【ライヴレポ】さくらしめじ、念願の
初野音で雨にも負けないパフォーマン
ス!サプライズ告知に「新たなさくら
しめじが始まった」

さくらしめじが、7月28日に『菌育in the 家(はうす)ファイナル!真夏の星空ピクニック』を東京・日比谷野外大音楽堂にて開催した。35度を超える日が続く酷暑から一転、数日前に発生した台風の影響で、当日は雨模様。しかし、昨年7月から全国13ヶ所(スペシャルを含む)を回ってきたライヴハウスツアー『菌育in the 家(はうす)』のファイナルとして自身最大のキャパシティとなる日比谷野外大音楽堂へファンが集結。ソールドアウトの会場は2500人のきのこりあん(ファンの呼称)で埋め尽くされた。
ステージ左右に置かれたモニターに「菌育ツアー」で回ってきた総キロ数、ライヴ時間などのデータと共に野音に駆け込むさくらしめじの姿が映し出されるとそれに重なるように田中雅功、髙田彪我がステージに登場。客席に大きく手を振ったと思った瞬間、なんと彪我が派手に足を滑らせてステーン。1年の集大成であるツアーファイナル、初野音、なのに台風という事態に、客席のちょっとした緊張を一気に吹き飛ばしみんなを笑顔にしてくれるハプニングだった。ギターを抱え「ついにこの日がやってきた!楽しもうぜ」と声をかけ、オープニングにふさわしく「スタートダッシュ」を披露。
「やってきたぞツアーファイナル!」と喜びを口にする彪我。「盛り上がる準備はできているか~?」と雅功が、客席を盛り上げる。タイトルコールから「あやまリズム」、ふたりが作詞作曲を手掛けた「菌カツ!」へと続く。みんなで楽しく歌って踊り、ふたりのハモりと笑顔を見ているだけで気持ちが盛り上がって来る。
彪我が、「野音のみなさんお腹空いていますかー」と声をかけると「空いたー」という客席からの大きな返事。「君たちの空腹の胃袋の中に一発ぶちこんでやるぜ」と「てぃーけーじー」をコール。ツアーでは曲中でたまごかけごはんやその土地の名物を食べるミッションを披露してきたが、夏ということで彪我が「すいか割り」に挑戦。雅功の声掛けで見事にすいかを割り、“やったー!”のポーズで定位置に戻ると、なんとそのままハンドマイクで客席との掛け合いで「てぃーけーじーコール」のパフォーマンスを見せてくれた。
続くブロックでは、アコギを抱えた雅功と彪我がふたりだけで「朝が来る前に」と「おもいでくれよん」の2曲を披露。アコースティックならではのふたりの空気感、客席との雰囲気。ツアーだけでなく、アルバムのリリイベ、フェス、学園祭など、さくらしめじが1年かけて培ってきた成長の証は、雨という悪コンディションの中でも存分に感じられた。
後半戦のスタートは、雅功の「新曲持ってきました!」との嬉しい発表から。しかも、かねてから雅功が大好きと公言していた、話題の女性シンガー・ソングライター、コレサワからの楽曲提供であることが告げられる。本人からのビデオメッセージも届き、回ったり飛び跳ねたりして大感激。さくらしめじ初の失恋ソングとなる「届けそこねたラブソング」は、「キミ」の姿が目に浮かぶ、バンドサウンドに乗せられたリアルなラブソング。マイクを両手で抱えて歌うなど、これまでとはちょっと違った情熱を感じさせる曲だ。
本来ならば、日が沈みかけるこの時間帯「あたりはオレンジ色に染まっていますねって言いたかった。でも、感じてください」と「夕空小道」、そして「そろそろ夜の始まりです」というとステージセットのガーラントに明かりが灯り、ミラーボールが煌めく中「まよなかぴくにっく」へ。両サイドのお立ち台に駆け上がり、プチ反抗期を歌ったハードナンバー「でぃすとーしょん」で「跳べ~」と客席を煽りまくり、「まだまだ踊りたいないよね~」と客席と一体になって踊る「ねこの16ビート」で激しく楽しく客席を盛り上げた。
「今日は、とても楽しい時間を過ごせました。いろんなところから雨の中集まってくれて、僕たちと楽しんでくれてありがとうございます」と言う雅功に続けて、「大粒の雨が降ったり止んだりする中、掛け声、手拍子、歌ってくれて本当に嬉しかったです」と彪我。
「みんな一緒に歌いましょう!」と彼らがラストナンバーに選んだのは「えそらごと」。銀テープが夜空に舞う中、ハラハラドキドキ、わくわくときめく新しいことに挑戦し続け、みんなを笑顔にしたいという彼らがライヴに込めた想いを改めて感じさせられる等身大の曲で本編を締め括った。
アンコールの掛け声の代わりに「おもいでくれよん」を歌う、客席の大きな声に感激しながらステージに登場したふたり。「みんなの歌声を聴いていたら、もっと近くで歌いたくなりました」と、客席中央に用意されたサブステージへ移動。「僕たちにとってとっても大切な曲です。この1年の経験、笑顔、いろんなものを詰め込んで歌いたいと思います」とデビューシングル「いくじなし」と客席からのリクエストに応え「ケセラセラララ」を披露。
ステージに戻ると、メンバーに内緒のサプライズ告知がスタート。なんと12月15日に『Happy X’mash LIVE 2018』を東京・中野サンプラザで開催することが告げられた。すると、いきなり涙目になり「本当にいつか、いつかやりたかった場所」と大感激する雅功。「ライヴ、楽しくて終わりたくねーと思ったけど、終わりじゃないね。僕たちは常に次へ次へと進んでいきます。終わることは始まること。ツアーがファイナルを迎えたイコール、新たなさくらしめじが始まったんだと思う」と彪我。
ラストとなる「みちくさこうしんきょく」で、客席が大きく手を左右に振る姿を見て本当に嬉しそうに微笑み、客席と一緒に「ラララ~♪」という大きな声を雨が止んだ夜空に響き渡らせた。
デビュー当時の彼らは、とてもかわいらしく、ギターも大きく感じられた。そんなふたりが、雨などものともとせず2500人のオーディエンスの想いを受け止めて、目標にしている「さいたまスーパーアリーナへ全員連れて行く!」と誓う力強さを見せていた。常にひとつ先へ進み続ける彼らの姿に無限の可能性を感じたライヴだった。
12月15日に行われる中野サンプラザのライヴのほかに、11月28日にEP盤のリリースと9月22日に初のフォトブック発売を告知。詳細は、オフィシャルサイトをチェックしてほしい。
写真/埼玉泰史、大庭元 文/大庭利恵

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