ヴォーカル・ユニットREAL TRAUMに聞
く、グループの魅力と目標、そしてビ
ルボードライブ東京公演への思いとは

結成半年、東京藝術大学を卒業した声楽家4人が集まる男性ヴォーカル・ユニットREAL TRAUM(リアル・トラウム)。2023年6月3日(土)浜離宮朝日ホールでのファーストコンサートで華々しくお披露目を飾った彼らが次なる舞台に臨むのはなんとビルボードライブ東京。
自らを「クロスオーバー・ヴォーカルグループ」と称する彼らに改めてグループの魅力と目標、そして10月14日(土)に開催されるビルボードライブ東京の公演についての見どころを訊いた。

ーーまずはこの4人が集まり、グループを結成しようとなったキッカケを教えてください。
高島健一郎​:大学卒業後はウィーンで活動していたんですが去年の5月、僕が帰国を機に、ヴォーカルグループを作りたい! とみんなに声をかけたのがキッカケでした。
ーーみなさん同じ大学、同じ門下出身とのことですが当時から皆さん面識はあったんですか?
杉浦奎介:僕は全員知ってました!
堺 裕馬:鳥尾くんとはこれがキッカケで初対面でしたね。
鳥尾匠海:メンバーの中では僕が1番後輩になるんですが、同じ門下の中でも活躍著しい先輩たちだったので僕は皆さんのことを知ってはいました! 面識はなかったんですが堺さんがソリストとして舞台に立たれていた公演も観に行ったことがあってすごい先輩だと意識してましたし、杉浦さんは同門の中ではミュージカルの草分け的存在ですごい活躍だったので羨望の眼差しで見ていました!
(左から)鳥尾匠海、高島健一郎
ーーそんな皆さんと同じグループとしての活動を高島さんから持ちかけられたとき、どう感じましたか?
鳥尾:もちろん尊敬している先輩方でしたので光栄に感じましたが、同時に高島さんの本気度もひしひしと感じました。
ーー高島さんはどういう思いでそれぞれにお声がけされたんですか?
高島:まず大前提ですが歌唱の実力に信頼がおけること。これが最優先でした。そして同時にステージに立つ上での「華」といいますか、単純にイケメン、ということではなく自分が観客とした場合並んでる画がワクワクできるか、というところも意識しましたね。
ーー皆さんそれぞれのご活動があった中でのグループ結成となりましたが、グループとして活動する上でどういった違いを感じられますか?
鳥尾:まず絶対的に違うのがハーモニーを作れるところが違いますよね!
高島:そうですね。ひとりでやるより確実に音楽的な幅が広がります。ひとりの場合はどうしても選曲やプログラムも自分が学んできたクラシックに偏ってしまいがちになる時があるんですがリアトラだったら楽曲のジャンルを問わずに「4人でやったら面白いかも」と挑戦する発想が生まれます。
杉浦:そこがすごく大事で、僕は俳優だけではなく歌手活動も広げていきたいと思っていたんですが以前までの活動では良くも悪くもコミュニティが固定化されているなと感じることもあって。自分の表現はもちろんですがファンのコミュニティの広がりにも課題を感じていたんです。そんな中で今回のグループ結成の話をもらって。メンバーの中でミュージカルを主に活動してきたのは僕だけでもあったので、このグループならクラシックファンの方にミュージカルを知ってもらえたり、逆にミュージカルファンの方にクラシックの魅力を伝えることができるんじゃないかなと思いました。音楽的な面だけじゃなくて色んな面で可能性が広いなと思ったのも僕がリアトラに参加したいと思った決め手になりましたね。
堺:僕の場合は日々活動している中で「作品の中の自分」と、「堺 裕馬」としての表現について考えることもありました。そんな中で健くんからこのお話をいただいてこのグループなら自分の表現をより100%出すことができるかな。と思いました。
(左から)鳥尾匠海、高島健一郎、杉浦奎介、堺 裕馬
ーーなるほど。皆さん共通されているのは「ジャンルを超えた活動をしたい!」というのがグループの根本のテーマになっているような印象を受けます。REAL TRAUMとして掲げられている目標などあったりされるのでしょうか?
高島:他にもたくさん、色んなジャンルでヴォーカルグループが存在している中でジャンルの垣根を飛ばしたオンリーワンを目指していきたいですね。ただ、同時に声楽家としての自分達も大事にしながら、それぞれのフィールドで培ってきた文化や経験をリアトラ風に昇華していけたらと思います。
堺:そうですね、「クラシック」とか「オペラ」とか、そういったカテゴライズにとらわれずに色んな人に歌を届けたいです。
杉浦:「とにかく面白いこと」を目指していきたいですね。その一環がYouTubeでの動画投稿だったり……。
