空から好きなコが降ってきたらどう受
け止める?グミから始まるPerfumeの
『コミュニケーション』

ピュレグミのCMソングだけあり、歌詞にしっかり「Gummi」=グミが登場するこの曲。「Give me」(私にちょうだい)の省略表現「Gimme」と音をかけています。

「ハート ピュアに弾む」というフレーズも巧み。ピュレグミという商品名を連想させる「ピュア」という単語と共に、ハートの形状、弾む食感をアピールしています。

「恋して ぷるぷるつんつん 甘酸っぱい想い出は」ここもプルプルした食感と甘酸っぱいピュレグミの味を、想い出という気持ちにかけているフレーズ。グミを通して、人とのコミュニケーションを描いている歌詞。この後に出てくる「受け止め方」「待てる」といった歌詞もコミュニケーションにかかっています。


「空から 突然好きなコが降ってきたりして」というフレーズは、『天空の城ラピュタ』のように、フィクションで空から女の子が降ってくる光景を連想させます。「受け止め方を考えて みたけど 骨折れる」というユニークな歌詞。これは考えるのが骨折れるという例えと、実際に骨折すること両方をかけています。実際に人が勢いよく空から落ちてきたら、大事故になりますね。


このフレーズも魅力的。「キミの気持ちが毎日1ミリとちょっとだけ 近づくのなら 何千年でも待てる」という理想を歌う歌詞かと思いきや、「わけはない」という裏切りが待っています。実際に何千年も待てるわけはないな、と妙に納得させられる歌詞。



このささやかな裏切り、意表の付き方がPerfumeであるとも言えます。例えばPerfumeが初めてオリコン週間1位を獲得したシングルは2008年発売の『love the world』。世界から愛される、世界を愛する曲ですが、このシングルのB面は『edge』。「誰だっていつかは死んでしまうでしょ」と歌うタイトルどおり「とがった」曲です。

愛を示しておきながら、ちょっとした裏切りを入れる。期待されているものを提供しつつも、意表をついて別のものも見せる。作詞作曲を担当する中田ヤスタカが意図的に仕込んでいて、メンバーもそれにのっています。このグループがブレイク以降ずっと一線にいるのは、こういった意表の付き方があったから。

Perfumeが新たな提案を投げかけ、聴き手が受け取るコミュニケーション。巧みなタイアップ曲には、アーティストとリスナーの「コミュニケーション」が潜んでいたんですね。

TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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UtaTen

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