆きに近い言葉は、人間味があってすんなりと耳に入り、受け入れる事が出来ますよね。この後者を大切にしているのが、Hump Backなのです。
2018年6月20日リリース『拝啓、少年よ』
度重なるメンバー編成をも楽しんでしまうほど、音楽が好き!バンドが好き!という気持ちで9年目を迎えた、今年爆進中のHump Back。yonigeを初めて聴いた時と同じくらいに衝撃を受けました。
同性から愛されるガールズバンドはこの2組だ!と自信を持ってオススメします!
Hump Backの音楽は、林萌々子自身のうたであり、世間に嘆く僕らのうたでもあるのです。

いくつになってもボーイズアンドガールズであることと、忘れかけていた真っ直ぐな心を取り戻してくれる屈託の無い音楽が、多くの人の耳に届いていって欲しいと強く願っています。


Hump Back OFFICIAL HP
Hump Back official Twitter
林萌々子 Twitter

Hump Back 大阪発ガールズバンドが世間に嘆く“僕“らのうたはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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