コアラモード.、笑顔で満たされた地
元初ホールワンマン

地元横浜で初ホールワンマンをおこなったコアラモード.(撮影・杉田 真)

地元横浜で初ホールワンマンをおこなったコアラモード.(撮影・杉田 真)

 あんにゅと小幡康裕による2人組ユニットのコアラモード.が12月3日、神奈川県民ホール・小ホールでワンマンライブ『We Are Coalamode.!! 2016~あのさ、あのねの大発表~』を開催した。10月26日にリリースした通算4枚目のシングル「雨のち晴れのちスマイリー」を引っ提げておこなわれたこの日のライブは自身初のホール公演。「さくらぼっち」や「七色シンフォニー」などアンコール含め全21曲を笑顔いっぱいに歌い、奏で届けた。ライブタイトルにもあるように重大発表として、来年2月8日に1stフルアルバム『COALAMODE.』をリリースすることと、それに伴った全国ツアー『“THIS IS COALAMODE.!!2017 ~春らんらんツアー~”』の開催も発表。3月25日・横浜を皮切りにおこなうことを伝えた。

「メモリーズ」で初ホールワンマンスタート

あんにゅ(撮影・杉田 真)

あんにゅ(撮影・杉田 真)

 定刻を少々過ぎたところで暗転すると「さくらぼっち」のミュージックビデオ(MV)で登場したキャラクターの“園長”が顔をのぞかせ、開演にあたっての注意事項をユーモアを交え説明。会場から早くも笑い声が響く。そして、クリスマスの鈴の音が鳴り響き「“あのさ、あのねの大発表“スタート!」と掛け声からサポートメンバーとコアラモード.の2人がステージに登場した。

 あんにゅの「こんばんはコアラモード.です。聴いてください」との言葉から、インディーズ時代の楽曲「メモリーズ」でライブはスタートした。ミディアムテンポで、しっとりとした温かいサウンドがホールならではのリッチな広がりを見せ、横浜の情景が見えてくるような演奏と歌で聴かせた。

 打って変わって「位置エネルギー」でリズミックに展開。小幡もキーボードからエレキギターにチェンジしパワフルに演奏。そこにあんにゅの笑顔いっぱいのエネルギー溢れる歌声で会場は満たされていく。「みなさんの笑顔に会いたかったです」とあんにゅの言葉から3rdシングル「さくらぼっち」。良質なメロディに桜色のライティングで、より一層楽曲の持つ色彩を鮮明に映し出していった。

 MCでは「私は11月28日に(ここの会場の)近くの病院で産まれたんです。この街で産まれた私が(神奈川県民)ホールでワンマンライブをしております」と喜びを前面に出しつつも、イベントタイトルで悩んだことを話した。最終候補には『We Are Coalamode.!! 2016~神奈川県民ショウ〜』もあったという。この話に会場は笑い声で包まれた。小幡は満員の客席を見て「初のホールワンマンということもあり、埋まるかなというプレッシャーもあったけど、満員で埋め尽くして頂いて嬉しいです」と安堵の表情を浮かべた。

 イベントタイトルにもなっている「あのさ、あのね」を披露。あんにゅの観客一人一人に語りかけるような歌を、小幡の温かいエレピサウンドが優しく包み込む。2人の人間性が出た楽曲に至福の心地よさを感じた。続いての「豆の木」ではステージ後方の壁にコアラが豆の木を登っていくアニメーションとともに演奏。<高く高くあの空へ♪>とどこまでも突き抜けていくような、あんにゅの歌声が響き渡った。切ないバラードの「悲しみは雪のように」では、ブルーのライトがより悲壮感を漂わせ、楽曲の持つ世界観を強くしていく。切ない歌詞を情感込めて歌うあんにゅに惹き込まれていく。

 そして、NHK『みんなのうた』に初登場となった「ママのママのママのママ」を初披露。『みんなのうた』で自身の曲が流れることがあんにゅの夢の一つだったという。ご先祖様がいて今の私たちがいる。誰か一人でも欠けてしまったら今の自分たちはいない。そして、今日会場に来てくれている人たちとも会うこともできないんだろうな。それってすごいことだなと思った」と楽曲への想いも語ってくれた。ライブは「hello hello hello」、「隣の席の○○くん」と続き、「ありがとう、そしてさよなら」を披露。グッと胸にくるサウンドと歌に観客も静かに耳を傾ける。

みんなと出会った日のことを忘れずに

ライブのもよう(撮影・杉田 真)

ライブのもよう(撮影・杉田 真)

