手術成功!仮面女子・神谷えりな闘病
の軌跡を記者視点で振り返る

 ご存知の方も多いと思うが、神谷えりなは仮面女子の中心メンバーのひとりだ。手術の成功は神谷本人だけでなく、メンバーたち、そしてファンもほっとしたに違いない。たった3年間ではあるものの、彼女と仕事で関わってきた筆者も同じ思いだ。僭越ながら、ここでは筆者の視点から神谷えりなの闘病の軌跡について語っていきたい。 筆者が神谷えりなとはじめて遭遇したのは、2013年9月に行われたある週刊誌のグラビア企画の撮影だった。彼女の表情からは、どこか頼りなさげで物憂げな雰囲気が漂っていた。もちろん、その空気感が彼女の魅力のひとつであることは間違いないのだが、その裏には何かあるのでは? と直感的に思った。

 その後、マネージャー氏との会話の中で知ったのだが、このとき彼女はライブ活動を休止していた。理由は持病である内斜視の症状が出たからである。

 内斜視とは瞳が内側に寄ってしまう状態で、神谷えりなの場合、ステージの強烈なライトを受けると左目にその症状が表れる。すると平衡感覚がなくなり、身体がふらつく。前後左右の距離感がつかめず、ステージでの立ち位置がずれてしまう。仕舞いには酷い頭痛にも悩まされる。いずれもアイドルとして活動をするには致命的とも言える状態だ。彼女の独特の空気感、自信なさげに見える表情は、その持病に起因しているのだろうと思った。 2014年以降、神谷えりなはライブ活動を再開する。それにともない、テレビ・雑誌・ウェブなどの媒体に出演する機会が増加。特に2015年1月に仮面女子のシングル『元気種☆』でオリコン1位を獲得してからは、さらに活動が活発化する。筆者はこのころから仮面女子のグラビアやインタビューを幾度も担当することになるのだが、皮肉なことに仮面女子の名前が売れれば売れるほど、彼女の斜視は常態化していった。

 もちろん、2015年5月の最初の手術の後はしばらく見られなかったものの、同年11月に行われた、さいたまスーパーアリーナワンマン公演の前後から、再び症状が現れるようになった記憶がある。多忙ゆえ、疲労も蓄積していたのだろう。撮影前のメイク中にうたた寝をしていたことも何度もあった。 ちょうどそのころだったと思うが、ある現場で気遣いのつもりで、こう諭したことがある。「ちょっと斜視が出てるね。大丈夫? ちゃんと休んでる?」。すると彼女は固い表情で強くこう言った。

「休んで治るなら休みます。でもね、そういうことじゃないんです。今の私にはこれ(アイドル)しかないんですよ」

 他の選択肢だってあるはずだ。もっとラクな生き方だってあるだろう。だが、どんなに辛いことがあっても「アイドル」という選択をし続けるのが、神谷えりななのだ。筆者は、これほどアイドルに夢と希望を抱き、人生のすべてをかけている女性を間近で見たことがなかった。 そんな彼女にも、引退という言葉を口にしたことが一度だけある。当サイトで2016年9月27日に公開された記事
だ。このインタビューで神谷えりなは、主治医に開散麻痺の再発を宣告されたとき、「引退も頭に浮かんだ」と涙ながらに語っている。

 だが、倒れても踏まれても、しっかり起き上がってくるのが神谷えりなだ。主治医による再手術の提案にすぐさま同意し、11月17日にオペを行うことにした。

「ファンの方が仰ってくれたんです。『神さまは乗り越えられない試練を与えない。試練を乗り越えて新しい自分の高みを目指すために、今回の手術っていうのを与えたんだ』って」(先出の記事より)。 手術は地元・静岡県内の眼科で行われた。結果はもちろん、成功。オペを受ける前は「また再発して3回目の手術もあるんじゃないか?」と不安にかられていたそうだが、主治医は「今回の手術で完全に大丈夫。もう手術をすることはない」と宣言してくれたという。

 術後の経過を見るために2週間の休暇を取り、その後、ステージに復帰するという彼女。来年2017年の1月3日には、仮面女子のニューシングル『仮面大陸~ペルソニア~/ISUMI~四季彩の街で~』がリリースされる。再び生まれ変わり、パワーアップして帰ってきた神谷えりなは、仮面女子の2枚連続オリコン1位奪取を後押しすることが出来るのか? 期待したい。

(文/尾谷幸憲)


■神谷えりな
1991年10月15日 静岡生まれ
T152cm B86W58H84
趣味:ゲーム実況、スマホゲーム
特技:卓球、コスプレ
【公式ブログ】
【公式Twitter】
■Information
・4thイメージDVD『甘神様』(エスデジタル)発売中。
・仮面女子、ニューシングル発売決定。両A面シングル『仮面大陸~ペルソニア~/ISUMI~四季彩の街で~』は2017年1月3日リリース。詳細は、仮面女子公式HPにて。

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