【ライブレポート】THE BOHEMIANS、
ホリエアツシ、セカイイチが共演<貴
ちゃんナイト>

2月4日、下北沢CLUB251にてラジオパーソナリティの中村貴子によるライブイベント<貴ちゃんナイトvol.9>が開催された。
中村貴子のラジオ番組のリスナーが始めたイベントを本人が引き継ぐ形で開催されてきた<貴ちゃんナイト>も今回で9回目。THE BOHEMIANS、ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)、セカイイチの3組を迎えての開催となった。開場時間を迎えると、フロア後方で会場の様子を見守る中村貴子の元へ、次々と来場者たちが訪れる。チケットの先行販売は今回も出演者が伏せられた状態で発売されたため、先行でチケットを買った来場者には、会場で中村貴子からこの日の出演者名の入った「スペシャルチケット」が手渡されたのだ。これもチケットをライブ参加への記念品として保存しているリスナーへの思いやりだろう。チケットを求める他にも、手紙を渡したり、思いを伝えたりするリスナーひとりひとりの話に熱心に耳を傾ける中村貴子の姿が印象的だった。
トップバッターはTHE BOHEMIANS。「ついに出れたぜ貴ちゃんナイト!」と平田ぱんだ(ヴォーカル)が高々と掲げた手には赤い時計が見える。手首に赤いものをつける、という「貴ちゃんナイト」お馴染みのドレスコードもばっちりだ。故郷山形で過ごした少年時代、中村貴子がパーソナリティを務めたラジオ番組「ミュージックスクエア」をカセットテープへ録音し、繰り返し聴いていたという平田。ラジオとロックンロールはどちらもイマジネーションをフルに使えば使うだけ面白くなるものであると熱弁し「私のR・A・D・I・O」へ。「レディオでロックンロールを聴いてここに集った仲間へ」と始めた「あういえ」では、平田の熱いMCで心がひとつになったフロアから「あういえー!」の大合唱が巻き起こった。ラストの「bohemian boy」ではなんと平田がフロアへダイブ!ステージへ押し戻されると今度はステージを飛び降り、観客と共に拳を突き上げ熱唱しながらフロアの中央まで到達すると「やったぜー!」と会心の絶叫。最後はステージと楽屋を繋ぐ花道までもシャウトしながら駆け抜け、ロックンロールパワーが漲るエネルギッシュなパフォーマンスで会場の熱気を高めていった。
続いて登場したのはこの日のSEの選曲も行ったホリエアツシ。まずは「彩雲」、新曲「月に読む手紙」とストレイテナーから2曲を披露し、温厚なアコースティックギターの音色と澄んだ歌声で会場の雰囲気をがらりと変える。「貴ちゃんナイト」名物の出演者にちなんだスペシャルドリンクを、出身地長崎の日本酒にしたことなどを語りつつステージは終始和やかなムードで進行してゆく。「貴ちゃんと巡り会わせてくれた先輩の歌を」と前置いて始まったのはthe pillowsの「ハイブリッドレインボウ」。実はこの日、the pillowsとしての出演はなかったものの、会場には山中さわおの姿があった。ホリエの物販席に座っている彼の姿に驚いた来場者も多かったことだろう。(ホリエ曰く、売り上げは好調だったらしい)。そしてセットリスト後半は同期を取り入れ、ソロプロジェクトentの楽曲を披露。繊細だが芯の強いホリエの歌声と、同期によって壮大さが増したサウンドが美しい「How To Fly」、孤独をそっと撫でてくれるような「悲しみが生まれた場所」を立て続けに歌い上げる。ラストはホリエ曰く"胸キュン”なクリスマスソング「Zoe」で締めくくった。
そして最後はセカイイチ。ホリエがMCで、以前弾き語りでセカイイチの岩崎慧(ヴォーカル/ギター)と共演した際に、肩慣らしに「スタンドバイミー」を歌っていたところ、酔っぱらった岩崎が乱入。サビを完璧に歌い上げていったというエピソードを語ったことを受け、サウンドチェックで「スタンドバイミー」をワンコーラス披露。それだけでは飽き足らずホリエをステージに招き、セカイイチとホリエによる即興のセッションで「スタンドバイミー」を演奏し、フロアを大いに沸かせた。ひとしきり歌い終えると、「よし、やっちまおうか!」とそのまま「HARD-CORE-GEEK」に突入し、セカイイチのステージがスタート。「俺たちこんな感じのバンドなんで自由に踊ってくれ!16ビートの曲を」と「New Days」へ。セカイイチの真骨頂、色気漂う大人のダンスビートが会場をダンスフロアへと変化させる。岩崎によるフリースタイルラップが盛り込まれた「Daylight」では、歌詞の端々を「貴ちゃんナイト」仕様に変え、「貴子さーん!いや、貴ちゃーん!」と中村貴子への愛と感謝のコールアンドレスポンスでこの日の歓びをリスナーズ達と共有してみせた。
アンコールは貴ちゃんナイト恒例のセッションタイムとなった。まずはセカイイチがホリエアツシを招き中村貴子のリクエストに応え、バンドマンと夢を追い求める全ての人に捧げる名曲「バンドマン」を披露。続いてTHE BOHEMIANSの平田ぱんだもステージに再び現れ、「俺達共通の先輩の、the pillowsの曲を」とラストは「ランナーズハイ」をセッションし、9回目となる「貴ちゃんナイト」は大団円にて幕を閉じた。最後は挨拶のために中村貴子がステージに登場し、「みんな音楽が好きでよかったよね!これからも音楽を好きでいましょう!」と会場に集まった“リスナーズ”達へ感謝とエールを送ったのだった。
文:イシハラマイ

写真:岡村直昭

<y's presents 貴ちゃんナイト vol.9
> セットリスト

2017年2月4日(土)@下北沢 Club251
・THE BOHEMIANS

M1. THE ROBELETS

M2. GIRLS( ボーイズ )

M3. 私の R・A・D・I・O

M4. male bee,on a sunny day. well well well well!

M5. あういえ

M6. That is Rock&Roll

M7. bohemian boy
・ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)

M1.彩雲

M2.月に読む手紙

M3.ハイブリッド レインボウ

M4.How To Fly

M5.悲しみが生まれた場所

M6.Zoe
・セカイイチ

M1. HARD-CORE-GEEK

M2. Grave of Music

M3. New Days

M4. Lay me down

M5. Daylight

M6. Looking Around

M7. Round Table
EN1. バンドマン (オリジナル : セカイイチ)

セカイイチ・ホリエアツシ

EN2. RUNNERS HIGH (オリジナル : the pillows )

セカイイチ・ホリエアツシ・平田ぱんだ

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