東京・名古屋・大阪『アラスカナイズ
ロックフェス』開催 ~ドラマチック
アラスカ・ヒジカタ×超能力戦士ドリ
アン・やっさん対談

ドラマチックアラスカがデビュー5周年を記念し、東京・名古屋・大阪で『アラスカナイズロックフェス』を開催! 同イベントではドラマチックアラスカと交流の深いアーティストが各会場に集結し豪華競演を果たす。そこで今回、その東京公演にも出演する、超能力戦士ドリアンのやっさん(G&Vo)を招き、ドラマチックアラスカのヒジカタナオト(Vo&G)と緊急対談を実施! 初対面の思い出から現代のバンドが進むべき道筋まで、気心の知れた2人ならではのトークを弾ませてもらった。
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
◆◆ドラマチックアラスカと超能力戦士ドリアンの関係性◆
――まず2組はどのように知り合われたんですか?
ヒジカタ:打ち上げだよね。
やっさん:ドアラ(ドラマチックアラスカ)と愛はズボーンの打ち上げに、全然関係ないけど僕が参加して……(笑)。僕、ドアラがめちゃ好きで、大学生の時にはカミコベ(「COMING KOBE」※神戸で行われるチャリティーフェス)見に行ったり、1stミニアルバム『ドラマチックアラスカ』も持ってたりするんです! で、愛はズボーンとは仲良かったんで、知り合いがツーマンしてたら、僕も(ドラマチックアラスカと)しゃべれるかなと思って(笑)。その頃はめちゃミーハーやったんで、“いったれ!”って挨拶にいったのが最初ですね。
ヒジカタ:よう知らん人がおるわって思ってたら、しゃべりかけられて「僕、超能力戦士ドリアンって言います!」って(笑)。
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
やっさん:ステッカーも渡して……。
ヒジカタ:「え、超能力戦士ですか?”」(ヒジカタ)、「超能力戦士です!」(やっさん)って言うから、ちょっとおかしな人やなって思ってたら、“1stミニアルバム持ってます!”って言うし、本当かな?って思ってましたね。これ未だに言うもんね。何かあるたびに“僕、1枚目のヤツ持ってますよ~!”って。……一生言うつもり(笑)?
やっさん:古参やで!アピール(笑)。
ヒジカタ:で、ステッカー渡されて、ムリヤリ写真撮らされて……(笑)。
――ちなみにやっさんさんが、ドラマチックアラスカを好きになったキッカケは?
やっさん:普通に曲が好きやったんです。こういったら嫌がられるかもしれないけど、僕ミーハーなんで、キャッチーなんが好きなんですよ。その頃、(ドラマチックアラスカの楽曲は)今よりももっとキャッチーで。本当に好きで自主制作盤とか会場限定盤とかも買ったりしてるファンだったんです。だって、すごいなって……。僕より(ヒジカタは)年下なんですけど、若い子がすごっ!って。
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
――逆にヒジカタさんは超能力戦士ドリアンさんのことはどう思っていますか? 音源を聴いたりライブを見たりされていると思うのですが。
やっさん:さっき話に出たステッカーと一緒に音源渡しましたよね?
ヒジカタ:もらったCDは必ず聴くので、聴いているしライブもめちゃ見てますね。何て言うか……ライブのちょっとした仕掛けとか小ネタとか、見たから全部知ってて「これ見たし、もう笑わんやろうな」と思って、何なら一人“ドキュメンタル状態”(ドキュメンタル=配信バラエティ番組。芸人たちが笑わせ合い、最後まで笑わなかった者が勝利)で、「絶対笑わんし!」と思ってるんですけど、毎回予想よりちょっとだけ斜め上をいくんで、クスッてなる(笑)。
――せっかくの対談なのでお互い聞いておきたいことはありますか?
やっさん:ドラマチックアラスカの『イッツ ア ワンダフル ワールド ツアー』で僕らが出るって決まった時、どう思いました(笑)?
