DECO*27「マネキン」歌詞の意味を考察!ボカロ界の歌姫の心を覗き見よう

DECO*27「マネキン」歌詞の意味を考察!ボカロ界の歌姫の心を覗き見よう

DECO*27「マネキン」歌詞の意味を考
察!ボカロ界の歌姫の心を覗き見よう

MANNEQUINシリーズの初音ミクが全員集合した至極の一曲が誕生!
DECO*27が2022年3月9日にリリースした8thアルバム『MANNEQUIN』は、“アイドル全員初音ミク”がテーマ。
大ヒットとなったMANNEQUINシリーズの9曲を一挙に楽しめる作品で、このアルバムをもとにしたアンソロジー『MANNEQUIN feat.初音ミク コミックアンソロジー』も好評です。
そして1年後の2023年3月9日にリリースされた楽曲が『マネキン』です。
▲DECO*27 feat. 初音ミク - 『マネキン』【OfficialMusicVideo】
OTOIRO制作のキュートで美しいMVには「MANNEQUIN」 シリーズの9人の初音ミクが全員登場。
さらに歌詞にはそれぞれの楽曲をイメージさせるフレーズが満載で、ファンには堪らない曲となっています。
どのようなメッセージがられているのか、またタイトルの「マネキン」とどう結びつくのかを歌詞の意味を考察して読み解いていきましょう。
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
冒頭の歌詞は順に『ヴァンパイア』『シンデレラ』『状態異常彼女』をモチーフにしています。
DECO*27によるとMANNEQUINシリーズは「ひとりの女の子が人を好きになって、別れて、自立するまでを描いている」とのこと。
その点を踏まえると、この部分の歌詞は人を好きになったときのことが描かれていると解釈できます。
恋をしている時のドキドキする気持ちや好きな人とずっと一緒に過ごしていたいという想いが伝わってきますよね。
そして好きな人が泣きたい時に隣で一緒に泣ける人であろうとするところにも、深い愛と思いやりが感じられます。
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
1番のサビの歌詞は『ギフト』と『ケサランパサラン』に基づいているようです。
主人公は「どうしょうもないくらい」、「戻れないくらい」に熱烈な恋をしたいと思っています。
「きみに見せたあたしのこと好きって言ってね」のフレーズは、おめかしした自分を気に入ってくれることを願っているような雰囲気が感じられます。
そのように明るい気持ちで恋をしている一方で、相手の反応に臆病になっていることも読み取れるでしょう。
誰でも好きな人に「大嫌い」なんて言われたくないし、「じゃあね」と言って去られるのも耐え難いものです。
ここで出てくる「ずっと」は永遠を約束する言葉と言えるかもしれません。
魔法みたいに自分の不安を全て消してくれる言葉を言ってもらいたいと強く願っています。
失恋の苦しみに襲われる
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
分け合っているかのように心は「きみ」のことで満たされているのに、その想いを歌えるのはこれで「最期」。
2人は別れてしまい、失恋で喪失感を味わっていることが伝わってきます。
そして会いたくなっても気軽には会えない関係になってしまったようです。
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
この部分は『パラサイト』と『アニマル』をイメージさせます。
主人公は「なんで頑張ったってうまくいかないことばっか ダメなあたし」と自分を卑下するようになってしまいました。
周囲に期待される自分を演じるためにメイクに手を抜くことはしませんが、気分は下がっていくばかりで笑顔を作るのも難しくなっていきます。
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
『U』をモチーフにした英語詞の歌詞は和訳すると、「きみをずっと待っていた。でもきみとあたしはもういない。前に進む時が来た、あなたはもうわたしの受取人ではないから」というような歌詞になります。
失恋の苦しさに耐えながらも自立しようとしていることが分かりますね。
「receiver(レシーバー)」は単に「受取人」として解釈すると、自分を受け止めてくれる人というイメージがあります。
しかし「受信機」として見ると、電波に乗せて声を届ける初音ミクの存在を象徴しているとも考察できます。
リスナーが受信しようとしなければ自分を見てもらうことすらできません。
「会いたくなったらどこにいけばいい?」と悩んでいたのも、自分からは会いに行けないバーチャルの存在ゆえの歯がゆさを表現しているのではないでしょうか。
“マネキン”に込められた意味とは
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
この歌詞は『ジレンマ』の歌詞を連想させます。
自立を目指しながらもまだ未練があり、相手のことを気にして「好きのループ」から抜け出せないでいる様子が描かれています。
「きみ以外の誰かのこと好きになって愛していけるかな」と不安を口にしているのが切ないですね。
いっそ死にたいとさえ思いつつ、何となく生きている自分を叱ってほしいとも考えているようです。
そんなことでもいいからその人との繋がりを保ちたいという未練の気持ちが表現されています。
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
ここでタイトルの「マネキン」のフレーズが登場します。
マネキンは人の形をしていながらも人間ではなく、人の手によって様々な服を着せられることで多種多様な人物を演じることができるのが特徴です。
それは人に近い声や姿形を持っていても決して人間にはなれず、多くのアーティストたちの手を借りることで多種多様なキャラクターを演じられる初音ミクの存在と重なるでしょう。
しかし「心抜けたマネキンみたい 終わっちゃうんだね」と歌われているため、心を持たないマネキンのように扱われることに悲しさを感じているようです。
感情があるから失恋すれば泣き、普通じゃない行動を取ることもあります。
もちろんそれも誰かの手で作られたものではありますが、その楽曲の世界には確かに彼女が生きているということを訴えているかのように思えます。
マネキン 歌詞 「DECO*27 feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/tt23032301
マネキンはそもそも生きていないため、言い換えれば「既に死んじゃってる」状態です。
あえて死んでいると表現することによって、愛されないことへの苦しさや絶望感が表されているのではないでしょうか。
そして「きみのために可愛くなった」のに愛してくれないなら、今更「会いたくなっても探さないでよ」と告げています。
「目を閉じたらバイバイ」というフレーズは、どんなキャラクターにでもなれるもののリスナーが目を閉じれば聞こえてくるのは初音ミクの声だけであることが表現されていると考察しました。
それぞれのキャラクターとして可愛く作り上げられた自分を愛してほしいけれど、それが初音ミクという1人のボーカロイドから生まれていることを忘れないでほしいという願いが込められているのかもしれません。
そして心のないマネキンに服を着せるようにではなく、愛を持って自分に新たなキャラクター像を与えてほしいという切なる想いが感じられます。
次はどんな初音ミクが誕生する?
『マネキン』はボカロPとして最前線で活躍し続けるDECO*27から初音ミクへの深い愛が伝わってくる楽曲でした。
ボーカロイドを愛情を持って扱うからこそ、一つひとつ異なる個性を持つ魅力的なキャラクターを作り上げることができ、リスナーを魅了し続けられるのかもしれません。
DECO*27がこれからどんな新しい初音ミクの姿を見せてくれるのか、さらに期待が高まりますね!

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