藤山扇治郎、北翔海莉ら豪華キャスト
が競演、錦織一清が演出する『蘭~緒
方洪庵 浪華の事件帳』製作発表レポ
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医術の道に希望を抱く若き日の緒方洪庵と大坂の町を影で守る闇の組織「在天」の姫・東儀左近の痛快娯楽時代劇『蘭〜緒方洪庵 浪華の事件帳〜』が2018年5月、大阪松竹座と新橋演舞場で上演される。「昭和の喜劇王」と称され、松竹新喜劇を牽引した藤山寛美の孫・藤山扇治郎が主演し、元宝塚トップスターの北翔海莉ら豪華な顔ぶれだ。2月27日に東京都内で行われた製作発表の様子を写真とともにお伝えする。
緒方章役の藤山扇治郎
医術の道を志す青年・緒方章役を演じる藤山扇治郎。役柄を聞いた時は「びっくりした」と話す扇治郎だが、「緒方洪庵さんは貧富の差がなく人を救われた方。すごく芯があって、道徳的なことをもっていらっしゃる方。さらに情や人との縁を大事にされている方で、見た目で判断しない。自分とは程遠いところもあるのですが、自分もそういうことを大事にして演じていきたいと思います」と意気込む。
「周りの皆さんの力がいないと成り立ちません。何よりも錦織さんに演出していただくというのが嬉しくて、心強いです。本や共演者の皆さんが素晴らしいですし、それに恥じないように、お客さんが面白かったなと喜んでいただけるように、頑張たいです」
楽人の姫・東儀左近役の北翔海莉
東儀左近を演じる北翔海莉は「宝塚を卒業して1年3か月ぐらい経ったのですが、久しぶりに刀を振り回せる役が来たということで、本当にワクワクして、楽しみでしょうがないです」と興奮を隠しきれない様子。「女優になるにあたって封印していたものをやっと解禁できる。ずっと示現流は続けて、鹿児島へは稽古に行っていたんですが、久しぶりにできるので本当に嬉しいです」
「東儀左近役は女性なんですが、男装の麗人。そして剣の達人であり、笛の名人である役でございます。お昼は饅頭屋の娘で、夜になると別の顔を見せるという...。今までは男役を演じておりまして、宝塚を卒業して、女優という女を演じることを心がけてきました。でも今回は男役に戻るのではなくて、あくまでも男装の麗人なので、最終的に緒方洪庵さんがちゃんと心を引かれるような魅力的な女性の部分もきちっと見せていかないといけないので、その部分を大切に役作りをしていきたいなと思います」と役柄へのイメージも構築されつつあるようだった。
そして、「私が憧れて通っていた新橋演舞場、そして大阪松竹座。客席で見ていた舞台に私が立つことができる感動と喜びで胸がいっぱいです。最近では色々な小屋で様々なミュージカルが上演されていますが、日本にしかできないこの時代劇ミュージカルを、今回の作品を通じて、みなさまにたくさんお伝えして広めていければ嬉しいなと思います。自分がテレビや客席で拝見させていただいた方と共演できるという奇跡のような喜びがあります。たくさんのことを勉強させていただいて、新しい北翔海莉を作れるようにしたいなと思います」と話した。​
原作者の築山桂
大坂、江戸を舞台とした時代小説を数多くし発表している原作者の築山桂。「この作品が舞台になると聞いた時はとても驚きました。この作品は緒方洪庵という大坂の偉大な医学者への尊敬の思いと、大阪の歴史や文化に対する自分なりの感動を込めて書かせていただいた。豪華キャスト・スタッフの皆さんで舞台化されるということで、期待でいっぱいです」と語った。
演出の錦織一清
数々の話題作を手がけてきた演出の錦織一清は、「僕は常々、登場人物の中に壮大なスケールがあると思っているんですね。いろんなストーリーの中に入りくんだ、楽しい人間交差点のようなお話にしたいです。豪華キャストを見てみたら分かると思いますが、この上ない方々にやっていただけることで、僕もすごい仕事を仰せつかったなと思っております。必ず楽しいお芝居になると思います」と早くも自信をのぞかせるコメント。
思々斎塾主宰・中天遊役の石倉三郎
