みなさん覚えていますか、まだ記憶に新しいこの大雪の日、1月22日。
この日は実はカレーの日!全国の小中学校で一斉にカレー給食が出されたことにちなんで定められたそうなのです。
そんな記念すべき日に、カレーを食べないわけにはいかないでしょっ!
雪にも負けず、カレー愛というパッションを提げて降り立つは参宮橋。 雪にふかれ、ふかふかの白いマットを踏みしめて閑静な住宅街を歩いていると、ふと漂うスパイスの香り!
つきました。今日の憩いの場、キュマン。
名前の由来は、カレーではお馴染みのスパイスクミンのフランス語の発音をとったそうです。
じんまりとしたお店。
引き戸を開けると黄色ベースの温かみ溢れる店内に包まれて、カウンター席がちょこんと6席。雪で凍えた身体もほっと溶けほぐれます。
はじめての場所なのに、なぜか“ただいま”と言いたくなるのはなんでだろうな。
キッチンに立つお母さんが、にこやな笑顔で迎えてくれました。 嬉しいなあ。
黄色を基調にオリジナルの世界観が確立されている素敵なお店の内装に見とれつつも、早速注文!
頼んだのは、キュマンプレートから、ラムカレーとキーマカレー(1200円)。彩り溢れて、雪の寒さが吹き飛ぶくらいに眩しいプレート! お皿の黄色のコントラストにもよく映えます。
この連載で様々なカレー屋さんを見てきた方はもうお気づきだと思いますが、カレーの表現の形は、本当に自由で無限大なんです。
だからこそ、目の前に広がるそのお店の一皿、その出会いの衝撃と感動が楽しみすぎて、提供される瞬間からがもう、カレーをいただく醍醐味なのであります。
どう計算すればこのベストな状態になるのか気になるほど、美しくとろけた半熟卵が君臨するライスを中心に、キーマとラムのルゥ、人参ドレッシングがかかったサラダ、紫キャベツ、ピクルス(酢漬けではなくマリネしたものを焼いたもの)、ライタ(ヨーグルトサラダ)、お豆、そしてパクチーでおめかしされた、抜かりなしフルメイクの一皿。 もう第一印象でノックアウトですね。
キュマンの中でも辛めだというキーマ。
鳥のひき肉なのにガツンと力強い存在感。
口にいれた瞬間にスパイスの辛味が広がり、後味にも爽やかに立ち上る。 これは、オーダーする前に「辛いのは好き?」と聞かれただけあるぜ…。ただ辛いのではなくて、深みと甘みのある絶妙さにまた一口とスプーンが進みます。
 
お店にあるとつい頼んでしまうラムカレー(お店の定番はチキンなのだけど私がラム大好きすぎて…!笑)
存在感のあるラムとゴロンと煮込まれたお野菜。柔らかくてほろっと崩れる身。お口に広がるお肉!という満足感。スパイスの風味がラム独特の旨味をより引き立ててくる。たまらん、、、やっぱりラムカレー最高だ。
お米との相性も、カレーの重要要素!
インドのバスマティライスと、日本のお米を半々でミックスされたライスがまた、ルゥと絶妙に絡み合い、まあご飯が進む進む!
少し辛さをマイルドにしたいときは、添えられているライタというヨーグルトサラダを混ぜるとクリーミーさと酸味が、お口の中でまた違った表情を魅せてきます。
このヨーグルトがですね、また美味しくて、たまらないのです!
その秘密は、お母さんの親戚が作っている特別なギリシャヨーグルトだから。いつも食べてる子とは一つ、いや二つ三つは頭が抜けている…。
もったりとした濃厚な口どけに、しっかりとしたフレーバー。
スペックが高すぎる!
もっと堪能させてくれ!という方は、デザートにもオーダーできるのでご心配なく。蜂蜜かけされたギリシャヨーグルトは、もう美味しいの掛け算で、あっという間にお口でとろけますよ(美味しすぎて、ペロリでした)
お店を始めたきっかけは、食べ物屋さんがやりたいと思って物件を探しているときに、今のお店と巡り合いこの空間にキュンときたから。
カレーは元々好きで、よく家庭でも作っていたのだとか。
お店のペンキは家族で塗ったり、カウンターの足元のレンガも家族で運んできたそうです。
そしてキッチンにはちょこんと私たちを見守る愛らしいクマさん。
名前はキュマン。お母さんの手作りで三男坊です。
5月で2年目を迎えるこのお店に寄り添って、ずっと優しい眼差しで見守ってくれています。
店内には、キュマンのポスターや、鏡にはキュマンが書いたという素敵な詩も、、、。お母さんが一人で切り盛りしてるけど、ここには家族の愛が溢れているのですね。入った瞬間の心地よさの正体はこれかあ…。
キュマンが愛しくて、私も抱っこさせてもらいました。
(とても癒される)
店内の食器のテイストや色味、ところどころに飾ってある雑貨から、お母さんの素敵なセンスが滲み出る。とっても村田のツボです。
黄色で統一された食器はアラビアのもの。
お母さんが実際手にとって素敵だなと思ったものたちが集まったそうです。
そしてその光るセンスを決定的に裏づけるのは、やはりカレーの一皿に溢れる色彩とバランス。
改めて、お母さんのあったかいプレートを思い出しながらしみじみ。
カレーはワンプレートの食べ物だからこそ、つくる人の思いや、センス、愛が見える形でも表現されているなあとこの連載を続けてると常々思うのです。
カレーもお店も“母の愛”がたくさん詰まったDIY。
魅力たっぷりの空間に、思わずまた“帰って”来たくなりました。
Navigator&text:Rinko Murata
Photo:Kayo Sekiguchi
Edit:Miiki Sugita/Namiko Azuma
 
キュマン
住所:渋谷区代々木4-11-16
電話番号:090-8667-9654
営業時間:1200(夜は不定)
定休日:日曜日(不定休あり)
出典:She magazine

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