ヒジカタ:決まった時、メンバー内で「俺らもドリアン(超能力戦士ドリアン)の曲もやらなあかんのかな?」と……(笑)。
やっさん:ハハハ!他の公演では、全部、対バン相手の曲やってるんですよ。でも僕らの初日だけやってくれなかったんですよ(笑)。でもね、僕ら「エキセントリック アルカホリック」(1stミニアルバム『ドラマチックアラスカ』収録)が好きやったんで、ずっと「「エキセントリック アルカホリック」やってくださいよ」って言ってたから、やってくれて、「めっちゃ特別なことやってくれてるやん!」と思ったんですけど、ほかの公演見てたら……。
ヒジカタ:もっと良いことしてる!……って(笑)。
やっさん:あれ、ちょっと待ってよ!みたいな(笑)。
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
ヒジカタ:いや、ほんま急やったから練習する時間がなくて。初日っていうのもありつつで……。あ、でも今『アラスカナイズロックフェス』に向けて、1日1アーティストの曲を弾き語るっていうの(#カウントダウンひじかたり)を、Twitter(@toshio_man)でやってて、こないだドリアンの曲の「WAN◯MAと同じ人数」をやったんです。コードをとって、メロディも覚え、譜割も1個の音に対するものじゃないから一回ずつ歌い回しが違うけど、それも覚えて練習し、自分でレコーディングしてミックスして、映像と合わせ、コメントも考え、アップロードするっていうのをやったからね!
やっさん:結構アレンジされてるし、時間かけてくれてるなって……。
ヒジカタ:アレンジしたつもりはあまりないけど……(笑)。でも、一番練習した! あっ、アレンジしたわ。最後の進行変えたわ(笑)」
やっさん:でしょ(笑)!
ヒジカタ:進行変えたのはドリアンだけやわ。
やっさん:でしょ(笑)!
ヒジカタ:でしょって、アレンジしたのは俺やから(笑)!
やっさん:めちゃ気に入って何回も聴いてたんやけど、(アレンジが変わっているので)自分の曲が自分で歌えへんくなるなって気づいて……(笑)。
ヒジカタ:ハハハ!
――なるほど。ちなみにお互いどういった存在ですか。
やっさん:ヒジカタ君はスター! 新しいMVとかアップされたら見て「良い曲やな~」と毎回思うし、やっぱりオーラがあるじゃないですか。そういうのを僕もまといたいなって。ずっとやってることとか、楽曲に対する自信とかも含めて、オーラって出るもんやと思うんです。そういうのが僕にはないんで、見習いたいなって。
――逆にヒジカタさんにとって超能力戦士ドリアンさんの存在は?
ヒジカタ:今はスマホで若い人も音源にどんどんアクセスできる時代。ドリアンは(そこをいかして)いろんなバンドが悩んでいる音楽の広め方について、早くから新しい方法を考えている人たち。無料イベントをやったり、CDリリースがなくてもMVをあげまくったり、そういう新世代の音楽の広め方をしてる人たちだなと思ってますね。
◆新しい時代の音源の価値・音楽の広め方とは◆
――今、ヒジカタさんから、超能力戦士ドリアンは新しい音楽の広め方をしているという言葉が出ましたが、やっさんさんいかがですか?
やっさん:そんなん言いながら、僕らCDリリースするんです(笑)。7月4日(水)にミニアルバム『超能力戦士ドリアンの1004円のCD』が出ます!『ワン! チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~』というオーディションがあって、それで優勝したら出すことになって。今、CDが売れないって言われるけど、売れてる人は売れてるし、その市場は小さくなってるとは思うけどそれを言い訳にしたくないなって思ってて……。でもバンドをやる上でCDを出す、売るってことからは逃れられない。本当はもっと知名度が上がった時に初めてのCDを出したかったんですよね。
――満を持してリリースして、時代のせいにせずにセールスを見極めたかったと。
やっさん:そうですね。で、音楽の広め方に関しては、現実にCDを出すことになったから、今後、僕たちも動き方が変わってくるかもしれないです。だけど、今までは自主制作盤を作ってライブ会場でしか販売してなくて、理由としては音源も一つのライブに行きたくなるためのカードと思ってるからで、ゴールはライブに来てもらうことに設定してて。実際、収入源も現状そこ(ライブ)にしかないし、音源も物販もライブに来てもらうためのカード。「物販がかわいいから欲しい」も「音源が欲しい」もその一つとしてやるしかないなって。
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
ヒジカタ:でもさ、無料イベントとかめっちゃ出てたりとかして、今度の10月4日(木)のBIGCAT(大阪)でのワンマンも1004円だっけ?
