【中居正広】彼の司会はなぜ人を惹き
つける? SMAP・中居「MC力」の秘密

なぜ、司会者として中居さんは重宝されるのでしょうか。書籍『中居正広という生き方』では、中居さんの「MC力」について詳しく解説しています。同書と共に、中居さんのMCへのこだわりを見ていきたいと思います。

今年も無事に終了した『FNS27時間テレビ』。総合司会はお笑いコンビ・ナインティナインが務め、『めちゃ×2イケてるッ!』のメンバーを中心に番組が進められました。注目の27時間マラソンでは、オアシズの大久保佳代子さんが見事に完走。その結果、加藤浩次さんが丸刈りになるなど、数多くの話題を提供しました。
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そんな27時間テレビでひときわ活躍したのが、総合司会のナインティナインを支え、同番組にほぼ出ずっぱりとなったSMAPの中居正広さんです。
自ら前に出る時と、ナインティナインをフォローする時のメリハリは秀逸で、また、SMAPのメンバーとして草なぎ剛さんのギター演奏に合わせて歌声を披露するなど、多方面で活躍しました。
6月にのどの腫瘍を摘出する手術を受けたばかりの中居さんでしたが、持ち前の“仕切り力”を発揮。番組中、中居さんの腕には注射を打った後に貼る絆創膏のようなものが見え、物議を醸しましたが、無事に番組を終えることができました。
中居さんと同番組は縁が深く、1998年にはじめて司会を担当すると、1999年、2000年、2004年、2006年、2011年と計6回の総合司会を務めてきました。また、昨年はSMAP全員が総合司会に。7回の総合司会を経験した中居さんは、同番組での最多司会者となります。
なぜ、司会者として中居さんは重宝されるのでしょうか。書籍『中居正広という生き方』では、中居さんの「MC力」について詳しく解説しています。同書と共に、中居さんのMCへのこだわりを見ていきたいと思います。
中居さんが、初めての司会というものを担当したのは、1993年4月に始まった『キスした? SMAP』だと言われています。今から遡ること、22年前のこと。
その時は、SMAPとしての参加ではありましたが、その後、ラジオ『オールナイトニッポン』のパーソナリティーとなり、また、1993年からは深夜バラエティ『中居くん温泉』で初冠番組・メインMCを担当しました。
こういった司会者としての立ち位置は、中居さんにとってある種、計算の元動いていたのでは、と同書の著者であり社会学者の太田省一さんは分析します。というのも、中居さんが40歳を迎えるにあたって、あるラジオ番組でこう語っていたのです。
司会者としてではなく、あくまで“人”として司会をする
司会者が司会をしているのではなく、“人”が司会をしている「SMAPのなかでいちばんおしゃべりができるようになる、ジャニーズのなかでいちばんおしゃべりができるようになる、芸能界でジャニーズなのにおしゃべりがいちばんできるようになる」。
そんな40歳を目指していたというのです。なぜ、それを目指したかというと、それは「誰もやっていないこと」だから。これまでのジャニーズの先輩たちの道を踏襲するのではなく、新たな姿を、若い時から意識をしていたのです。
そんな中居さんはどのような司会を理想としているのでしょうか。
「感情を安定させていたい。それは喜怒哀楽を出さないとか感情を押し殺すとかいう意味ではなくて、いつでも相手の言葉を引き出したり、人の気持ちを受け入れたりできるということ」
と、雑誌『AERA』で仕事の流儀を語った中居さん。その言葉を受け、太田さんは「タモリさんのスタイルを連想する」と言います。
中居さんとタモリさんは『笑っていいとも!』で共に過ごした関係。1994年に同番組入りした中居さんは、ちょうど20年間、司会者・タモリさんの側でその仕事っぷりを見ることができたのです。そんなタモリさんの司会スタイルは、「フラットな姿勢のMC」と、太田さんは分析。
「MCの仕事としてよく『仕切る』という表現が使われる。司会としてその場を進行することをそう言うわけだが、この表現にはその場をまとめるために積極的にリードするというニュアンスが感じられる。
ところがタモリは、そういったそぶりをまったくといっていいほど見せない。手抜きというわけではなく、出演者たちが作るその場の流れを感じ取り、それにうまく身を委ねる。その意味では、仕切らない」(同書より)
仕切らないことで、場を仕切るタモリさん。肩の力を抜いて、周りを見渡しながら司会をする人でした。
確かに中居さんの司会像は、タモリさんのそれに近いのかもしれません。中居さんの司会では、ガチガチに台本通りに進めている感じがなく、その場の空気に合わせて、自ら表現を変えているように映ります。
本当に楽しそうだったり、また、悲しそうだったりするのは、予定調和ではなく素直に場に合わせているからなのでしょう。司会者が司会をしているのではなく、はっきりと人が司会をしているように見えるのです。
積極的にリードしなくても場をおさめることができる、だからこそ中居さんは色んな番組で引っ張りだこなんですね。納得しました。
【書籍情報】『中居正広という生き方』太田省一著 青弓社

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