DAITA ソロ15周年を迎えたギターヒ
ーロー、アニバーサリーイヤーの胸中
を語る

ギターヒーローとして、たくさんのバンドマンからのリスペクトを受けるDAITA。SIAM SHADEのメンバーとしてデビュー後、2003年からソロとしてのキャリアをスタートさせて今年で15年になる。今年はアニバーサリーイヤーとして、精力的にソロ活動を行うというDAITAが、2018年の活動について語ってくれた。
15周年イヤーは、人のために何かをするんじゃなく、自分のために何かをやろうかと。楽しみにしていてください。
――今年は“ソロ”デビューから15年なんですね。15周年と聞いて、2010年のデビュー15周年記念ライブを思い出しました。
そう。2010年はSIAM SHADEとしてデビューして15周年だったんだよね。厳密に言うと、初めてDAITAの名義で映画『火山高』のサントラを担当したのは2002年で、SIAM SHADEを解散した年なんですよ。でもソロ名義の作品(プロジェクトアルバム『DIRECT CHORD』、オリジナルアルバム『EUPHONY』)をリリースしたのは2003年だから、2018年がソロデビュー15周年ということになる。
――デビュー15周年の時に、「何周年ということには、昔は執着してなかったんだよね。でも、氷室(京介)さんの15周年コンサートから自分が関わらせてもらって、意識するようになった」と言っていましたけど、ソロ15周年に関しては、どんな思いがありますか?
実はね、去年まで忘れてたんですよ(笑)。そもそもそこまで気にしていないから。でも、ソロデビューして15周年というのも、0から1だから、結局はバンドと同じだけ、ソロでもキャリアを積んでいるんだなと気づいた時に、“これは何かやらなきゃな”と。ここ最近は、他の方のサポートが多かったから、自分の時間を使えない状況もあったし、海外に行ったりもしていたから。
――2016年はSIAM SHADEの活動、2017年はD-LITEさん(BIGBANG)のライブのサポートもしていましたもんね。そうすると必然的にDAITA名義のソロ活動をする時間はなくなってしまうと……。
そう。役割が多すぎてね(笑)。これからの1~2年はちょっと精力的に自分の作品を作ったり、自分の夢に向かって動けるような時間の使い方をしたいと思ってるんですよ。だから、この15周年の活動がきっかけになって動いていければなと考えています。これまで、節目節目ではやることはしっかりやってきていたので、ようやく自分本来の形の方向に行ってもいいかな、というところに来たかなと思うんですよね。
――でも、そんな中でもソロライブはずっとコンスタントに続けていますよね。
年に1回とか2回は小規模でもね。でも、他のことを優先していたから、作品作りは進まなかった。定期的に1年に一つは映像でも音源でも、1曲でもいいから形になるもの残したいということで、それは全うしていて。
――ソロ15周年として、ライブでは何か特別なことを考えていますか?
内容自体はこれから考えるんですけど、新曲をどういう形でやるかとか。あとは15周年なので、今までのキャリアの中で、美味しいところをいっぱいベスト的に出していきたいというのは思っています。その中でも、どこにフォーカスしてやろうかなぁと考えているところですね。メンバーは、ドラムにSATOKO、ベースに大神田智彦で、前回と同じメンバーをあえて起用しています。このメンバーで3回目なんですけど、どんどんよくなってるから、今年はさらに期待ですね。キーボードレスだから、ギターがよりアグレッシブで、深く聴かせられるような3ピースの演奏になるんじゃないかと思います。
――このあとからまたアメリカに行くんですよね。
はい。トラッキングしに行きます。15周年にちなんだ、プレミアムな作品だったり、ベスト的なことだったり、何かパッケージを作れたらいいなぁとは思っているんですよ。それでまたアメリカに戻って、新しい体制を整えようかと。
――新作の準備はもう結構進んでいるんですね。
曲自体はあるとか、発表はしてはいるけど配信もせずにパッケージにもせずに、ライブで小出しにしていたとか、そういう曲が結構あるので。のらりくらいとやっていたら、こんなに時間が経っちゃってたので、今年は作品を作ってガーッと動こうかなと。
――ライブではだいたい新曲を発表していましたからね。確かにずいぶん新曲が溜まっているイメージ。
そうそう。2010年に渋谷公会堂でデビュー15周年のライブをやった時に作った曲もあるんですよ。あの日に演奏しているけど、ライブ版でしかないというのもそのままなんですよ。そういう溜まっていた部分を出すという作品も作りたいし、ライブではすでに聴いている曲もちゃんとした音源で聴かせたいですからね。あと、完全に別のテーマで新たに作るというものもやりたいんですよね。2枚くらいに分けるイメージ。すぐにできるのは、今までに作り溜めたものをブラッシュアップして、かっこいい形で音源として届ける。それが“今”のテーマかなと思ってますね。
――すごく意欲的ですね。
2010年から今まで、8年くらいの中で、結局7年くらい作品を作っていませんからね。すでにできている、作っていたものは全部出せるけど、それとは別に、今の自分として書いたもの……例えばこの前、映画音楽の仕事でアイスランドに行ったんですよ。映像を撮っているその場でギターを弾くという、変わった現場で。“この岩に触れて感じたものを弾いてください”とか、“この滝の音から受けたインスピレーションで……”とか。でも、そこで刺激を受けて、15周年を振り返って何か作るというときに新しいものを新しい感覚で生み出していけるんじゃないかと思ったんですよ。
――すごくユニークな現場ですね。
うん。アイスランドでやってきたようなことを踏まえた形で、曲で新しい自分が出せるようなものは作りたいよね。今まではライブのために作っていたり、今までの流れで作っていた音楽だったけど、これからはそうじゃない、一味違った作品をやってみたいんです。もしかしたらそれはアコースティックかもしれない。
――アコースティックですか!
その可能性は大きいですね。アイスランドで弾いたものも、アコースティック的な形のものが多かったんですよ。アコースティックギターではないけど、ロック的なギターではないものをサントラでは劇版として披露しているんです。それをやったことで新鮮に思える部分があって。コードをジャラランってやってるだけとか。こういう世界での表現もあるんだなと。テクニックを一切使わない、でも周波数は入ってる、聴こえない帯域に。たぶん、すごくシンプルでも、染み入ってくるとか、聴いていて心地いいなと思う人がいたら、それは聴こえない帯域の周波数を感じ取っている人かもしれない。
――聴いてみたいですね。これまでさんざんテクニックを駆使した演奏をしてきた人だからこそ、大人になればなるほど削ぎ落とされた、みたいなことですか?
それはありますね。でも、それだけじゃないというところもやりますけどね(笑)。やり続けないと、腕は衰えるんですよ。それは実体験で思うので。だから、ある程度、自分にストイックにやる曲と、そうじゃないところでフィーリングだけでいける余裕をもって弾ける曲も必要だしね。
――お家芸はお家芸としてありつつ、こんな面もあるのか、というところをソロ15周年イヤーでは見られそうですね。自分の濃い部分をギュッと絞り出すような活動ですね。
うん。人のために何かをするんじゃなく、自分のために何かをやろうかと。楽しみにしていてください。

取材・文=大橋美貴子

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