やっさん:戦士(センシ)なんで。おつりクソ用意してる(笑)!
ヒジカタ:……ま(笑)、普通は3000円とか4000円とかするけど、それをライブに来るというのがゴールなんやったらさ、後々の値段はどうするの? 3000円とかに戻っていくの??
やっさん:ワンマンライブは過去2回やってるんですけど、どっちも無料で。それは『見放題2017』に去年初めて出れるとなった時に、初めて見てくれたお客さんに、一度僕たちのライブをしっかり見せる機会がほしいなって思ったからなんです。お客さんに興味を持たせるのって、もう無料じゃないとムリかなって。だからワンマンって普通、ファンのためにするライブだと思うんですけど、僕たちのワンマンはフェスで見せるくらいのワンマンをしてて。
ヒジカタ:ライトユーザー向け。
やっさん:そう。(ワンマンで)長い時間をやっても、来ているお客さんはライトユーザーであることは履き違えたらあかんなって。
ヒジカタ:そこがめっちゃ難しいよな。濃度を濃くする作業が……。今、みんなSNSとかうまく使って、こうすればこうなるという前例もあって、新人バンドにとってはすごくやりやすい環境なんじゃないかなって思う。言ってしまえば、昔よりもCDデビュー、CD流通のハードルは下がってるけど、そっから先の方法はまだ誰もわかってなくて、もうそれは結局「良い曲」ってことなんだろうけど、もし、ある種の方法論があるとしたら、その先のやり方を……もう、ドリアン考えてくれ(笑)! それがあったら、それを誰かが作れたら、革命が起きるかもしれない。
やっさん:そうですね。僕も基本的に無料はあんまり好きじゃないけど……。
ヒジカタ:そうなんや(笑)!
やっさん:ま、無料でもらえるもんに金を払う気にならないのはよく分かるんで……。例えばプレゼント企画とかで、プレゼントでもらえる人がおるんやったら、金を払うのがアホらしいなって思うから。だからそこは諸刃やなって思ってるんですけどね。ヒジカタくんが言ってるみたいに、良い曲は大前提で、今は間口を広げるための手段として割り切って無料をやるしかないフェーズで。僕らは無料をやめたくて、次1004円をやるんですよ。いきなり2000円はムリやから、徐々に上げていこうと思ってます(笑)。
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
――ちなみにドラマチックアラスカさんは、『アラスカナイズロックフェス』で来場者全員に新曲CDプレゼントをしますが、これは今語られた間口を広げるなどの意図とは別ですよね?
ヒジカタ:そうですね。アプローチは全然違いますね。CDをリリースするとなると、半年ぐらい前から曲を作ってプレゼンをして、OKが出て。どんだけギリギリまで詰めても、2か月前には音源が完成してないとダメなんです。でも今はSNSの力が強くなってる時代に、2か月の時差って合わないんじゃないかなって思う。例えばリリースツアーを回る頃には、作品が完成してから2、3か月経ってて、もう1回自分で音源を聴き直すっていう作業をするのもちょっと変やなと、デビューした時からずっと思ってたんですよね。とは言え、僕らも好きなCDを買って、高校生だとお金がないから貸したりして、コンポに入れるまで聴けないっていうようなことをしてたから、CDのことを大事にして、CDに憧れてたことも忘れたくないし、諦めたくない。だから(今回の新曲は)6月に発表はするけど、お店を通さないのならギリギリまで作業ができるし、何より5周年をお祝いに来てくれた人たちや、対バンを見に来た人たちにも喜んでもらえるんじゃないかなって。もちろんQRコードで、ここからダウンロードできますというのでもいいのかもしれないけど、そこはやっぱり“モノ”があるっていうので喜んでもらえたらと。5周年の節目の僕らからのサプライズですね。
――CDになじんだ世代だからこその贈り物ですね。
ヒジカタ:CDがなくなるって言われながらも、全然なくならないですよね。ま、配信とか……そら、Spotifyも便利で僕も使うけど、でもやっぱり今もCDを買うし、それってなくならないんじゃないかなって思いますね。ただドリアンとかは、今、音源よりライブに重きを置いているから、ライブのための音源ってことになる。
やっさん:そうですね。今まではそうでした。でも7月にCDリリースするとなった時に、僕らも同じことを考えていて。CDを買うって楽曲の良さが大前提で、でも、そこだけでは勝負できない時代になってきていると思うんですよね。欲しくなるジャケットとかは絶対必要やし、商品として特典も含めて完成されてないといけない。でもそうじゃないCDって世の中に多いなってCDショップに行ったら思うんですよ。曲はいいのに、ジャケがイマイチだったりとか……。
ヒジカタ:それも、流通するってなって気づいたことでもあるんちゃう? 
