【『EMI ROCKS』】『EMI ROCKS』201
0年11月6日 at さいたまスーパーアリ
ーナ

撮影:有賀幹夫・橋本塁/取材:ジャガー

EMIミュージック・ジャパン設立50周年を記念して行なわれた『EMI ROCKS』。同レーベルを代表するアーティストが一同に会し、盛大なイベントとなった。
 まずはEMI主催オーディション『REVOLUTION ROCK』のグランプリに輝いた股下89がオープニングアクトを務めると、トップバッターの清 竜人が登場。会場を包み込む、温もりに満ちた歌声。そして、優しく紡がれるギターやピアノの音色が心地良く体内へと流れ込んだ。“せーの”と叫んだと同時に爆音ステージを始めたMASS OF THE FERMENTING DREGSは、強靭なバンドサウンドを振りかざし、エモーショナルな攻撃を見せる。続くBase Ball Bearはというと、洗練されたメロディーと小出祐介(Gu&Vo)の色香漂う歌声で会場を酔わせた。ギターとドラムというスタイルで挑んだのは、雅-MIAYAVI-。シンプルな構成ながら、観客を沸き立たせるには十分過ぎるアクトを見せる。舞台両側に設置された画面で色彩豊かな映像と音の融合を楽しめたHIFANAのステージ。途中、鎮座DOPENESSも参戦しての白熱バトルには息を飲んだ。そして、メッセージを届け続けるFire Ball。今回はダンスホールレゲエバンドHome Grownとの競演で、正真正銘のレゲエミュージックをオーディエンスに刻み込む。
 と、ここで緊急告知が。ACIDMAN、the telephones、西川 進、フジファブリック、ホリエアツシ(from ストレイテナー)、RADWIMPS、吉井和哉らが寺子屋というプロジェクトを結成し、惜しくもその歴史に幕を閉じてしまったEMIのレコーディングスタジオ『TERRA』に捧げる「EMI」(読み:エミ)を制作したとのこと。わずかに届けられた「EMI」は、爽快なロックチューン。スタジオのためにこんなにも多くのアーティストが集結し、曲を完成させてしまうとは。驚いたと同時に愛情の深さがうかがえ、何だかとても嬉しくなった。
 ここでスペシャルシークレットゲストの布袋寅泰が牙をむく。強力バンドメンバーを引き連れ、「バンビーナ」「POISON」といった代表曲を次々にプレイ。そして、さらに熱く燃えたぎる場内を作り上げた9mm Parabellum Bullet。“感情をぶちまける”とはまさに彼らのライヴのことを言うのだろう。とにかく暴れ、とにかくかき鳴らす。しかし、RADWIMPSの野田洋次郎(Vo&Gu)と桑原 彰(Gu&Cho)がその空気を一転させ、ふたりのみで「有心論」の1曲を丁寧に演奏したのだった。
 ライヴはいよいよ佳境へと突入。ストレイテナーが柔軟なアプローチでギターロックの神髄をみせ、ACIDMANは壮大な世界観と荒々しい感情の起伏を見事に表現し、東京事変が瞬時にその場の空気感を司る。こんなにも個性の強いアーティストが出演する中で、本日のラストを飾ったのは吉井和哉である。まさかの1曲目、ダウンタウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」をまんざらでもないといった表情で歌い上げると、場内爆笑&大合唱。そこから一転してメロウなナンバーを繰り出し、最後は「ビルマニア」を持って本日を締め括った。

OKMusic編集部

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