堂本光一「今年で幕を閉めようと思い
ます」 歴代最多5ヶ月公演予定の『
Endless SHOCK』製作発表会見レポー

堂本光一が作・構成・演出・主演を務める『Endless SHOCK』は、帝国劇場の舞台機構を駆使し、歌、ダンス、アクション、客席上空のフライングなどの演出によって表現されるオリジナルミュージカル。2024年公演は、現・帝国劇場の建て替えのための休館に伴うクロージング・ラインナップの一環として上演され、4月5月に東京・帝国劇場(本編・エターナル編同時上演)、7月8月に大阪・梅田芸術劇場(本編のみ)、9月に福岡・博多座(本編のみ)、11月に現・帝国劇場最後の公演(本編のみ)を行う。今回の公演で、代役なし単独主演記録は2000回を達成し、前人未到の2018回という記録(※現在は、森光子さん主演の『放浪記』が1961〜2009年、2017回という記録が最高記録)を更新する見込みだ。
2024年1月20日(土)、東京都内で製作発表会見があり、堂本光一、佐藤勝利(Sexy Zone)、中山優馬、上田竜也(KAT-TUN)、中村麗乃(乃木坂46)、綺咲愛里、前田美波里、島田歌穂が登壇。会見で堂本は「今年で『SHOCK』は幕を閉めようかなと思っています」などと話し、2024年公演を集大成と位置付けた。
最初に登壇者が一言ずつ挨拶をした。
■堂本光一(作・構成・演出・主演)
堂本光一
こんなにもたくさんの皆さんにお集まりいただき、ありがとうございました。 自分もいつにやるんだろうとちょっと覚えられないぐらい(笑)多くやらせていただくんですけど、2000年から始まって、2005年からは、自分で構成・演出をやらせていただくようになり、2024年また、やらせていただくとなりました。
皆さんご存じのように、帝国劇場も休館ということで、この作品は地方公演もありますけども、帝国劇場と共に歩んできたところがすごくあるんです。自分としてもですね、今年で『SHOCK』は、自分は、幕を閉めようかなという風に思っております。年齢でございます。……冗談です(笑)。そういった意味でも、今年はこうやってすごく豪華なキャストの皆さんにも集まっていただいて、盛大に最後、花火打ち上げるイメージでやらせていただこうかなという風に思っております。
■綺咲愛里(リカ役/大阪公演、福岡公演、11月東京公演)
綺咲愛里
本日はお集まりいただきましてありがとうございます。私事ではありますが、私自身2年ぶりにこの場にまた参加させていただくということで、とても 身の引き締まる思いでいっぱいでございます。昨年、客席からこの『Endless SHOCK』、そして『Eternal』を観させていただいて、改めて歴史あるこの作品に携わさせていただけたこと、本当に自分の人生の中で 光栄なことだなと思いましたし、そしてまた今年参加させていただけること、本当に心から嬉しく思っております。
長い公演にはなりますが、最後の日まで駆け抜けたいと思いますので、リカ役として全うできればいいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
■中村麗乃(リカ役/4・5月東京公演)
中村麗乃
昨年に引き続き、リカ役をまたやらせていただけるということで、本当にすごく嬉しく思っています。初めましての方もたくさんいらっしゃるんですけれども、昨年、今年もご一緒させていただける方もいらっしゃって、もうほんとにたくさん皆様から今年も学ばせていただけたらなと思っております。この大切な節目でまたリカ役をできて本当に嬉しいです。今年も頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
■前田美波里(オーナー役/4・5月東京公演、福岡公演、11月東京公演)
前田美波里
今年はたくさんの色々なことがございました。まずは被災なさってる皆様、能登半島の皆様が1日も早く 普通の生活に戻れるよう、心からお祈り申し上げます。
さて、気がついてみましたら、私、この作品に2013年から参加させていただきました。もちろん出ていない年もございます。もう11年という年が経ちました。いや、正直、この作品にこれほど長く 携わらせていただいたことを心から感謝いたします。そしてまた、今年は2000回という素晴らしい回数、そして単独公演では光一さんが本当にすごい回数になるんですね。最後の日に。そこに携わって、また私自身が出させていただくことに大変光栄に役者として思っております。