 ここでアコースティックコーナーを展開。あんにゅも座って演奏することに。それを見て小幡が「座って演奏するのは相当珍しいよね」と話す。それを聞いてあんにゅは「小幡さん座ってていいですね」とツッコみ、小幡は反論。コアラモード.になる前は小幡もキーボードを立って弾いていたことを明かしてくれた。アコースティックはあんにゅと小幡、そしてパーカッションの高橋結子の3人で「流れ星」を届けた。軽快なパーカッションサウンドに小幡のお洒落なフレーズもきらびやかに響き、リズムに合わせ観客も手拍子で楽しむ。続いて「ダンデライオン」、そして、ギターの後藤秀人を招き「幸せの証 」と3曲をアコースティックで届けてくれた。

 「ここからノンストップでいきます!」とあんにゅが宣言し、ギターを置きハンドマイクで躍動感あふれる「I'LL BE」、グルーヴィーなリズムと派手なライティングが印象的だった「リアル」と息もつかせぬアッパーチューンで盛り上げていく。そして、10月にリリースされたばかりのインディーズ時代からの人気曲「雨のち晴れのちスマイリー」を披露。パントマイム・ダンス・パフォーマー集団の劇団東京人形夜のダンサー4人が登場し、カラフルなパラソルを使いステージを鮮やかに彩る。あんにゅも同様のパラソルを差しながら、生き生きと歌唱。その歌を聴いているだけで、前向きになれる応援歌に自然と笑顔になってしまう。サビでは観客とともに手を使用した振り付けで一体感を魅せた。

 さらに、あんにゅがソロ時代から歌っていたという「Dive!」。<Uh Dive!>と両手を高く掲げ、観客とシンガロング。頑張っている人への応援歌とも言える楽曲でポジティブなエネルギーを振りまいていく。本編最後は「いろんな出会いをくれた特別な曲」と語りメジャーデビューシングル「七色シンフォニー」を届けた。ステージもレインボーカラーのライティングで美しく彩り、憂いとメジャー感をあわせ持った楽曲は心地よい開放感を与えて本編を終了した。

 アンコールを求める手拍子と「幸せの証」のコーラスパートをシンガロングする観客たち。その想いが届き、会場にクリスマスベルの音色が響き渡った。そして、小幡の語りによるお芝居が始まった。内容はあんにゅがサンタからプレゼントを受け取るというもの。小幡と2人分のプレゼントを受け取ったあんにゅが箱を開けると、そこには一枚のメッセージが...。

 書かれていたのは来年2月8日に1stアルバム「COALAMODE.」をリリースすることを発表した。大歓声がホールに響く。そして、小幡の箱を開けると、そこには全国ツアー『“THIS IS COALAMODE.!!2017 ~春らんらんツアー~”』の開催も発表。そのウキウキした気分から発表から「We Are Coalamode.!!~Xmas ver.~」へ突入。クリスマスモード全開でハッピーに届け、「まだまだ盛り上がっていけますか〜!」と「 Dan Dan Dan」を披露。リズムに合わせキュートに飛び跳ねるあんにゅ。観るものを視覚でも楽しませた。

小幡康裕(撮影・杉田 真)

小幡康裕(撮影・杉田 真)

 この公演を発表してからの半年を振り返り、しみじみと感慨にふけるコアラモード.の2人。あんにゅは「一個一個夢を叶えさせてもらっています。一気に雲の上までは行けないけど、一歩一歩地道に積み重ねて、より良いものを皆さんに観せたいなと思っています。みんなと出会った日のことを忘れずに」とラストは「未来」丁寧かつ感情を込めて歌い上げる。<真っ直ぐな想いがあふれてくる♪>この歌詞に偽りのない気持ちをぶつけた歌は、訪れた観客の心にしっかりと届いたはずだ。

 コアラモード.初のホール公演は大成功に終わった。2人の魅力を存分に発揮したキラキラしたステージは多くのを人を笑顔にさせる。MCでのトークも2人ならではの空気感でほっこりとさせ、エモーショナルな歌と演奏で感情を揺さぶっていく、そのギャップにも心惹かれる。来年2月にはニューアルバムのリリースも決定し、次はどんなモードを魅せてくれるのか。(取材・村上順一)

セットリスト

『 We Are Coalamode.!! 2016~あのさ、あのねの大発表~ 』
12月3日 神奈川県民ホール・小ホール

01.メモリーズ
02.位置エネルギー
03.さくらぼっち
04.あのさ、あのね
05.豆の木
06.悲しみは雪のように
07.ママのママのママのママ
08.hello hello hello
09.隣の席の○○くん
10.ありがとう、そしてさよなら
11.流れ星
12.ダンデライオン
13.幸せの証
14.I'LL BE
15.リアル
16.雨のち晴れのちスマイリー
17.Dive!
18.七色シンフォニー
ENCORE
EN1.We Are Coalamode.!!~Xmas ver.~
EN2.Dan Dan Dan
EN3.未来

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