【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>MON
OEYES、「俺の大好きなバカどもが集
まれる場所」

2年ぶりの参戦となったMONOEYES。なんだかエモかった。もちろん、それも彼らの持ち味の一つとはいえ、今回はいつも以上だった。そこがズルい。いや、ズルいって表現は違うかもしれないけど、うーん、やっぱりズルい。
暴れる気満々の観客を、どれだけ暴れさせるか。<SATANIC CARNIVAL>の参戦バンドの多くがそこで競い合う中、今日のMONOEYESは、それを狙っていたのかいないのか、エモい歌をじっくり聴かせ、暴れたがっている観客の気持ちを鷲掴みにすることで、その存在を際立たせた。
もっとも、細美武士(Vo, G)の歌から演奏が始まって、スコット・マーフィー(B, Cho)がSATAN STAGEを埋めた観客に手拍子を求めたメロディック・パンク調の1曲目「When I Was A King」からダイバーは続出していたんだから、決して暴れることができなかったわけではない。続く「My Instant Song」でもイントロでフロントに立つ(下手から)スコット、細美、戸高賢史(G)の3人が飛び跳ねると、それに合わせ、観客もジャンプ。“Hi! Hi! Hi!”と声を上げると、細美のリクエストに応え、大きな声でシンガロングした。

しかし、曲を重ねるにつれ、曲が持つエモい魅力がSATAN STAGEに染みわたっていった。「幕張!」と細美が曲の冒頭で観客を煽った「Run Run」も戸高が奏でるリズム・ギターのコード感が切なかったし、スコットがリード・ボーカルを取った疾走する「Roxette」もサビで細美がハーモニーを加えると、とたんにエモさが滲み出た。
ハイライトは一瀬正和(Dr)の変拍子に戸高のアルペジオとスコットが指で弾いたベースラインが絶妙に絡み合う「Get Up」と戸高が奏でる90'sオルタナ調のリフが印象的な「Two Little Fishes」という暴れられる要素がない2曲。なぜハイライトなのか。それはエモいメロディーを書かせたら、右に出る者はいないと改めて思わせたからだ。

エモいと言えば、細美のMCもいつもよりエモかったんじゃないか。前半、「SATANICはふだん重用されないバカどもの天下です」と言った細美は、ラストスパートをかける前に「大人になるまで友だちができなかった自分にもバンドを始めたら、仲間や親友ができた。それに、おまえら、俺の大好きなバカどもが集まれる場所があるんだから、他の奴は要らない。一緒に年をとろう」と語りかけ、フロアを沸かせたのだった。
前述した「Two Little Fishes」をじっくりと聴かせた後、演奏は「明日公園で」で再びテンポアップ。またダイヴが始まる。最後の最後まで、とことん楽しもうとする観客も根性がある。そんな客席を目掛けて、スコットがライフルみたいに構えたベースを撃つ。華のあるスコットのステージアクションもMONOEYESの魅力の一つだ。

「今日1日、めいっぱい楽しんで、いい日にしてください!」と細美が声をかけ、“1-2-1-2-3-4!”というカウントからラストを飾ったのは「グラニート」。“いつか明日が終わるなら 今日はともに過ごそう”という歌詞に胸が熱くなった。細美の表現を借りるなら、バカどもが集まれる場所と、そこに集まったバカどもを称えるMONOEYESからの最高のプレゼント。ああ、なんだかロマンチックなことを書いてしまったけど、それもこれもこの日、エモかったMONOEYESのせいだ。

取材・文◎山口智男
撮影◎中河原 理英

【MONOEYES セットリスト】

01.When I Was A King
02.My Instant Song
03.Free Throw
04.Run Run
05.Roxette
06.Get Up
07.Two Little Fishes
08.明日公園で
09.グラニート


■<SATANIC CARNIVAL'18>

6月16日(土) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
6月17日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール

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