西内まりや、祝・日本レコード大賞優
秀作品賞にノミネート!:ドラァグクイ
ーン・エスムラルダ連載82

エスムラルダの「勝手にワイドショー!」

連載第82回 祝・日本レコード大賞優秀
作品賞にノミネート! 西内まりや

 今年5月にリリースされた3rdシングル『ありがとうForever...』が、日本レコード大賞優秀作品賞にノミネート。「そんな歌聴いたことない」「またごり押しか……」とネット上で批判されている西内まりや

 まあ、とやかく言われるのも、わからなくはないわね。
 実際アタシも、まりやには驚かされることばかり。ドラマ『GTO』の生徒役で、なんとなく顔だけは知ってた……程度だったのに、気がつけばゴールデンタイムの連ドラ(『ホテルコンシェルジュ』)で主役を張っていたり、歌を歌っているなんて全然知らなかったのに、気がつけばレコ大の最優秀新人賞を獲っていたり、気がつけば、石橋●明にセクハラされていたり。
 アタシが若い女性タレント事情に疎いだけかもしれないけど、昨年まりやと新人賞を争ったらしい大原櫻子に関しては、ドラマで何度か観ているし(たまたま男性俳優目当てで観ていた「水球ヤンキース」と「恋仲」に出てた)、歌も一、二度は聴いたことあるもの。まりやが歌手(しかも作詞作曲まで)をやっていることを知っている人って、相当限られるんじゃないかしら……。

 ただ、レコ大へのごり押しって本当に意味あるのかしら。
 そりゃアタシも、昔は大騒ぎしながらレコ大を観ていたわよ。大みそかは「レコ大と紅白をハシゴする」というのがお決まりのコースだったし、「中森明菜が大賞獲った!」とか「菊池桃子が新人賞辞退した!」とかいちいちハラハラしていたし(当時はまだ子どもだったので、「出来レース」という言葉を知らなかったの)。
 ところが大人になるにつれて関心が薄れ、放送が12月30日に変わってからは一度も観ていないわ……。おそらくそういう人は少なくないだろうし、今、レコ大にねじ込んでも、たいしてハクもつかずセールス面での効果もないどころか、今回みたいに「ごり押し」と騒がれるだけだと思うのよね。
 もっともアタシみたいに、騒ぎのおかげで、「まりやが歌っていることを知った」「まりやの歌を初めて聴いた」って人もいるだろうけど。って、もしやアタシ、またまんまと炎上商法にひっかかった?

 それにしても、西内まりや。この原稿を書くにあたって調べてみたところ、事務所的には「第二の安室奈美恵にするべく、猛プッシュしているらしい」とのことだけど……。
全体的に薄味感が否めないわね……。
 なんせ安室は「小学生のころ、お金がなかったため、週3回、片道1時間半かけて、歩いてアクターズスクールまで通った」「小室哲哉の曲で大ヒットを連発したものの、ファンが離れるのを覚悟で、音楽の方向性をガラッと変更」「ライブではほとんど話さない(せいぜい『今日はありがとう』くらい)」といった、鉄の意思の持ち主。いくらまりやが小学3年から6年間、バドミントンに励んでいたとはいえ、そう簡単には後釜にはなれないと思うのよ。
 ちなみにまりや、この夏に長渕剛が開催したライヴに関するインタビューで「ギター1本でどこにでも行く、長渕さんの背中を追いかけているんです。長渕さんみたいなアーティストになりたい」と発言したとのこと。安室と長渕……。共通点が見当たらない……。

 あと、西内まりや、名前があまりにも「竹内まりや」と似すぎ!(本名だから仕方ないけど) 木村佳乃と木村文乃とか井戸田潤と池井戸潤とか上戸彩と綾戸智絵とか、名前が紛らわしい有名人はたくさんいるけど、ビッグネームすぎる先輩と名前が似ていると、それだけで二番煎じ感があって、ちょっぴり不利な気がする……のは、アタシだけかしら。

 とまあ、いろいろ書いてきたけど、ごり押し(?)によるバッシングを受けてかわいそうなのは、むしろまりや本人。女優になりたいのかシンガーソングライターになりたいのか、イマイチよくわからないけど、個人的には顔も歌声も嫌いじゃないので、とにかくめげずに頑張ってほしいわ!

【エスムラルダ:プロフィール】
えすむらるだ…1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
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