ももクロSP! マーティ、3rd『AMARA
NTHUS』を聴いてガチで震える

 ……と思いきや、M2『WE ARE BORN』でビックリ仰天。冒頭の不協和音のギターとピアノがかっこよすぎる!(ピアノは筋肉少女帯にも参加していた三柴理)。そして「オギャー」という叫び声も、ももクロ的なユニークさにあふれている。いやー、やっぱりももクロは裏切らない!

 続くM3『モノクロデッサン』は中期ビートルズを思いおこさせるナンバー。M4『ゴリラパンチ』はももクロらしい、テンションアップ系の楽曲。ゴリラの叫び声「ウッホウッホ……」がいいアクセントになってるね!M5『武陵桃源なかよし物語』はヒャダインこと前山田さん作詞作曲。ダンスの一種“チャールストン”が似合いそうなビックバンドジャズっぽい曲だ(歌詞のテーマが“仲直り”っていうのを聞いてビックリした・汗)。

 M6『勝手に君に』は『走れ!』『オレンジノート』系の王道楽曲。そしてM7『青春賦』へ。この曲はすでにシングルとしてリリースされていたものだけど、この曲順で入ってるとまったく違和感がない!M8『サボテンとリボン』はマーチ(行進曲)形式のナンバー。トーキングスタイル(ラップ)風のメロが楽しいね~。しかも途中から想像もつかないようなアレンジに。こんな展開、よく思いつくな……。M9『デモンストレーション』はボクも大注目している清竜人・作詞作曲の超絶ミュージカルナンバー。ロックバンド“クィーン”の楽曲が日本のアイドルのエッセンスを加えて甦ったみたいだよ!

 そして日本の典型的な王道バラードであるM10『仏桑花』(さだまさし作詞作曲)、既発のシングル『泣いてもいいんだよ』(中島みゆき作詞作曲)を聴いたあたりでボクはやっとみんなが言ってることが理解できた。捨て曲が一曲もない。アルバムの起伏がしっかりある。そしてすべてのメロディに集中したくなるこの感覚、一音足りとも聴き逃せないこの感覚……。た、確かにこれは名盤!!!

 その後、登場するのは、怪しいイメージを持つM12『Guns N' Diamond』、男性コーラスの大合唱が響き渡るM13『バイバイでさような』、相対性理論のやくしまるえつこ(ティカ・α名義)が作ったM14『HAPPY Re:BIRTHDAY』でアルバムの幕は降りた。なんて濃密な63分05秒だったんだろう。アルバムのコンセプトが「リアルな人生」というのもわかる気がするね……。

 実はボク、いま新しいアルバムの構想を練っているところなんです。そんなときにこんなとんでもないモノを聴かされたら影響を受けないはずがない。改めて自分のアルバムのアイデアを考えなおさなきゃいけない、強くそう思った。


(構成・文/尾谷幸憲 協力/バラン野島)Marty Friedman
マーティ・フリードマン
ギタリスト、プロデューサー。全米で1000万枚以上のCDを売ったヘヴィメタルバンド「メガデス」に在籍。2004年から日本の音楽シーンでも活躍。ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』への全面参加。ニューアルバム『インフェルノ』(ユニバーサル)が発売中。

新番組『アイドルお宝くじ』にナレーション出演中
<O.A.情報>
テレビ朝日/毎週金曜日 26:50~
BS朝日/毎週土曜日 26:30~
CSテレ朝チャンネル1/11月7日スタート・毎週金曜日 24:00~

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