「演劇のまち化」する兵庫県豊岡市、そのキーマンに聞く座談会(1)~平田オリザ×中貝宗治×田口幹也×原良式「城崎国際アートセンター」成功の秘密は「城崎の歴史にあり」
兵庫県但馬地域に国際観光芸術専門大学(仮称)が構想されているという。場所は豊岡市。豊岡市といえば小中学校の演劇を使ったコミュニケーション授業がよくメディアで報道されている。城崎温泉という名所を抱え、そこにアーティスト・イン・レジデンスの拠点となる城崎国際アートセンターもある。そして平田オリザ率いる青年団が新たな拠点とするまちとしても話題を呼んでいる。東京の下北沢や渋谷とは違った意味で“演劇のまち”になりつつある。実は、アートセンターでとあるダンス公演のワーク・イン・プログレス公演を見たとき、その打ち上げで豊岡市長の中貝宗治氏と1時間ほど雑談をさせていただいた。「文化はわからない」と口にしてしまう行政職員が多いなか、およそ政治家から出てきたとは思えない、演劇の片隅に身を置く人間としてはとてもうれしい言葉の数々を聞き、この言葉をみんなに紹介したいぞ!と妄想していたところに冒頭の大学に関するニュースが流れてきた。そこで中貝市長、大学の学長候補である平田オリザ氏、城崎国際アートセンター館長の田口幹也氏、そして観光の立場から城崎温泉観光協会会長の原良式氏による座談会をお願いした(無茶を言ってすみません)。この対談の内容は2回に分けて紹介します。