【GILLE】大切な宝物を詰め込んだニ
ューアルバム
数々の英語カバー曲のヒット、さらには「Try Again」が発売から1年後にCMソングとして採用されるなど、話題が事欠かないGILLEからオリジナルアルバムが到着!
取材:吉田可奈
前作のデビューアルバムから1年5カ月が経過しましたが、心境の変化はありましたか?
かなりありましたね。前作までは、ただ心から気持ち良く歌って、“楽しかった!”で終わっていたんです。もちろん、それも大事なんですが、レコーディングを終えた後には、マスタリングやトラックダウンなどCDになるまでの作業がたくさんあるじゃないですか。その作業の内容をまったく知らないでリリースしていたことが、どれだけ無責任だったかということに気付いたんですよね。例えば、アパレルの店員さんが、生地が何か分からないまま、デザインや着心地だけで洋服を売っているのと同じ状態。それはちょっとイヤですよね。これまで関わってくれたスタッフさんたちは一流の方たちなので、出来上がりは素晴らしいものでしたが、さらにいいものにするためにも、私自身がもっと制作に関わらなくちゃいけないと思うようになったんです。
作り手としてしっかり意識が芽生えたんですね。
そうかもしれないですね。そう考え方が変わってからは、レコーディングもすごく柔軟になりました。歌詞も歌入れ間際に“これだ!”と思うもの…その時にピンときたものに変えて曲を完成させられたり、納得がいくまでしっかりと作れるようになったんです。その分、壁も立ちはだかりましたけどね。これまで見えなかった自分の粗さに気付いたり、思い通りのレベルまで歌えなくて、悔しくて悲しくてどうにもできなかったり…。スタッフさんに“こんなCDにお金を払おうと思えますか!?”って当たっちゃったりして(苦笑)。でも、スタッフさんはベテランばかりなので、そういう壁にぶち当たったアーティストさんをたくさん見てきたらしく、“みんな通る道だよ”と笑って聞き流してくれたんです。
それは、すごくいい経験でしたね。
悩みの渦中にいる時は辛かったですが、今はそこまで音楽としっかり向き合えたことが実感できたので、いい経験だと思えるようになれました。さらに、辛い時に地元に帰って、友達と話した時に“あんたはあんたのままでいい”という言葉をかけてくれたんです。そう言われた時に、心が軽くなったんですよね。その時の気持ちを「ONE ‐君がいる理由-」で歌っているんです。
素敵な友達ですね。
はい。私には家族や友達、故郷など、本当に大切なものがたくさんあるんです。そんな私の宝物に対してひとつひとつ大切に曲を紡いでいった結果、できたアルバムがこの『TREASURES』なんです。人によって宝物って、勇気だったり、自信だったり、家族や恋人だったりと、かたちが違うと思うんですよね。その何かひとつと曲のメッセージが重なり、共感する部分があれば最高に嬉しいですね。
今、GILLEさんにとってかたちのある宝物は何ですか?
指輪です。ひとつはおばあちゃんがひいおばあちゃんからもらった指輪で、もうひとつがお母さんがおばあちゃんからもらった指輪なんです。代々受け継がれている指輪は私を守ってくれている気がするんですよ。いつか私に子供が生まれたら、この指輪をプレゼントするのが夢なんです。ただ、飲みすぎた次の日は指がむくんで鬱血してしまうので、ずっとは付けられないのが悩みなんです。
みんなが飲みすぎるなって言っているんじゃない?
あ! そうかも(笑)。これからは気を付けます!(笑)
アーティスト