この作品はたくさんの方に愛される素晴らしい作品です。終わってしまうのは非常に辛いですが、精いっぱい、今年も新しい方たちと……新しい方たちとの組み合わせですと必ずいいことが起こるんですね。新鮮な形で演じられるという。また今年も楽しく、そして最後まで精一杯やらせていただきます。
■島田歌穂(オーナー役/4・5月東京公演、大阪公演)
島田歌穂
私は2022年からこの作品に参加させていただきまして、ほんとに、この『Endless SHOCK』の長い歴史の中では、新参者なんですが 、光一さん、美波里さん、そして温かいチームの皆様にたくさん力をいただきながら、2022年の博多座公演、そして去年の帝劇公演に務めさせていただいてまいりました。
今回、この『Endless SHOCK』にとって、本当に幾重にもとても大切な公演の日々となることと思います。そこに参加させていただけること、感謝でいっぱいです。これまでにも増して、今回またさらにさらに 1回1回、大切に噛みしめるような思いで、精一杯演じさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
■佐藤勝利(ライバル役/4・5月東京公演、福岡公演)
佐藤勝利
僕のエンタメの根源が『Endless SHOCK』です。 その思いの強さも乗せて、光一くんからもありました通り、最後の『Endless SHOCK』、一緒に併走できることを心から大変光栄に思います。 一生懸命務め上げて、最高のゴールを一緒に迎えれるよう努力していきたいと思います。よろしくお願いします。
■中山優馬(ライバル役/大阪公演)
中山優馬
またこの『SHOCK』に参加さしていただけること、大変光栄に思っております。 先ほど勝利も言ったように、僕も芸能を目指して歩み始めた時から、この作品はもうすでにこの世の中にあって、ずっと見せていただいて、それに参加できる日が来て、そして、今年最後になるということに、大変衝撃を受けておりますが、その分、身が引き締まる思いです。
本当に大変な作品ですので、覚悟を持って臨みたいと思います。 そして、僕は大阪出身なので、慣れ親しんだ大阪の地で、この『Endless SHOCK』に参加させていただけるというのを、本当にありがたく、嬉しく思っておりますので、全力で光一くんのもとで、励みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
■上田竜也(ライバル役/11月東京公演)
上田竜也
皆さんおっしゃる通り、今年で『SHOCK』が閉幕するということで、20年前ぐらいですが、光一くんに「お前は『SHOCK』に出るな」と言われたときから、まさか最後の11月にやらせていただくことになるとは、夢にも思わずですね……でも映像を見たりしているとき、やっぱり『SHOCK』って1回がっつり関わらせてもらうと、音楽聞いただけでわーって、ワクワクするような、テンション上がるような感じになりました。
シメということで、これまで以上にライバル役を追求して、自分なりにしっかりとライバル役を作り上げて、観に来てくださるお客様の方に、素晴らしい公演だったなと思ってもらえるように、しっかり努めていきたいと思っております。

『Endless SHOCK』2024年4・5月帝劇ポスター

続いて質疑応答が行われた。その内容の一部を紹介する。
ーー「幕を閉める」というのは、今回でご自身が主演する『SHOCK』を終えられるという意味合いでしょうか。23年半続けてこられたことですので、すごく大きな決断だと思うんですが、決断の大きな理由といつ頃決断されたのかを教えてください。
堂本:自分の中ではロードマップといいますか、2、3年前からそういった考えはありました。他にやれる劇場がないというのも1つ理由としてはあって。やろうと思えば、全然できるんですけど、この作品は自分が26歳ぐらいのときにつくった作品で、年齢設定もそれぐらいなんですよね。で、今、自分45歳になって、ま、いいときかなと。帝国劇場と共に歩んできた作品でもあるので、一度休館になるというのであれば、そこで自分が出る『SHOCK』というのは、一度幕を閉めてもいいかなと。
