鈴木京香「すべての大人にじっくりと
味わってもらいたい」~舞台『大人の
けんかが終わるまで』製作発表会見

2018年7月から8月にかけて東京・日比谷シアタークリエをはじめ、全国9都市で上演される舞台『大人のけんかが終わるまで』の製作発表が、5月10日(木)都内某所にて行われた。本作は、フランスの劇作家ヤスミナ・レザによる日本初上陸の最新作コメディで、演出を上村聡史、上演台本を岩松了が手掛ける。
会見には鈴木京香、北村有起哉、板谷由夏、藤井隆麻実れいが登壇。それぞれが破局寸前の不倫カップルと、偶然居合わせることになった夫妻、その母親に扮し、5人芝居による“大人の喧嘩”が繰り広げられる。
最初に、演出家の上村より届いた「未来永劫関わることのない男女関係と、社会の中で私達にのしかかってくる倫理観が、繊細かつ大胆に衝突していきます。相当面倒くさい大人たちの喧嘩になることが予想されますが、まるで青春を取り戻すかのような狂乱のセレモニーのようで、美しさも兼ね備えた作品になると思います」とのコメントが紹介された。
鈴木京香
薬局に勤めるシングルマザーで、北村演じるボリスと長年の不倫関係にあるアンドレア役を演じる鈴木は「喧嘩上等、鈴木アンドレア京香です(笑)」と冒頭の挨拶で笑いを誘う。作品の魅力については「上演台本を読み終えたとき、大人って切ないなぁと胸がキュンとしました。笑えて、でも大人の抱える事情がすごく理解できる、すべての大人の人に見ていただきたい作品です」と語った。
北村有起哉
アンドレアの不倫相手であり、経営する会社が訴訟されて破産寸前に追い込まれているボリス・アメット役を演じる北村は、「天罰がくだるボリス役の北村です。皆さんと強力なタッグを組みながら取り組めることが本当に楽しみです」とユーモアを挟みながら期待感をにじませる。
ボリスの妻の長年の友人で、藤井演じるエリックの内縁の妻であるフランソワーズ役の板谷は、「いろいろと背負った大人が喧嘩するとこうなるんだなと、大人って愛しいなという思いがしました」と作品に抱いた感想を明かす。板谷は本作が2度目の舞台出演となるため、「挑戦の年として駆け抜けたい。このカンパニーに参加させていただけたことが嬉しいです」と意気込みもたっぷり。
フランソワーズの内縁の夫で、麻実演じる母・イヴォンヌに対して少しマザコン気味であるエリック役の藤井からも、「まずは稽古場を存分に楽しませていただいたうえで、本番でお客様にも笑っていただけたら、こんなにも幸せなことはないと思います。全国いろんな場所にも行かせていただくことも楽しみの一つです」と挨拶。
麻実れい
エリックの母で、やや認知症の疑いがある少しおちゃめなイヴォンヌ・ブルム役の麻実は、「認知症というお役をいただいたのよって仲間たちにお話したら、皆に“あなたは何も作らずにそのままでやれば大丈夫”と言われて・・・それってどういう意味でしょう?(笑)」と自身の役どころに触れて笑いを誘った。
鈴木は、初演の地であるドイツにて本作を観劇したといい、「皆さんがリラックスして楽しんでいて(観劇後も)ずっとお喋りしながら劇場の周りにいらっしゃって。その雰囲気が本当に素敵だったから、そんな気持ちをじっくりと味わってもらえる舞台にしたいです」と現地で感銘を受けた様子。
藤井隆
また、楽しみなことを聞かれた際には、藤井が「お母さん(=イヴォンヌ)とフランソワーズと3人で“気が狂ったように笑う”という箇所があるんですね。まさか麻実れいさんと気が狂ったように笑うことができる日が来るなんて思っていなかったので楽しみです!」と回答。藤井のユーモアあふれる言い回しに大きな笑いが起こり、それを受けた麻実も「2組の事情ありな男女の間をふわふわしながら、接着剤的な役ができたらいいなと感じています」と応えた。
この日キャストたちは、舞台のタイトルにちなんで“喧嘩力診断”の心理テストを事前に受けており、その解答が会見中に発表された。本来、喧嘩上級者・中級車・初級者・初心者の4タイプに分かれているが、今回は上級者と初級者の該当者はなし。鈴木、板谷、藤井、麻実の4人が中級者、北村ただ一人が初心者という結果になった。
心理テストの結果を受けて、鈴木は「アンドレアは喧嘩が大好きなタイプだと思っていたので、中級ではまだまだなのかな」と自身の役どころを重ねる。麻実は「ぬかに釘、暖簾に腕押しのタイプなのでまず喧嘩にならない」と自身の性格を表現しながら、「私の中に潜在的に中級がいるのかもしれない・・・」とも呟いていた。
板谷由夏
板谷は「どうやったら上級者になれるんですか?」と冗談を返しつつ、診断結果の“理詰めにすると根にもたれる”というワードが気になったようで「気を付けます」と頷いた。これには藤井も「まさに20代の頃、担当してくれていたマネージャーから“そんなに理詰めで言われるとヘコむし、やる気がなくなるから止めてくれ”と言われました」と心当たりがある模様。また、藤井は「できるだけ喧嘩はしたくないし、大事な人であればあるほど喧嘩しないよう心掛けるけど、でも僕はそんなにできた人間じゃないのでどうでもいい人にはガンガン喧嘩越しになります(笑)」と続けて爆笑を誘う。これらの話を受けて、唯一の初心者である北村が「中級者に囲まれるというのは、役の状況には合っているのかな」とまとめた。
最後は、鈴木が「この5人で日本初上演の舞台に取り組めることが楽しみです。一人一人が強調し合っているような、いないような、そんな不思議な大人の話をしっかりと作り上げて皆様の元にお届けしたいと思っていますので。観にいらしていただければ幸いです」と挨拶して会見を締めくくった。
(取材・文・撮影/堀江有希)

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