L→R 朋(Ba)、涼太(Vo)、理緒(Dr)、太嘉志(Gu)

L→R 朋(Ba)、涼太(Vo)、理緒(Dr)、太嘉志(Gu)

【THE MADNA インタビュー】
ビジュアルシーンに一石を投じる
ミクスチャーロックの新たな傑作爆誕

ポップもキャッチーも、ロマンティックもシニカルも、ラウドでヘヴィでアグレッシブも、ありとあらゆる尖ったものを全部詰め込んで唯一無二に昇華した待望の1stフルアルバム『ElecTЯiP』がいよいよリリースされる。ミクスチャーを標榜し、ビジュアルシーンの最先端を爆走するTHE MADNAの本気に震えてほしい。

今のTHE MADNAが表現できたなって
アルバムを通して感じた

ついに1stアルバムが完成した今の率直な気持ちをまずは教えてください。

涼太
完成はしましたけど、まだリリースされていない状況じゃないですか。実感がないんですよね。アルバムがリリースされて、ツアーが始まって、ようやく実感するのかなって思うんですけど。だから…死にたくないな(笑)。リリース日を迎えるまでは絶対に生きなきゃって。

それはもう絶対ですよ(笑)。そう思えるぐらいの作品ができたってことですよね。

涼太
はい。
僕、おもちゃでも何でもそうなんですけど、袋から出したくない人なんですよ。CDもそうで、サンプルをもらっても封を開けないまま飾っておきたいんです。でも、このアルバムは珍しく、開けて中を見てみようかなと思っているんですよね。さっき言ったことと矛盾しますけど、中身を出す瞬間って、やっぱり気持ち良いじゃないですか(笑)。せっかくの1stアルバムだし、その気持ちを久々に味わうのもいいかもしれないって気がしているんです。
太嘉志
実は数日前にパソコンが壊れまして。制作中に壊れなくて本当に良かったって、今、思っています(笑)。きっとパソコンも役目を果たしたと思ったんじゃないかな? 完全燃焼したんだと思います。あと、周りの先輩からフルアルバムの制作と47都道府県ツアーは絶対にメンバーの仲が悪くなるって話をよく聞いていたんですけど(笑)、とりあえずそれはなかったので良かったです。むしろ、つくづく仲が良いバンドだなって思えたというか。その感じはアルバムを聴いてもらえれば伝わると思いますし、それこそ今のTHE MADNAが表現できたなってアルバムを通して感じましたね。
理緒
僕はライヴで新しい曲を演奏するのがすごく楽しみです。いつも最初にドラムのアレンジを組み立ててからレコーディングに臨むんですけど、今回は自分で作ったフレーズが意外と難しくて(笑)、技術的な部分で結構苦労したんですよ。そのぶん、余計に完成した曲を演奏できるのが楽しみなんですよね。

1stアルバムを作ることは、結成当初から具体的に見据えていらしたんですか?

もちろん作りたいっていう気持ちはありましたけど、始動とほぼ同時にEPを2枚リリースしているんですよ。なので、当初はそれでいっぱいいっぱいで(笑)。そういう意味で言うと、具体的に考え始めたのは今年の始めくらいかな?
涼太
うん。
年始ぐらいからアルバム用のデモとかを作り溜め始めて、レコーディングに入ったのが3月とか、それぐらいですね
涼太
これまでのストックからも数曲持ってきたり、改めて『ElecTЯiP』のために書き下ろしたり。でも、書き下ろした曲のほうが多いですね。基本的にはライヴを考えてのアルバム作りというか、“今のTHE MADNAのライヴでどんな曲が足りないのか?”とか、“こんな曲をやったら面白いんじゃないか?”とか、そういうところをみんなでディスカッションしながら作っていって。今の自分たちに正直に向き合った時に出てきたものが、今回のアルバムになったという感じです。

テーマとかはあったんですか?

