L→R 山田貴洋(Ba&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、伊地知 潔(Dr)、喜多建介(Gu&Vo)

L→R 山田貴洋(Ba&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、伊地知 潔(Dr)、喜多建介(Gu&Vo)

【ASIAN KUNG-FU GENERATION】アジカ
ンが自主企画フェスでロックを“表現
”し続ける理由

マニックス、ベン・フォールズなどの洋楽勢、ストレイテナー、the HIATUSら日本ロックの精鋭に加え、邦楽大先輩バンド、スピッツ、ユニコーンまで参加の『NANO-MUGEN FES. 2009』とその企画コンピ盤について、アジカンの4人が全て語る!
取材:高橋智樹

マニック・ストリート・プリーチャーズとスピッツとユニコーンが一堂に会するフェスは『NANO-MUGEN FES.』以外にはまずあり得ないでしょうね。

後藤
しかも1日で観れる。30代にはたまらないですよね(笑)。そこには必ず何か対流があるよね。“スピッツとユニコーンが出るなら行ってみよう”って洋楽ファンでも思う気がする。ユニコーンもスピッツも、もう名曲しかないですからね。

アジカン、ストレイテナー、そして新バンドのthe HIATUSで臨む細美くんっていう、『NANO-MUGEN』とともに成長してきた人たちが顔を合わせる場所としての意味合いもあるし…今年のラインナップは本当に、いい意味でロックフェスとしての充実感とカオス感が格段に増してますよね。

後藤
もうジャンルはないんだよ…っていう感じには、今までで一番なってると思う。自分たちが“良い”と思う人たちを呼んでるだけっていうのが、分かりやすく表れてますよね。

そのカオス感が、全出演アーティストの楽曲を収めたコンピ盤『NANO-MUGEN COMPILATION 2009』には顕著に出てると思うし。他のバンドのファンでも、これを手に取ったら音楽世界を広げるきっかけになりますよね、確実に。

後藤
うん。だから、このコンピ盤で毎年、俺たちは少しずつロストしてるんだよな、熱狂的なファンを(笑)。“あら、やっぱりこっちのバンドのほうが良かったわ”的な(笑)。

何言ってんですか(笑)。でも、積極的にファンをロストしたいわけじゃないにしても、“こんな音楽もあるよ”っていうことを、わざわざフェスの場とかコンピ盤を作ってまで、みんなに伝えていきたいと思ってるわけじゃないですか、アジカンは。

後藤
そうですね。音楽って、どうしても宗教的になっちゃうところってあるんだよね。ワンマンだけやって、そこにファンがずーっと集まり続けることってさ、喜ばしいことである反面、すごくグロテスクなことでもあると思ってるから。だからこそ、こういうフェスも大事な気がするんだよね。俺たちはもっと、純粋に音楽でみんなと楽しみたいんだよっていう。その中で、“やっぱアジカン最高だよ”って言わせたいっていう。“シーンに一石投じよう”みたいな気分は…最初の頃はすごくあったのかもしれないけど、最近はかなり薄れてきてますね。“楽しみたい”っていう気分のほうが強いし、実際に楽しいだろうっていう気もしますけどね、このラインナップのライヴを観れば。 ーー今回のコンピ盤に収録されている新曲「夜のコール」は、アグレッシヴなサウンドでもって“ベッドルームから一歩 別世界に連れ出したいから その先は君のもの”っていう強固なメッセージを発信している曲ですね。
後藤
やっぱり、音楽は鳴らすところまでしか責任持てないもんな、結局は。ある程度こっちからの訴えかけもあるけどさ、その後の…歌詞の意味を咀嚼したりとか、その曲をどういうふうに聴くのかとかは、その人の自由だし。BGMみたいに聴く人もいれば、歌詞カードをじっくり見ながら聴く人もいるしね。だからこそ、俺たちは鳴らすところは責任持って“リアクション獲得してやるぜ!”っていう気概でがっつり鳴らすけどね。

目前に迫ってきた今年の『NANO-MUGEN』への抱負は?

山田
これだけのラインナップを提示できているので、あとは当日、居心地良く、純粋にライヴを楽しめるような場にしたいなと思いますね。演奏に関しては…緊張はするんでしょうけど、他のすごいアーティストたちのライヴを観てアガって自分たちもやれるっていうのがすごく刺激になってるんで。本当に楽しんでやれるだろうと思うんですけどね。
喜多
そこで自分たちが最後にきっちり演奏しないと、フェスの締め括りができないっていう緊張感もありつつ…毎年思うのは、アジカン以外のアーティストに関しても“良かった”とか“CD買いました”、“ワンマンライヴ行きました”っていう声はやっぱりうれしいし。そのための準備の努力は惜しまないし、みんなが安心して楽しめるように頑張りたいですね。

今年も「GUESTReALM」(『NANO-MUGEN』恒例:伊地知潔プロデュースのバー・コーナー)はやるんですか?

伊地知
やりますね。たぶん詳しいことは、当日までメンバーにも言わないし(笑)、関係者の方にも言わないし…。
後藤
今年はエコにこだわるって言ってたよね?
伊地知
…っていうゴッチのムチャ振りもありつつ(笑)。
後藤
今は有機野菜を育ててるから、当日バーで出す野菜を。
山田
新鮮野菜が水に浮いてるのとか、いいんじゃない?
伊地知
…お前まで!(笑)
『NANO-MUGEN COMPILATION 2009』2009年07月01日発売Ki/oon Records
    • 【完全生産限定盤(Tシャツ付)】
    • KSCL 1405〜6 3780円
    • 【通常盤】
    • KSCL 1407 2520円
ASIAN KUNG-FU GENERATION プロフィール

アジアン・カンフー・ジェネレーション: 1996年に関東学院大学の音楽サークルで結成されたロックバンドで、愛称は“アジカン”。2002年にミ二アルバム『崩壊アンプリファー』が話題を呼び、03年にキューンレコードよりメジャーデビューを果たす。以降、精力的に作品を発表し続けている。音源のリリース、ツアー、主催イベント『NANO-MUGEN FES.』と精力的に活動を展開。これまで多くの作品がタイアップに起用され、21年には劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の主題歌、挿入歌を手掛け話題となった。同年、結成25周年を迎え、22年3月に10枚目となるアルバム『プラネットフォークス』をリリースし、全国ツアーを開催する。ASIAN KUNG-FU GENERATION オフィシャルHP

OKMusic編集部

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