『はなまるぴっぴはよいこだけ』だか
ら『おそ松さん』がやり放題なのは当

歌っているA応Pは「アニメ“勝手に”応援プロジェクト」。アニメ好きの女子で結成された、アニメを勝手に応援していくグループです。2012年からスタートし、2015年7月に新メンバーが追加され7人で活動中。応援と名の付くグループが歌うだけあり、この主題歌は、見事な『おそ松さん』アニメ応援歌になっています。
『おそ松さん』は『おそ松くん』のリメイク作品。パロディだらけの第1話が話題になったものの、制作委員会判断でこの1話はDVD未収録に。アンパンマンパロディには規制がかかり、人気声優をあてた六つ子のグッズは売れたり、ツイッターアイコンを○○松にする人が続出したりと、話題を作りまくっている作品です。
そんな『おそ松さん』を彩るOPは、歌詞が非常に不思議な曲。タイトルの「はなまるぴっぴ」の「ぴっぴ」は、「彼ぴっぴ=彼氏」のように使うことから氏、人の意味です。「花丸がつく人は良い子だけ」の意味のタイトル。ひるがえって、六つ子をはじめとした『おそ松さん』に出てくる人物たちは、花丸をもらうような立派な人達ではない、ということを表しています。
“ひらりひらりも隙のうちと かけこみ すべりこみ うっとり
これぞカミカゼ 沿う太陽 虫の息 ひと知れず"
冒頭から不思議なフレーズ。「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉と同じ響きで「ひらりひらりも隙のうち」。これは隙あればひらりともぐり込む姿勢を表しています。「かけこみすべりこみうっとり」できたのは、この『おそ松くん』リメイク企画。赤塚不二夫生誕80周年に駆け込み、滑り込みでこの企画が通りました。リメイクなんて嫌よ嫌よと言いながらもみんな好きなんですね。
「これぞカミカゼ 沿う太陽」まさに特攻カミカゼの精神でなければできない、おそ松くんリメイク計画。太陽のごとき赤塚不二夫の魂がより沿ってくれていますが、大ヒットしたアニメのリメイクは果てしない挑戦なわけです。スタッフ達はプレッシャーから「人知れず」「虫の息」になる始末。
“たいへんなの 現場は火事 憂いなおめめから 発射だ ぽーん
どうかなこれ 新型ギミック あまりに革新的なひと”
アニメの制作現場は火事のように大変。心配、憂いをおびた目からぼーんと涙や色々なものがこぼれ落ちます。「どうかなこれ 新型ギミック」として提案したのは、おそ松たちを大人にして人気声優をあて、さらに1話ではイケメンにしてしまうというアイデア。「あまりに革新的な」ギミックに界隈は騒然とします。
“ここからはじめて古今東西 鳴りやまぬ花 焼べるは水平線
めろめろとろけてぽぽんちゅうちゅうさ 明日も昨日のよいこだけ”
「ここからはじめて古今東西」何はともあれ新たなアニメをはじめて古今東西のネタを入れアピールします。六つ子には、本当に人気声優が揃ってくれました。「花」のごとき彼らなら拍手は「鳴りやまぬ」はず。彼らも『おそ松さん』という巨大な溶鉱炉に「焼べ」て一緒に「水平線」の彼方まで運命を共にしてもらいます。「明日」が来るのは「昨日」も「よいこ」にしていた者だけ。とっくによいこでない自分たちは、もう明日は来ない精神で全力をアニメに注ぎます。めろめろに溶けて、ビタミン剤のポポンS錠をちゅうちゅうするようになるまで全力で『おそ松さん』作ります。そんな強い意志の表れの歌詞。
“一生全力モラトリアム”
「一生全力カモラトリアム」は大人になってもニートな六つ子たちのこと。そんな全力モラトリアムな彼らを全力で描くという気概にあふれたOPテーマ。
やり放題の第1話ラストの台詞「赤塚先生怒ってないかな?」「平気だよ、だいぶ前に死んだから」。この台詞はなんとフジオプロからの提案でした。公式からしてぶっ飛んでいたんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

UtaTen

歌詞検索・音楽情報メディアUtaTen

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着