やっさん:そうそう。
ヒジカタ:“CD出すって、めっちゃ大変ですね”って言ってきたんです(笑)。
やっさん:ほんまにそう思って……(笑)。
ヒジカタ:ね、レコーディングするだけやと思ったら、それ以外にいろんな作業があって、ジャケットに歌詞カード……歌詞もその配置をどうするか?とか、そもそもまずケースをどうする?とかね。
やっさん:紙のヤツとかね。
――そうやって手間を掛けるから、CDに対する思い入れも増すんですね。
やっさん:まず、そういう思いを伝えないとダメですね。その方法を考えないといけない。これ、CDいっぱい売れた時に話しましょう(笑)!
◆「アラスカナイズロックフェス」に向けて◆
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
やっさん:聴きたい曲が多いな~。僕はやっぱ「エキセントリック アルカホリック」とか「和心」(2ndミニアルバム『オーロラを待っている』収録)とかが聴きたいですね。
ヒジカタ:そうですね。5周年なんで、最近ライブでやれてない昔の曲とかも練習したりとかは……。とは言え、僕らも5年続けてきたんで新しい曲もあるから、新旧織り交ぜたセットリストを完成させました!
やっさん:あ、もう完成してたんですね。
ヒジカタ:普通、もうしてるでしょ(笑)。
やっさん:つけ入る隙ないやん(笑)。でも楽しみですね、昔の曲。昔から見てきた人は、久しぶりの曲から最近の曲への流れとか、聴き方が変わるかもしれないですよね。曲が生まれ変わるみたいなことがあるかもしれない。
ヒジカタ:今回、各会場に6バンドずつお呼びして、出てもらうんですけど、5年間で僕らのサポートを勤めてくれたバンドとか、僕がYoutubeで見つけて“ひと聴きぼれ”したバンドとか、僕の好きな人たちしかいない。そんなのもありながら「イベントでこのバンドが見れたら、おもしろくない?」みたいなのもあって、それがまさにドリアンなんですけど(笑)。
やっさん:ハハハ。
ヒジカタ:ドリアンは、東京のLIQUIDROOMに出てくれるんですけど、「LIQUIDROOMでドリアン見れんのちょっとおもしろくない?」って……(笑)。ま、BIGCATにお呼びしてもよかったんですけど、でもそれはちょっとちゃうな~って。
――なるほど(笑)。では最後にそれぞれ意気込みをお願いします。
やっさん:僕、東京(公演)のトップバッターなんです。僕らで始まってドアラで終わるライブって考えたら貴重やなって。でも。トップバッターに当てられるってことは、会場を最初に盛り上げられると思って当ててくれてると思うのでね(笑)。
ヒジカタ:ハハハ!
やっさん:あと、一番手のバンドの特権は、最初にライブしてあとは楽しむだけ。
ヒジカタ:あ~。フェスとか出まくった大御所が、一周回った時のセリフやん(笑)! 
やっさん:……(笑)。ま、主役に花を持たせたいよね~。そのために僕らは観客に火をつける係やと思ってるんで、自分たちも頑張るし、その大きくなった炎を楽しみにしております(笑)。
ヒジカタ:ありがとうございます(笑)。ドリアンは、今もいろんな新しいことをやろうと画策していると思うんです。この時代と自分たちの音楽性にマッチしたこと……すごく頭の良いことをやろうとしていると思うんで、何か新しい発明をして、それにいろんな人が続いて、音楽ができる軌跡を作っていってほしいなと思います。それはたぶん俺たちじゃ出来ないことだと思うので。革命を起こしてほしいです!
やっさん:カッコいい~(笑)!
ヒジカタ:ハハハ!
ドラマチックアラスカ・ヒジカタナオト×超能力戦士ドリアン・やっさん 撮影=小杉歩
取材・文=服田昌子 撮影=小杉歩

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