写真上より時計回り、加藤ひさし(Vo)、古沢'cozi'岳之(サポートDr)、古市コータロー(Gu)、山森“JEFF”正之(Ba)

写真上より時計回り、加藤ひさし(Vo)、古沢'cozi'岳之(サポートDr)、古市コータロー(Gu)、山森“JEFF”正之(Ba)

【THE COLLECTORS】若い自分に胸ぐら
を掴まれた気分

フレッシュで粋で、ワクワクする音楽が詰め込まれた、最高のポップミュージック&ロックンロールアルバム『Roll Up The Collectors』。“Stay Cool! Stay Hip! Get Smart!”という合言葉が聴こえてくる、30周年に相応しいモッズな作品集について加藤ひさし(Vo)に語ってもらった。
取材:竹内美保

まず、“MARCH OF THE MODS”という象徴的なタイトルを掲げたライヴを日本武道館で行なうことへの想いからうかがいたいのですが。

“MARCH OF THE MODS”というのは、80年代前半に東京モッズシーンの黒田マナブくんがやっていたイベントのタイトルなんですけどね。僕がロックンロールを聴くきっかけになったのはザ・ビートルズで、それからザ・フーやザ・ジャムを知っていろんな音楽を聴いていくんですけど、本格的な自我の目覚め、自分がオリジナリティーを持って本格的にバンドをやりたいなと思えた場所が『MARCH OF THE MODS』だったんです。なおかつ、そのモッズのスタイルに心底惚れてしまって。で、それが自分のルーツなのだから、こういう30周年という節目、いろんなものがリンクする中で“モッズ”っていう自分を開花させてくれた、その言葉をみんなにお伝えしたいなっていう。そういう気持ちで付けました。

やっぱり響くものがありますね。コレクターズを聴き続けてきた者、東京モッズシーンを知る者にとっては。

そうですよね。やっぱりそこが始まりだったし。変わってないですからね、音楽性も。日本武道館はすごいチャレンジの場ではあるんですけど、お祭り騒ぎではなく、圧倒的なライヴを観せたいなと思っています。

30周年を迎えて原点を改めて見た感じもあります?

そうですね。特に、30周年のDVD&CDボックスセットを出すために1stと2ndと3rdアルバムの半分をロンドンでリミックスしたことが大きかったですね。初期の頃の自分たちって無我夢中でやってたし、ショービジネスの世界をまったく知らなかったし、ピュアだったし…ヒットがないのは今よりも下手だったのかなって何となく思っていたんですけど、ロンドンでもう1回蓋を開けてみたら、今よりも断然上手いし、情熱が全然違うんですよ。で、その若い頃の自分に胸ぐらを掴まれた気になったんです。それが一番でかいですね。だから、新譜も本当は日本武道館のあとに出せば、新譜ツアーもできるし、かたちとしてはきれいに収まったんでしょうけど、その胸ぐらを掴まれた30周年に、26歳の自分に、56歳の自分がどこまで言い返せるのか…それはもうニューアルバムしかないんですよね。だから、年内に何が何でも出さなきゃって。開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまって(笑)、火が付いちゃったので、前作よりもさらにヒートアップした作品になっています。

今作は言葉ひとつひとつがよりストレートに入ってきました。

そういう努力をしてますね。面白さのベクトルが突き抜けているか、初めて聴いた人に分かりやすく仕上がっているか、着地点を曖昧なところに持っていかないか…そのジャッジはすごくしました。赤は赤、誰が見ても赤っていう曲が書きたいので。だから、歌詞を何度も書き直しました。歌い終わったあとにも。

サウンドもそうですよね。「ロマンチック・プラネット」はまさにパワーポップっていう。

曲もね、それこそお里が知れるくらいに(笑)

こういう曲をやってくれるバンドは他にいないですからね。

それは感じますね。ほんとは毎年ね、3年交代でいいからザ・フーとザ・キンクスとチープ・トリックが順番にこういうのを出してくれれば、俺が頑張らなくてもいいんだけど(笑)。“みんなお休みしてるから、しょーがねーなー”って感じですね。でも、それは自分の好きな人たちへのアプローチでもあるんです。アルバムを作り続けてほしいし、ワクワクするものを作ってほしいなって、ファンのために。で、裏を返せば僕らのファンはきっとコレクターズにそういうものを求めているんだろうなって。

ですね。ところで、アルバムの取っ掛かりになった曲は?

1曲目の「悪の天使と正義の悪魔」です。そのメロディーとリフができた時、すごいカッコ良いリフだし、これが1曲目に来たらもうもらったなという感じがあって。そこからですね。で、ドラムもメンバーチェンジがあったから、ドラムもワンランク上がってるような感じに聴かせたいという想いがあって、結構難しいことをやらせて。それでノックアウトさせようと。で、立て続けに「ロマンチック・プラネット」へ。

ぶっとい王道という感じですね、この流れは。

あ、ほんとにそうですね。王道中の王道だと思います。わりと初期的な感じもするし。最後の「Kevin」なんかも初期のコレクターズっぽい、このサイケ感とか。

「Kevin」は《急げカタツムリ》のリフレンとギターの掛け合いがカッコ良いですね、すごく。

ねー。ワウ・ギター、めっちゃカッコ良い。コータローがクリーム時代のエリック・クラプトンみたいなギターを弾いてる。すごく好きな曲ですね、これは。

あと、「東京ダンジョン」はもう、よくぞ言ってくださった!と。この曲…「That’s Great Future ~近未来の景色~」もそうですけど、物事の良し悪し、善と悪といった表裏一体でもあるものが立体的に、奥の奥まで描かれているのを感じます。言葉はシンプルですが。

その言われた曲、全部政治的な歌ですよ。「東京ダンジョン」で言えば、あんな面倒臭い構造になるのは利権が絡んでいるからだし。オリンピックで問題になっているさまざまなこともそうだし、それこそ原発だってそうだし。だから、政治的な歌ももちろん書きます。やっぱりロックンロールには生活に根差したことを歌ってほしいと僕も思うし。

生活、社会、政治は地続きですからね。でも、ここに収められている曲は、どれも思わず口ずさみたくなる曲でもあるという。

そこ、重要ですね。メッセージソングこそ、そうじゃないとダメなんですよね。シュプレヒコールみたいなものですから。すごいシンプルな言葉でみんなが連呼できる言葉になっていないと、機能を果たさないですよね。

言葉も音もエッジがある、それでいてフレッシュさも感じられるアルバムでした、『Roll Up The Collectors』は。

そう。エッジを感じられるような作品にしたくて、そのためのアイデアをどんどん出して制作したんです。ドラムが替わって初のアルバムなので、減速した感だけは出したくなかった。だから、そこはすごく気を使いました。
『Roll Up The Collectors』2016年12月07日発売日本コロムビア
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • COZP-1266〜7 4630円
    • 【通常盤】
    • COCP-39781 2593円
THE COLLECTORS プロフィール

ザ・コレクターズ:1986年初頭、ブリティッシュビートやブリティッシュサイケに影響を受けた加藤ひさしと古市コータローを中心に結成。2014年に山森“JEFF”正之、17年に古沢“cozi”岳之が加入し、現在のメンバーに。メジャーデビュー30周年を迎え、17年3月1日には初の日本武道館を開催し、18年11月には初のドキュメンタリー映画『THE COLLECTORS 〜さらば青春の新宿JAM〜』が公開された。THE COLLECTORS オフィシャルHP

OKMusic編集部

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