the pillows「22年ぶりのピロウズはどう?」
そしてそのライブのサブタイトルは「Do You Remember The 1st Movement」。the pillowsがKENZI&THE TRIPS解散後の上田ケンジによって結成された25年前。2014年1月19日にバンドにとって思い出深いライブハウス新宿LOFTで行われたこの日のライブは、上田ケンジが在籍していた第一期と呼ばれる時代の楽曲を、実に20年の時を経て、上田ケンジをベーシストとして迎え演奏されたまさにアニバーサリーイヤーに相応しいレアなライブとなった。
爆弾ジョニー、シュリスペイロフと、上田、山中がそれぞれプロデュースするバンドが熱い演奏を終え、興奮と期待がピークを迎えた中現れた第一期the pillowsのメンバー。いきなり演奏されたのは1991年デビューアルバム『MOON GOLD』の1曲目『キミがいる』。そして2曲目はthe pillows自体の1st アルバムであるパントマイムから『RAZORLIKE BLUE』。この曲は山中が高校生の時につくり、上田ケンジとの出会いとなった二人にとって思い出深い楽曲。
「22年ぶりのピロウズです」との上田のMCを挟んで3曲目は1stシングル『雨にうたえば』。2ndアルバム『WHITE INCARNATION』から『ペーパームーンにこしかけて』。ロマンチックで何かthe pillowsの歴史の長さを物語るような名曲『僕らのハレー彗星』を披露したあと2回目のMCでは「22年ぶりのピロウズはどう?」との山中の振りに「全然変わってないね、シンちゃん以外は」と笑いをとる上田。「今回全バンド札幌出身で揃えてみました」とただ一人茨城出身の佐藤にむかって話しかけ笑いを返す山中。6曲目にはインディー2ndアルバムから『巴里の女性マリー』、そして7曲目には上田のコーラスも印象的で第一期the pillowsラブソングの代表曲とも言える『このままここで』。メンバー紹介で上田は「こんな場所に呼んでもらって嬉しい」とピロウズメンバーに感謝を伝え、山中は「上田さんが発掘した中で今のところ1番成功した山中さわおです」との暖かいMCで会場は暖かい雰囲気に。そして観客も全て巻き込んだエナジーコールで25年前にタイムスリップしたかのような盛り上がりを魅せた『エネルギー』。『WANT TO SLEEP FOR』『サリバンになりたい』でLOFTは完全にあの頃の燃えるような盛り上がりをみせる往年のLOFTへ。そして本編最後は『さよなら 第三惑星』。山中さわおの生き様、the pillowsの25年を物語るようなラストソング。興奮に確かな印象をプラスし本編を終える。
勿論拍手は鳴りやまずアンコール。山中は「25周年をこんな素晴らしいライブでスタートできて嬉しい。上田さんが辞めて3人になった時はバンドをこんなに長く続けられるとは思っていなかった。音楽が好きなバンドと、音楽が好きなみんなのおかげでバンドを続けられて、そしてこんな素敵なライブができたことが嬉しい、ありがとう!」とMCをしたあと、そんな気持ちそのままの『90’S MY LIFE』は長くロックも人生も積み重ねたものだけが残せる音楽の素晴らしさを会場に伝えアンコールを終える。ダブルアンコールでは全員がビールを持って登場。そして“ぼくはかけら”。もはや言葉は要らない。充実感に包まれてあっという間の22年ぶりの再会ライブは終演を迎えた。
この後the pillowsは2月26日のトリビュート盤発売リリース、そして3月末からの東名阪ホールツアーでは第2期と呼ばれるキングレコード移籍後数年の楽曲を中心にした記念ライブ第2弾を行うことが決まっている。盛りだくさんのthe pillows25周年イヤーはまだまだ続く。