【傳田真央】自分の生き方や恋愛観を
ありのままに見せる

オリジナルアルバムとしては実に2年4カ月振り、傳田真央待望のニューアルバムが完成! 彼女ならではの目線で描いた、リアルな12編の恋愛物語の制作秘話を語ってもらった。
取材:道明利友

久しぶりのオリジナルアルバムとなりましたが、今作の制作にはどんな心境で臨まれましたか?

この2年4カ月は、アーティスト・傳田真央と“いち女子”の傳田真央、両方の自分を見つめ直しながら過ごす毎日だったというか。“女”としての部分でもいろんなことを感じて、それがやっと今回のアルバム『セミダブル』でかたちになったのかなって感覚がありますね。前アルバムの『恋愛中毒』で“恋愛”に徹底的にフォーカスした作品を作るっていう新たな挑戦を体験した後は、自分が自然に感じたことを書き下ろしていくような感覚だったので…。当たり前のような日常を過ごしていく中でこういう“ありのまま”の作品ができたっていうのが、的を得ている感じかもしれないですね。

今作も“恋愛”が大きなテーマになっていますが、その表現の仕方はさらに多彩になっていると思います。それは、今の傳田さんのありのままの感情を表現したもの?

「そうですね。例えば「マニフェスト」は歌詞を作ってたのがちょうど選挙の時期っていうのもあったりして、こういう曲になったっていう(笑)。選挙のニュースをやってる時に、それを恋愛に例えるみたいな感覚で。

日常のいろいろな場面を“恋愛”に例える。面白いやり方ですね! 選挙がきっかけになったからこそ、まさに“マニフェスト”的な強い歌詞が出てきたのかも(笑)。

そうかもしれないですね(笑)。あと、この曲は最近ちょっと強めの“大人女子”みたいに言われたりする現実も感じながら作った一曲でもあるんです。10代、20代とはまたちょっと違った未来への希望だったり、不安だったり…。仕事に頑張ってる、都会でサバイブしながら力強く生きている自分と、恋愛で愛に触れていく自分が両方あっていんだっていうことを伝えたいなと思って。

タイトル曲の「セミダブル」も、感情が複雑に揺れ動く“恋愛”模様を描いている曲ですね。

大人になってくると、綺麗なものだけが恋愛の魅力じゃないなって思ったりしてくるんですよね。最初から上手くいってたら感じられないような、いろいろなことがあったりするほうがいいっていうか。それは、イコール、切なかったり、寂しかったり、苦しかったり、ダメな恋をしているっていうことでもあるんですけど…。逆にそれが“女”にしてくれる部分があるなって感じたりもするんですよ。そういうすごくドラマチックで人間の素敵な部分、“大人女子”の恋愛のダメな部分を象徴するような曲になってると思います。

“大人女子”の恋愛のダメな部分をこうやってありのままに出せることこそ、それこそ“大人”だなと感じたり…失礼な言い方になってしまったらすいません(笑)。

いえいえ、全然!(笑) “本当にありのままの私を見て!”って思い切って言えるような年齢にもなりましたしね。だから、歌詞の中でもいろいろ装飾するんじゃなくて、自分の生き方だったり、恋愛観はこうですって、ありのままに見せる勇気を持つことによって、聴いてくれる方が共感してくださったり、心が癒されたり…。時には涙を流すことによって誰かの気持ちが浄化できて、またそれが次の幸せにつながればいいなっていう想いがあったので。確かに、ここまでありのままに自分を出すことは勇気が要りましたけど、今回のアルバムの制作でいろいろなものが振り切れましたね!
『セミダブル』
    • 『セミダブル』
    • CRCP-40337
    • 2013.02.13
    • 3000円
傳田真央 プロフィール

世界的クラリネット奏者、傳田高広を父にもつR&Bシンガー。抜群の音楽センスに裏打ちされた緩急自在のヴォーカル・ワークで異彩を放つ。99年、1stマキシ・シングル「あなたとふたりで/やさしい気持ち」をリリース。新進気鋭のプロデューサーFUJIとのコラボレーションにより、彼女のポテンシャルが存分に発揮されたこのデビュー曲は、インディーズながら好セールスを記録する。そして00年、「耳もとにいるよ…〜Ring the bells〜」でメジャー進出。以降、ブラック・フィーリングに満ちたディープな味わいの作品を続々生み出している。オフィシャルHP
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