「モブサイコ100」で初主演
の伊藤節生が語る、演技の難しさと作
品の魅力

――「モブサイコ100」は初主演だと伺っていますが、役が決まって、どのようなことを感じましたか?

伊藤:まずはなんといっても喜びですね。自宅で電話をいただいて、ベッドで転げ回りました(笑)。早く親に伝えたいなと。でも、収録が近づくにつれて、感情が緊張と不安に変わっていきました……。

――そんな不安の中で、最初の収録はいかがでしたか?

伊藤:1話では、藤原啓治さんがゲストとして来られていたのですが、藤原さんは僕の事務所の社長で、現場でお話をたくさん振ってくれました。そのおかげで気持ちを落ち着けて収録に臨めました。

――アフレコをしていて、印象に残っていることはありますか?

伊藤:ギャグテイストの作品ですから、キャストの方々の演技が予想の斜め上を行くことがたくさんあります(笑)。それがあまりに行き過ぎて、最終話のテスト収録で、演技を聞いて僕が笑ってしまい、セリフが言えなかったことがありました。そこで音響監督の若林(和弘)さんが「本番はちゃんとやるんだぞ。これが“演技”だからな」とおっしゃって……。そこで頑張って、必死に真顔を作りました。そうしたら、今度は隣で霊幻役の櫻井(孝宏)さんが笑ってしまって、セリフを言えなかったということがありました(笑)

――モブを演じるにあたり、苦労したことはありますか?

伊藤:最初は不安を和らげるために台本を読み込んでいたのですが、そうすると、セリフ尺にぴったり合う。でも、本来はキャラの口パクより少し遅れてセリフを言い始めて、口パク終わりより少し後にセリフを終わらせるものなんです。そこが上手くいかなくて、つまずいてしまいました。加えて、これも練習し過ぎたせいで、要求に対してフレキシブルに直せないということも、特に1話についてありました。ですから、あまり台本を読み過ぎることなく、徐々に自分の中に余白を作って、本番に挑もうという気持ちになりました。

――アニメでお気に入りのシーンはどこですか?

伊藤:1話でモブ君が初登場したシーンですね。登場してからの行動から、セリフ(「師匠、いきなり呼び出すのやめてくださいって」)から、全てにモブ君らしさが詰まっていると思います(笑)。それと悩んでいるモブ君に対して、師匠が何気ない一言で救ってくれるシーンもお気に入りです。例えば3話でエクボの宗教団体を潰してしまって、モブ君が落ち込んでいる時に「お前はたくさんの人を救ったんだ」と言ってくれるシーンなどですね。それとやっぱり戦闘シーン(笑)。アフレコの時には映像もあるのですが、これが絵になったらどうなるんだろうと毎回ワクワクしていました。

――お気に入りのキャラクターはいますか?

伊藤:テル君です。4話から登場する、超能力者の敵キャラです。モブ君は「超能力を人に使ってはいけない」と、ある程度、霊幻に教えこまれているのですが、テル君にはそういう人がいないので、超能力を持ったがゆえに、人の上に立とうとする。自分も仮に超能力を持ったらそうなってしまうだろうと思えるんです。人間は弱い生き物だと思いますので、一番人間味があるのが輝君なんだろうなと。加えて髪の毛が刈られたり盛られたりという、そういう見た目のインパクトと、それに対する松岡(禎丞)さんの演技も大好きです。

――もしご自身が超能力を持つなら、どんな力を使ってみたいですか?

伊藤:僕は引きこもり気質なので、ベッドから動かない生活をするための超能力が欲しいですね。サイコキネシスなんかが良いと思います。手を触れずにご飯を持ってきたり、食器を超能力で戻して洗ったりしたいです。自分を甘やかしたいです(笑)

――最終回の見どころを教えていただけますでしょうか。

伊藤:11話のラストもかなり衝撃的だったと思うのですが、そこから大迫力の戦闘が……と思いきや、「モブサイコ100」らしさもあったりします。最終話にして、「モブサイコ100」の魅力全てが詰まった回になっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていただければと。

――最後に、ファンの皆さまへメッセージをお願いできますか。

伊藤:初めての主演ということで、至らない点も不安もたくさんありました。そんな中でも頑張ったものを詰め込んだ作品になっていますので、最後の最後まで楽しんで見ていただければと思います。

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