特に話し合ったわけではないんですけど、最初にリード曲の「極彩色」が出来上がった時に、たぶん各々にテーマや方向性が見えてきて、そこから既存のデモをブラッシュアップしたり、新しくデモを追加したりしていったんですよ。最初からガツンとテーマがあったというよりは、作りながら固まっていったみたいな感覚がありましたけどね、僕は。いったん「極彩色」で軸みたいなものができて、さらに曲が追加されるごとにテーマが見えてくるみたいな。
太嘉志
「極彩色」のトラック自体はアルバム制作が具体的になる前にできたものなんです。自分の生活環境がそれまでと大きく変わってから初めて作った曲で。自分を囲む風景も、自分自身の感じ方も全然違ってきて、そういうのを楽曲で表現できればいいなと思って作ったトラックなので、アルバムを意識していたわけではないんですけど。このトラックの広大でさわやかなイメージが、たまたま涼太が書きたい歌詞や見せたい世界とうまくマッチしたのかなって。

スケール感と力強さ、そして大切な人へのメッセージが込められた一曲になっていますよね。

涼太
自分はデモのイメージでしか歌詞を書けないんですよ。太嘉志からのトラックを聴いて、漠然と空が浮かんできた時に…この1年半、THE MADNAで活動してきた中で、メンバーに対する想いだったりファンに対する想い、そういうものをこのタイミングで書き残しておこうかなと思っていて、そういう気持ちがあったところに、太嘉志のトラックがうまくハマったというか。あんまり回りくどいことは書けないので、そのまま綴った感じなんですけど。

今だからこそ書いておきたかった?

涼太
たぶん年数を重ねれば重ねるほど、こういう言葉って恥ずかしくて書けなくなる気がしていて。でも、今書いておけば5年後も10年後もずっと歌えるじゃないですか。そんな未来を想像して、このタイミングだなって。

特に《唯一、君だけのロックンロールになりたいんだ!》という歌詞の一節がすごく印象的だったんですよ。

涼太
要は独占欲ですよね。君のロックンロールは俺でありたい、他の何かとか他のアーティストじゃなくて、俺らであってほしい…っていう。

みなさんが思うロックンロールってどんなものですか?

涼太
神だと思っていますね、自分の中では。これがあるからこそ今の自分がある。
理緒
僕はそんなに深くないんですけど、シンプルに好きな服を着て、好きなスタイルで生きていくことかな? その中のひとつが音楽だったり。言ってしまえば人生みたいな…あっ、深くなってしまった(笑)。
主観的に考えると、たぶん一番人間らしい部分がロックンロールなのかなって思うんですよね。人から崇められるようなロックンローラーってきっとすがられることにも苦悩しているし。でも、それを表には出さずにロックンローラーでい続けようとしてくれる、そういうやさしさみたいなものを感じるというか。だからか、ロックンローラーって短命なイメージがあるじゃないですか。

朋さんはご自身をロックンローラーだと思われています?

どうなんでしょう? カート・コバーンの年齢を超えた時に“あっ、俺、ロックンローラーじゃなかったんだ”と思ったんですけど、“冷静に考えたら自分が好きな他のロックンローラーは別に俺より年上だしな”って(笑)。よく分からないですね、自分自身のことは。
太嘉志
俺は自分にとってのロックンロールとは何かとか、そういうの自体がちょっと分からないです。たぶん…それを探す旅の途中なんじゃないですかね?(笑)
うざっ(全員爆笑)。
太嘉志
自分が死ぬ時に分かるんじゃないかって思います。

ちなみにタイトルの“ElecTЯiP”は造語ですか?

涼太
はい。タイトルは基本的に造語にしたいと漠然と考えていて、この世にない言葉にしたいと思った時に浮かんだのが“Electric”と“Trip”だったんですよ。なので、そのふたつをかけ合わせました。派手だし、すごく俺らっぽくて、1stフルアルバムに相応しいタイトルだと思ってメンバーに投げたら、そのまま通ったんです。

“THE MADNAっぽさ”というのはアルバムを作るにあたっても常に意識されていたことでしょうね。

涼太
そうですね。俺らにしかできない音楽、このシーンで唯一、異彩を放っているものにしようというのは意識していました。

ご自身たちがそういう存在だという自負も?

涼太
自負というか…真似されたくないんですよね。自分も好きなアーティストの影響を受けたりとかはしているので、ちょっと矛盾しちゃうんですけど(笑)、誰かが真似しようとしてもできないものにしたい気持ちがあるんです。他ができないことをやってやろうって。それはアルバムだけじゃなく、ステージも全部そうなんですけど。
L→R 朋(Ba)、涼太(Vo)、理緒(Dr)、太嘉志(Gu)
涼太(Vo)
太嘉志(Gu)
朋(Ba)
理緒(Dr)
アルバム『ElecTЯiP』【初回限定盤】(CD+DVD)
アルバム『ElecTЯiP』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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