北園涼

北園涼

【北園涼 インタビュー】
打ち出したいものだったり、
伝えたいことは変わっていない

周りからどう見られるかより
自分の幸せを大事にしてほしい

そんな2曲でアルバムを締め括っているのが美しいです。その他、例えばライヴの定番曲だったり、思い入れのある曲を教えていただけます?

ライヴで盛り上がるのは「True Loud」と「Gold」かな? 昼公演と夜公演でセットリストを変えるとしても両方に入ってくる曲で…まぁ、やるほうはめちゃめちゃ疲れるんですけどね(笑)。あと、『Ignition』で「sad day」と「I’ll buy」を作るまでは、バラードは「キミのそばで」しかなかったので、これもめちゃめちゃ歌っていました。思い出深いのは「Frontier」ですね。2ndアルバム『Frontier』(2021年2月発表)のリード曲で、もともとライヴで盛り上がる曲を詰め込んで作ったアルバムだったし、中でも「Frontier」はみんなと一緒に歌いたくて作ってもらった曲だったんです。それがコロナ禍に入ってしまったために、客席は全員マスクの着席スタイルという状況が続いて、まったく騒げなくて。その間“この曲はまだ完成していない”って言い続けてきたので、声出しが解禁されて一緒に歌えた時は、俺も会場に来てくれたファンも泣きましたね。あの日は本当に染みました。

そういった音楽活動を通して、ずばり北園さんが伝えたいものって何でしょう?

結局のところは“生きてほしい”だったり、“前向きになってほしい”とか“自分を信じてほしい”、あとは“諦めないでほしい”ですね。やっぱり夢を追いかけている時期って、例えお金がなくても、傍から見たら不幸に見えても、幸せだったんですよね。だから、周りからどう見られるかということよりも、自分の幸せを大事にしてほしい。“あの人はこれが幸せだけど、俺の幸せはこれじゃない”とかもあるから、もっと自分の想いや考えを大切にしてほしいですね。

ベスト盤で5年間の歩みをまとめてみても、そこはまったくぶれていないですもんね。

そうですね。そこに関しては、これからもぶれないですね。もしぶれちゃったら……ひっぱたいてください(笑)。

大丈夫ですよ!(笑) ちなみに前回の取材で“自分のモットーは今日の自分を超えること”ともおっしゃっていましたが、そのモットーが生まれたきっかけって何かあるんでしょうか?

いや、昔から“何もしない”っていうのがすごく嫌なんですよ。それは部活の影響が大きいかもしれなくて、“レギュラーになりたい”という想いで毎日バット振っていたし、体育祭があれば走ってましたからね。何かしていないと周りに差をつけられないって昔から思ってきたんで、“何年後にこうなる”とかっていう大きな目標は立てないようにしています。

それはなぜ?

スパンが長いと夏休みの宿題みたいに“この日までに終わらせればいい”となって、その間にサボれちゃうじゃないですか。でも、コツコツやっていって、結果辿り着いていた…というほうが絶対に楽ですよね。だから、休む余裕のないところに目標を置いて、自分を追い込むようにしているんです。そのほうが危機感を持てて、徐々に自分を高めていけますから。

しかし、先ほどの“乗り越えるべき壁なんてないほうがいい”の論であるなら、そんなに自分を追い込まないほうが楽じゃないですか!?

でも、僕の幸せはそうじゃないんですよ。ずっと寝て、ずっとゲームして…みたいな生活も素敵だと思いますけど、俺はそうじゃない。だから、ゲームも好きですけど、絶対に何かやってから始めますね。それこそ舞台の本番期間は娯楽系は一切触らないんですよ。それよりも、例えば終わったあとに誰かとご飯に行くとか、身体を休めるとかってことを優先したい。ゲームはいつでもできるので、その時にかかわっている人たちとの時間を大事にしたいんです。

では、次にゲームをやるのは出演中のミュージカル『The Agent』が年明けに終了してからですね…と言おうとしたら、1月14日に終演して1週間後の1月20日と21日にアルバム記念ライヴが控えているという。

…ヤバいですね。まだライヴモードにも入れていないのに(笑)。

しかも、今回のベスト盤はテンションの高いロックチューンが多いので、だいぶ体力消耗しそうですよ。

こういうこともあるから日々、自分を高めておかなければいけないってことですよ。この先、もっと大きい会場でライヴをしたいという想いもありますし、もっとやりたい演出もあるんです。役者として舞台に立っていると、例えば映像だとか照明だとか、いろんな演出や仕掛けを体験できるので、それを自分のライヴでもやってみたくなるんですよね。そういったことも会場が大きくないとできないので、まずは人に届けないといけない。そのためには、できるだけ多くの人に“良い”と思ってもらえる曲や歌詞を作り続けるしかないし、そのために日々、感じるものを大切にして、スルーせずに記録していきたいですね。

取材:清水素子

アルバム『RYO KITAZONO BEST〜2019-2023〜』2024年1月17日発売 日本コロムビア
    • COCX-42156 
    • ¥3,300(税込)

ライヴ情報

『北園涼 ベストアルバム『RYO KITAZONO BEST〜2019-2023〜』発売記念ライヴ』
1/21(日) 東京・六本木Big House
1部:開場13:00 / 開演13:30 
2部:開場17:30 / 開演18:00

北園涼 プロフィール

キタゾノリョウ:1992年生まれ、鹿児島県出身。14年にデビューののち、ミュージカル『忍たま乱太郎』シリーズ、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ、MANKAI STAGE「A3!」など多くの舞台作品に出演。19年2月にはアーティストとして1stシングル「Long way to Go」を発売し、同年10 月には初のワンマンライヴも行なった。北園涼 オフィシャルHP

『RYO KITAZONO BEST
~2019-2023~』
ダイジェスト試聴

OKMusic編集部

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