宇多田ヒカル「何色でもない花」約23年ぶりの月9主題歌!”信じること”が怖い人に届いてほしい珠玉のラブソング

宇多田ヒカル「何色でもない花」約23年ぶりの月9主題歌!”信じること”が怖い人に届いてほしい珠玉のラブソング

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3年ぶりの月9主題歌!”信じること”
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約23年ぶりの月9主題歌

宇多田ヒカルの最新作『何色でもない花』は、2024年2月12日に配信限定シングルとしてリリースされました。
こちらの楽曲は、同年1月8日から3月18日にフジテレビ系月9ドラマで放送された「君が心をくれたから」の主題歌に起用されています。
宇多田が月9ドラマの主題歌を務めるのは、2001年に放送された『HERO』の主題歌『Can You Keep A Secret?』以来、実に約23年ぶりとなりました。
最新シングルでは、氷上で撮影された斬新なMVも注目を集めています。
▲宇多田ヒカル-何色でもない花【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
コレオグラファーにダンサーのアオイヤマダを迎え、楽曲に込められた感情を宇多田自身がダンスでも表現しました。
厳しい寒さの中、スタッフと共に震えながら撮影をしたそうで、苦労の末にオリジナリティ溢れる幻想的な映像が誕生しました。
「何色でもない花」が指すもの
『何色でもない花』は「君が心をくれたから」のために書き下ろされた楽曲ということで、楽曲の世界観にドラマのストーリーが大きく影響しています。
ここであらすじを簡単に説明しましょう。
ドラマ「君が心をくれたから」は、異国情緒溢れる長崎を舞台に繰り広げられるファンタジーラブストーリー。
主人公の逢原雨(演:永野芽郁)は、幼少期に虐待を受けた影響で自分に自信が持てずにいました。
そんな中、唯一心を通わせた高校の先輩・朝野太陽(演:山田裕貴)と10年ぶりに再会するも、その直後に太陽は交通事故に遭ってしまいます。
落ち込む雨の前に登場したのは「あの世からの案内人」と名乗る男女。
雨は自分の五感と引き換えに太陽の命を救う決断をします。
何色でもない花 歌詞 「宇多田ヒカル」
https://utaten.com/lyric/mi24013027
「何色でもない花」は、この物語を的確に表したタイトルではないでしょうか。
2人が出会ったきっかけは、ある雨の日。
傘が無くて困っていた雨に太陽が赤い傘を差し出し、「よかったら、入らない?」と声を掛けてくれたことでした。
ここで「何色でもない花」が、2人を繋げた「赤い傘」を示唆している可能性が浮かび上がるのです。
では、なぜ”何色でもない”花なのか。
太陽には花火師になって実家を継ぐという夢がありましたが、色覚異常のために赤色が判別しづらいハンデを持っていました。
つまり、太陽には雨に貸した赤い傘が別の色、もしくははっきりとは形容しがたい色に見えていたことが分かります。
雨にもまた「五感を失う」という過酷な運命を辿ることになり、共に同じ色覚を共有することがさらに難しくなることが想像できます。
しかしながら、自分を信じられず、周りの人にもなかなか心を開けなかった雨にとって、太陽のささやかな心遣いはとても染み入るものでした。
目に見えるものだけでなく、人として本質的な優しさや思いやりを大切にする雨と太陽だったからこそ、より一層強く惹かれ合ったのではないでしょうか。
また「ああ そんなに遠くない未来」からは、大人になってもこの出会いの記憶が大切な思い出として心に深く残るであろうことを美しく繊細に表現しています。
何色でもない花 歌詞 「宇多田ヒカル」
https://utaten.com/lyric/mi24013027
「I'm in love with you」は「あなたに恋している」という意味です。
さらに「In it with you」が続くことで、”あなたに”恋しているという想いがさらに強調されています。
一般的に「I love you」が恋愛・家族愛・友情など、様々な形の愛情表現に用いられるのに対し、「I'm in love with you」は恋愛感情を伴った好意を伝える際に使われます。
宇多田も「こんなにストレートなラブソングを書いたのはいつ振りだろう」と吐露するように、本作ではダイレクトな愛情表現が随所に見られます。
楽曲の根幹にあるメッセージ
何色でもない花 歌詞 「宇多田ヒカル」
https://utaten.com/lyric/mi24013027
この部分には『何色でもない花』の根幹にあるメッセージが歌われています。
自分を信じられなければ、誰も信じることが出来ない。
言い換えると、自分を愛せなければ大切な人を愛するのも難しいということでしょう。
「事実」とは「本当のこと」を指しますが、「真実」とは物事の背景に隠された状況や感情の解釈も含むため、人の数だけ存在することになります。
事実はそれ以上でもそれ以下でもなく、都合のよい解釈で捻じ曲げて自分や他人を傷付ける必要はないということが歌われているのではないでしょうか。
見え方の違う人同士が交われば、いさかいが起こるのも当然のこと。
そんな時、自分のことを1番に信じてあげる大切さも隠されている気がしてなりません。
優しい人は人一倍傷ついてきた人でもあります。
他人に搾取されることに疲れ、もう心を開くエネルギーさえ潰えそうな人もいるでしょう。
しかし、ここで宇多田は「私たちの心の中身は誰にも奪えない」と歌い、慈愛の中にしなやかな強さを見出しました。
「そんなに守らないでも平気」というフレーズは、過去の不安から頑なに自分を守ろうとする姿勢を和らげてくれます。
虐待や虐めに疲弊し、他人とのかかわりを遮断しようとしていた雨は、太陽に声を掛けられた時、少なからず躊躇したことでしょう。
しかし、彼の優しさに勇気をもって応えたことで、かけがえのない存在と出会うことが出来たのです。
“信じること”が怖い人に届けたい歌
今回は、宇多田ヒカルの最新シングル『何色でもない花』を歌詞の意味やドラマのあらすじと共に徹底考察してきました。
同楽曲に対して「何かを信じることが怖い人に届いてほしいです」とコメントを添えた宇多田。
現代社会において最も欠けやすく、そして最も大切なことがこの楽曲に投影されているのかもしれません。

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