ーーこの決断をお聞きになって、共演されてる皆さんの率直な思いを聞かせていただければ。
前田:とても残念ですね。2013年に初めてステージに立ったときに、この客席の興奮状態っていうのは、もしかしたら光一さんのファンが占めているからこんなに盛り上がるのか?と思いましたが、1年、2年と私も年齢を重ねて、この作品に出させていただいてるうちに、いや、全く、この作品はたくさんの方に愛されている、と。
こんな作品を光一さんが手放していいものなのか。あのとき、光一さんに言いましたよね?「若い人で、この作品やることないの?」って。そしたら「いや、今は考えていません」って。「帝劇で作った作品は帝劇で閉めるんです」って。いや、素晴らしいな、私がこの作品をやってたら絶対放さないな、なんて思ってはいましたけれども。
作品のファンとしてとても残念ですが、光一さんはもう演出家になられているので、いつかこれを超える素晴らしい作品を作って、また演じられることを祈っております。そのときはぜひ、私もおばあさん役で出してください。
佐藤:光一くんから、なんとなくはお話はしてはいただいていたんですけれども、でも、本当に衝撃を受けましたね。やっぱりずっとあるものだなと思っていましたし、ずっと階段落ちしてくださるかなって……。
堂本:ずっとするか!(笑)
佐藤:本当に僕がエンタメを学んだものですし。すごく根源にありますし、それを僕ら世代は生で観られたこと、そして僕としては一緒に作品に携わらせていただいてることは本当に光栄ですので、その思いを込めて、最後、僕も走りきりたいなと思ってます。
中山:本当に衝撃で、寂しく思います。でも、 参加させていただいたから分かることというか、本当に過酷なんですよね。で、 その光一くんのその姿を何十回と隣で見せてもらうときに、こんなにも過酷なものを、なぜこんな回数できるんだろうって、本当に何度も思いました。
『SHOCK』が終わってしまうということで、覚悟できていたわけではないです。今まで自分が進んでいく中で、毎年『SHOCK』っていうのはずっとあって、観せていただいてたものなので、寂しくもありますが……記念すべき回を迎えることは、本当に素晴らしいことだなと思います。自分も全力で頑張ります。
上田:直接本人からお聞きしたときに、「なんで」とは言いました。シンプルにお客さんやファンの方々の気持ちとして、俺はこの作品が好きなので。いろんな話を聞く上で、あ、そういうことなんだなと。本人が決めたことならば、そこに向かってしっかりと、2024年の最後の年を盛大に、もっと自分たちがクオリティを高めて、光一くんが完全燃焼して終えれるように、しっかり取り組んでいきたいなという気持ちに変わりましたね。
島田:私もなんとなくそのお話は伺ってはいたんですが、先ほど光一さんが、本当にここで仰った一言で、あ、本当に 終わってしまうんだなと。もう私は先ほどもお話しましたように、2022年からなので、まだ回数も少ない形での参加になりますが、毎回毎回本当に命を削るように公演を重ねていらっしゃる光一さんの姿に、もう感動と驚きとすごい力をいただいてました。
でも、始まりがあれば、いつか終わりが来るんだなと思いながらもね、いつまでも続けていただきたいという思いと、でもこれはいつまでも続けられるものではないなという思いの中で、ご一緒させていただいておりましたので、 とにかくご本人が決断されたことをしっかりと受け止めさせていただいて、私も1回1回も、光一さんの姿を目に焼き付けながら精一杯務めさせていただきたいと思っております。
綺咲:光一さんがここで言葉にされたことで、今すごく実感が湧いてきました。私は『SHOCK』のファン歴としては短いのですが、寂しい気持ちももちろんありまして。ですが、今は出演が決まったので、少しでもお力添えできるように、自分の役割を全うしたいなと思っていますし、始まりがあれば終わりがあるということで、悲しい気持ちになりすぎず、最後まで近くで学ばせていただける機会を本当に光栄だなとも思っていますので、最後まで楽しんで過ごしたいなと思っています。
中村:私は昨年からカンパニーの皆様の中に仲間入りさせていただいていたので、もう私は何も全然そんなこと言える立場ではないんですけれども、やっぱりそれを聞いたときは、作品のファンとして悲しいなという気持ちもすごく大きかったんですけれども、でもやっぱり今年最後の1年、たくさん公演数もあるので、皆様の心の中に刻まれるように、私も精一杯この作品に全うしたいという気持ちです。
