L→R RYO(Vox)、HIROKI(Vox)、NAOTO(Gu)、YOH(Ba)、YAMATO(Vox)

L→R RYO(Vox)、HIROKI(Vox)、NAOTO(Gu)、YOH(Ba)、YAMATO(Vox)

【ORANGE RANGE】音楽ってもっと自由
で身近で楽しいものだと思うから

こんなヘンテコなバンドは唯一無二 そ
こは自信があるし、武器にしたい

この2曲は特に装飾や演出を削ぐことで、曲の良さや純粋さヘンテコさが浮き出ていて。これらの曲があるから、バンドを形成するさまざまなパーツを端的に表した、他の楽曲も映えて聴こえますよ。そんな中、ポリティカルでメッセージ性の強い「Suck it!」はやっぱり今、歌うべき曲だった?

RYO
そうですね。最初からテーマがわりと決まってたし、イントロから強い印象の曲だったんで、ヒネリなしで強い気持ちを曲にぶつけました。

「ふぁっきん♡ラブソング」みたいに、上手くいかないリアル恋愛の正直な気持ちを描いた曲もありますが。

HIROKI
これは何度も書いてきたテーマですが、「もしも」っていい曲があるのに、わざわざ隣り合わせでこの曲を入れなくてもいいのに!っていうところも面白いなって。上手くいく時もあれば、いかない時もあるのが人生ですから(笑)。

アルバムのラストを飾る「そばにいつでも」は、一枚を通じて今作で伝えたかったことをしっかり表現しているように思いました。

RYO
いいラインで突けてますよね。この曲はの作曲なんですけど、YOHも歌詞に入ったんで。YOHの世界観を4人で描いたような感じでしたね。

この曲ではYAMATOくんが自分の弱さを吐露するラップパートで、一気に身近さを感じました。

YAMATO
この曲もYOHに“自由にやってくれ”って言われていて(笑)。自分の経験もちょっと入れたいなと思って、自問自答ばかりしていた日々を思い出して。同じような経験をしている人もきっといると思うので、その人の勇気とか元気のきっかけになればと思って書きました。

YAMATOくんが“俺だってそうだよ”というところに、すごい説得力と親近感がありましたよ。“あんな自由な人でも悩むんだ!”みたいな(笑)。

YAMATO
もちろん悩むし、何が正解なのかはいまだに分からないし、もしかしたら答えなんてないのかもしれないし。それ以前に“そんなこと思う人間って、やっぱり一番ワガママなのかな? ”と思ったりして。答えは出ないですけど、そうやって自問自答することに意味があると思うんです。

なるほど。真面目な話ついでにうかがいたいのですが。今回のアルバムに何度か出てくる《こんな時代だから》という言葉。こんな時代に、自分たちの音楽はどんな存在でありたいと思っていますか?

YAMATO
僕らはめちゃくちゃ音楽してるバンドでも、音楽マニアの集まりでもないし、いろんな個性を持った5人の絶妙なバランスで保たれているのがORANGE RANGEだと思っていて。聴く音楽もファッションも考え方も違うけど、若いお客さんはそういうところに興味を持ってくれていると思うんですね。よく、“ファンと一緒に歳をとる”とか聞くけど、僕らはあんまりそんなことなくて。ずっと応援してくれている人もいるけど、新しいお客さんも入れ替わりで入ってくれているし。

今の若い層にも自分たちの音楽が届いていると。

YAMATO
そこで、このバンドの持つ“ラフさ”のいいところを改めて感じるんです。ヘンテコなバンドだけど、そこに共感や親しみを感じてくれて、結果、僕らの音楽から何かを感じとってくれれば、それで良いのかなって。

世代を問わず自分たちを身近に感じてもらって、好きに楽しんだり、何かを感じてもらえればそれでいいと。

YAMATO
そう、世代は関係ないですね。スタンディングの会場でおばあちゃんが最前列で観てくれていて、“大丈夫?”と思ったこともあったし(笑)。ホール会場だと、家族連れで来てくれていたりして。この偏ってない感じが、僕らならではなのかな? と思うんです。こんなバンドは他に見たことないし、唯一無二だと思うので、そこには自信があるし、それを武器にこれからもやっていきたいと思うし。

いわば、バイキング形式ですよね。“美味しい料理をいろいろそろえて待ってるんで、好きに取って食べてください!”って。

YAMATO
本当、そんな感じだと思います(笑)。音楽ってそうあるべきだし、もっと自由な気がするんです。それは音楽だけじゃなくて、例えば同じ日本なのに、県と県で区切って、県の中で市町村で区切ったりして、そういうのも変だなぁと思うんですよ。全部くっつけちゃえば、派閥とか差別とか、何かを比べることもなくなるのになって。

それがORANGE RANGEからの《こんな時代だから》ってところへの答えだよね。“そんなこと言ってる場合じゃないでしょ? もっと自由でいいんじゃない?”っていう。

YAMATO
そうそう。仕事とか競争が必要な状況もあるけど、音楽に関しては“もっと自由でいいんじゃない?”と思いますね。音楽ってもっと身近で楽しいものだと思うし。

今までもORANGE RANGEがやってきたことって、そういうことだと思うんですよ。“音楽ってそんな敷居の高いものじゃない、もっと楽しいものですよ”って、音楽を通じて伝えて、世間を巻き込んできた。そのスタンスを変えるどころか、今はより確信に近づいてるし、やるべきことも見えてる。

YAMATO
うん、そうだと思います。だから、今はもっと面白いことができると思うし、もっと面白いことがしたい。よく言うのが、“ギターだけでヴォーカルは一切入ってないけど、ORANGE RANGE名義でアルバムを出す”とか…。

アハハ。面白いというか、そんなの詐欺だよ!

HIROKI
いいね、その詐欺!!(笑)
YAMATO
でも、それくらい何でもアリだったら面白いですよね。これからも、みんなをもっと驚かせたいです。
『spark』2013年07月24日発売SPEEDSTAR RECORDS
    • 完全初回生産限定盤(DVD付)
    • VIZL-561 3990円
    • 通常盤
    • VICL-64046 3045円
ORANGE RANGE プロフィール

オレンジレンジ:沖縄の米軍・嘉手納基地近くのコザ(沖縄市)に在住する5人組ロックバンド。2001年に結成し、02年2月にアルバム『オレンジボール』でインディーズデビュー、そして03年にシングル「キリキリマイ」でメジャーデビューを果たす。10年7月には自由な音楽を生み出すために自ら設立した音楽レーベル『SUPER ((ECHO)) LABEL』にて活動を開始。ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と卓越したポピュラリティーで、数々の名曲を送り出し続けている。ORANGE RANGE オフィシャルHP

OKMusic編集部

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