鳥尾:そうそう、このグループはやりたいと思えることがたくさんありすぎてそこが面白いんですよね。例えば大きな会場でやりたい! とか何千人集めたい! とか。もちろんそういった目標も心の中にはあるんですがこの4人が集まっているからこそできることを目指す! と。今はそこに向かってのトライ&エラーを繰り返している感じですね。
杉浦:明確な目標……なんかあってもいいんじゃないの?(笑)言葉にすることで周囲が一緒に目指してくれたり導いてくれることもあるかも??(笑)
(左から)鳥尾匠海、高島健一郎、杉浦奎介、堺 裕馬
ーー話題にも上りましたYouTubeですが、こちらのチャンネルで今後やっていきたいことなどはありますか?
杉浦:色んな姿を見ていただける第一歩になってもらえれば……歌っている姿、ステージ上の姿、だけじゃなくてそこでは見せられない素の自分たちを見せられたらいいな。と思います。
堺:色んな場所に僕たちの音楽を届けられるきっかけになったら嬉しいですよね。
高島:ストリートライブとか?(笑)
堺:色んな場所でアカペラ! とか、富士登山して頂上で歌うとか?(笑)
鳥尾:ゲリラライブして自分たちのこと知ってる人が現れるまでやり続ける! とか?(笑)
杉浦:みんな大丈夫? 後悔しない?(笑)
ーー前回は浜離宮朝日ホールというクラシックの世界では目標とされるホールのひとつでしたが、今回はビルボードライブというジャズの名門のひとつに数えられる場所でのライブになります。この幅の広さにも驚かされるんですが今後REAL TRAUMとしてどういうコンサートをしてみたいなど教えてください。
高島:クラシックホールや、ライブハウスというところにとらわれずミュージカルなどを開催しているような劇場だったり、いろんなところで歌いたいです。その都度、その場所や雰囲気によってテーマを掲げたライブを作っていきたい。
堺:僕自身ロックが好きなのでバンド編成とのコラボレーションなどやってみたいですね。
鳥尾:リアトラで全国縦断するくらい色んなところに行きたいです!
堺:運転するのはオレか……。
杉浦:リアトラの今後の目標は「運転すること」ですね!(笑)
(左から)杉浦奎介、堺 裕馬
ーーでは今回開催するビルボードライブという場所についての印象などお聞かせください。
高島:海外の超一流アーティストが来日した時にライブするところのイメージ……。
杉浦:何度か観客として観に行ったことがあって。ある時「最近どんなライブがあるのかな〜」と公式サイトを覗いたらRichard Carpenterの公演があって「えーーーー!」ってなりました。「カーペンターズの兄ちゃん来てんのかよ!」となった記憶がありますね。
鳥尾:前回の浜離宮朝日ホールとは全くちがう一面を見せられるのでは? と僕自身期待しています! 「クロスオーバー・ヴォーカルグループ」と銘打つREAL TRAUMを表現できれば……。
高島:今回は全編マイクを使用しながらの歌唱になりますしビルボード、という場所をすごく意識したプログラムになっていて普段では歌うことがない選曲、映画音楽メドレーだったり、誰もが知ってるポップスや歌謡曲それをリアトラでやったらどうなる? というところを楽しみにしてほしいなと思いますね。
杉浦:メドレーはX(旧Twitter)のフォロワーさんからのリクエストから組みましたしね! 期待していてください!
ーー今回はピアニストとして高橋優介さんに演奏していただくとのことですが。
鳥尾:ピアニストとしてはもちろん、作・編曲家としても活躍している高橋さんと僕たち4人が共演できることはとても光栄です!
高島:2回公演、それぞれのテーマに沿ったアレンジが入るかもしれませんので、そちらもぜひお楽しみにしていただけたらと思います。
ーー昼公演は「Overture」・夜公演は「Autumn」での違いは? それぞれどんなテーマや狙いがあるのでしょうか?
堺:タイトルからもその通りなんですがお昼と夜という時間帯による違いをすごく意識しています。選曲自体もももちろんですが曲順の並びの違いも楽しんでもらえればうれしい。
杉浦:衣装も両公演で変わりますし雰囲気の違いを見せたいですね。昼はフレッシュに! 夜はダンディに(笑)。同じ曲でも時間帯や雰囲気で全然見え方聞こえ方が変わりますしもちろん僕たちの表現も変わります。
鳥尾:ぜひ! 両公演見ていただきたい!(笑)予想をいい意味で裏切る2公演になると思います! 飽きさせませんよ!
高島:確かにそうですね。爽やかなお昼時を意識した「Overture」。そしてシックでクールなジャズクラブということを意識した「Autumn」それぞれ全然違った楽しみ方をしていただけると思います。
杉浦:普段ビルボードのようなジャズクラブなどに行ったことがないような方にも今回をきっかけに雰囲気を楽しんでいただけたら僕たちとしては幸いです。
(左から)鳥尾匠海、高島健一郎、杉浦奎介、堺 裕馬

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