ーー『Endless SHOCK』のどんな点が評価され、支持され、ここまで続いてきたと分析されますか。
島田:初めて拝見させていただいたときに、もちろんミュージカルですから、歌あり、ダンスあり、ストーリーも本当に 普遍的なすごく深いテーマが込められたお話で……それにプラス、殺陣もあり、フライングもあり、階段落ちもあり、マジックあり。エンターテインメントの全てがもうきゅっと詰め込まれたような、なんてすごい舞台なんだろうと、私はもう本当びっくりして大感動したんです。
最近やはりダブルキャストとかトリプルキャストという形態が多くなっている中でも、1人でずっと続けられてきた光一さん。私は光一さんがこの作品にかける思いというのが、やはりそれが全ての核になっているし、それがこの作品の魅力の根源なのではないかなと思います。
前田:この作品は、ショーという意味でも皆さんに満足できるようになっております。それも特に日本の良き太鼓や日舞も入りますし、日本の良さも出る作品だと思います。そして、心の絆と言うんでしょうか、コウイチが亡くなった後、私たちが生きていく中での人間と人間との葛藤みたいなものがきちっと描かれたので、たくさんのお客様に感動していただき、また足を運ばせてしまう。
人によっては この作品を見ないと1年が明けないと。昔は、2月でしたね? 舞台をやっていたのが2月、3月で、今は4月、5月に変わりましたが、皆さん、この作品を見ないと年が明けないというようなことを言われるぐらい、中毒っぽい作品なんです、いい意味で。
私は思うんですが、日本の誇るミュージカルを光一さんは作ったのではないかなと。ブロードウェイものロンドンもの、色々ございますが、日本で作ったミュージカルの1つの中で最高のミュージカルができたと私は思っております。 そこが魅力ではないでしょうか。
堂本:残念なことに、僕は1度も外から見たことがないんですね。この作品を。完全な客観的な目で見た感想っていうのは、僕からは言えないんですね。ご覧いただいて、取材していただいた皆さんの言葉を僕は聞きたいぐらいなんですが。
ステージに立っている自分から今言えることは、とにかく、ずっと命を燃やしてきたなというのはありますね。これは常々言っていることなんですけど、(自分は)大した技術があるわけでもない。素晴らしい役者さんっていうのは、本当に数多いる中で、じゃあ自分はどうなんだというと、大したことないなっていつも思ってしまうので、 だったらできることっていうのは、とにかく命を燃やしていこうと。 ステージで嘘をつくようなことをしないようにしようという思いでステージに立ってきた。それをお客様にどう受け取っていただけたのか、改めて聞きたい部分ではありますね。
ーーこれまでの帝劇の思い出と、休館を経てまた新しく誕生する帝劇に期待することをお聞かせください。
堂本:帝国劇場って、自分の人生の中で24年間、自分の人生の半分ですね、毎年、立たせていただいた場所で。だけど、行くと必ずワクワクドキドキする劇場なんですね。独特の雰囲気と言いますか、匂いもそうだし、独特じゃないですか? ですよね? あそこに行くと、ドキドキするんですよね。
もちろん『SHOCK』、『SHOCK』以外の作品もありますけど、常にあそこに行くと身も心もが引き締まる思いがする。あまりスピリチュアルなことを信用するタイプではないんですけど、演劇の神様が宿っているような場所なんですよね。だから自分としては、そこに24年間も、ずっと毎年やらせていただけたというのは、これはもう普通では考えられないことであって、こんなに幸せなことはないなという風に感じてます。新しい劇場の詳細は分からないんですけど……何を要望しようかな。あ、シャワーの水圧だけは守って欲しい(笑)。
ーー例えば後輩のどなたかに主演をお譲りするお考えはおありなんでしょうか?
堂本:自分の思いとしては、誰かに自分の役をやってもらいたいなという思いは強く、今後どうなるか分からないですけど、その思いだけはあります。
取材・文・撮影=五月女菜穂

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