「思々斎塾」主宰の中天遊役の石倉三郎は「緒方洪庵という江戸後期の素晴らしい医者を指導し、導いたのは実は私でございましてですね。…役の上ですがね」と早速笑いをとったのち、「なので、非常にプレッシャーがございまして。偉人中の偉人の師匠という役どころでございまして、なんとか扇治郎さんと戦っていきたいと思います」とやる気を見せた。
天遊の妻で町医者のお定役の久本雅美
石倉演じる中天遊の妻で、町医者のお定役の久本雅美は「扇治郎くんや天笑くん(※渋谷天笑)とは一緒に舞台をやらせていただいているんですが、他の方は初めてで、どうぞ『よろちくび』ということでお願いします」とギャグをかませて石倉に対抗。(今回は夫婦役だが、以前、石倉とテレビで親子役ををやったことがあるそうで、普段は「父ちゃん」と呼んでいるとか)。
その上で、「大好きな錦織さんの演出でもって、どのように舞台が広がっていくのか、またどのように皆さんの個性を生かしていくのか。ワクワクしています。私もしっかりとお役に立てるように頑張りたいと思います」
本屋仲間行司衆・山城屋忠兵衛役の神保悟志
本屋仲間行司衆・山城屋忠兵衛役の神保悟志は「なかなか舞台に立つ機会が少なくて、2年前に舞台をやらせていただいた以来なんですが、松竹の舞台は初めてです。大変緊張もしておりますが、楽しみでもあります。素晴らしい共演者の方々とお芝居ができるという喜びをかみしめながらやらせていただきます。僕唯一の悪役なので、思い切り悪い役をやります」と真面目なコメントだった。
その他のキャストのコメントは以下の通り。
同心・新井幸次郎役の丹羽貞仁
▽同心・新井幸次郎役の丹羽貞仁
「娯楽性が高い作品で、大阪の街の人々の機微などが織り込まれています。私も精一杯ユーモラス・コミカルさをもってこの役をチャレンジできればなぁと思っております。ここにいらっしゃる素晴らしい先輩方を前にして、ワクワクする気持ちと不安な気持ちが半分です。精一杯励みます」
天遊の息子・耕介役の上田堪大
▽天遊の息子・耕介役の上田堪大
「大先輩の皆様に囲まれて出演するのが嬉しく感じつつ、石倉さん、久本さんの息子役ということでお話をいただいた瞬間から緊張しっぱなしで今も汗が止まらない状況です。精一杯やらせていだただきます」
瓦版屋三吉実は隠密同心・桂木一郎役の佐藤永典
▽瓦版屋三吉実は隠密同心・桂木一郎役の佐藤永典
「ここに到着してからさらにすごい舞台に立たせていただくんだなという実感がわきました。稽古はまだなんですが、これから始まる稽古では恥を恐れずたくさん挑戦していきたいなと思っています」
楽人・若狭役の荒木宏文
▽楽人・若狭役の荒木宏文
「もうちょっと先の作品なのでちょっとスイッチが入っていないけれど、ただただ楽しみ。全く緊張はしていません。本当にみなさんと目を合わせてお芝居ができることを心から楽しみにしています。この楽しみな気持ちと、劇場がどんどんなくなっている中で、続いている素晴らしい劇場に立てることも嬉しい。娯楽の一つとして演劇という選択肢を入れて欲しいという思いが強くあるので、劇場に足を運んでくれる人が一人多くいることを願っています」
手先の半治役の渋谷天笑
▽手先の半治役の渋谷天笑
「錦織さんの作品に何本か出演させていただいておりまして、数えたら今回がちょうど10本目でした。私も去年、渋谷天笑を襲名させていただいて、渋谷天笑として初めて錦織さんに演出していただくので、自分がどれだけ成長しているか見ていただきたいと思います。一生懸命役に務めたいと思います」
北前船船頭頭・卯之助役の笠原章
▽北前船船頭頭の卯之助役の笠原章
「半年ほど前にプロデューサーからこの話をいただきまして、とても楽しみにしておりましたが、先日、一場しか出てないよと言われまして。『え!』と思って準備稿を読ませていただきました。とってもいい役で、この事件の鍵を握るような人なんです。これは頑張らなきゃと思っているんですが、決定稿になったらだいぶ削られているかもわかりません(笑)。冗談です。頑張ります」
取材・文・撮影=五月女菜穂

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