藤原竜也、大阪の新劇場「Skyシア
ターMBS」のこけら落としで『中村
仲蔵』に挑む

2024年3月、JR大阪駅前に新劇場が誕生する。その名も「SkyシアターMBS」。こけら落とし公演主演の藤原竜也もサプライズ出演した、新劇場発表記者会見の様子をレポートする。
SkyシアターMBS
大阪中央郵便局の跡地に建設される地上39階の超高層複合ビル・JPタワー大阪の西側ふもとに位置するSkyシアターMBS。客席数は約1,300。床から天井まで広がる大きな窓が印象的なロビーや、疲れにくい設計の椅子、女性トイレの数も男性トイレの倍と、ライブエンターテインメントを存分に楽しんでもらえる環境の劇場になるという。JR大阪駅の西口改札から直結、かつ、阪神、阪急、大阪メトロなど7つの駅からのアクセスも可能。観劇前後には買い物や食事も楽しめるという立地も魅力的だ。
SkyシアターMBS
SkyシアターMBS
オープンから約1年かけてオープニングシリーズを上演する。こけら落としは、脚本 源孝志、演出 蓬莱竜太、そして藤原竜也を主演に迎え、伝説の歌舞伎役者の生き様を活写する『中村仲蔵』。以降、ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』(2024年4月上旬)、世界的演出家ショーン・ホームズによる『リア王』(2024年4月中旬)、MBSテレビpresents『落語会』(2024年4月下旬)が決定。さらに井上ひさし生誕90年シリーズのこまつ座『母と暮せば』(2024年7月下旬)、そして、京都を拠点に活動するヨーロッパ企画(2024年10月)と続く。今後も、話題作・注目作を発表するとのことで、続報が待たれる。
MBSメディアホールディングス 髙山将行代表取締役社長
記者会見にて新劇場計画の全体構想に関して説明した、MBSメディアホールディングスの髙山将行代表取締役社長が次のように続けた。「昨年暮れに建設途中の舞台に立って座席を拝見し、非常に圧巻だった。こけら落としのラインアップにも、その時に感じたワクワク感が倍増している。この劇場がご来場していただくお客様はもちろんのこと、出演者の皆様、スタッフの方々など関わる皆様にとって、にぎわいを生み出す存在になれるよう、力を尽くしていきたい」と期待を述べた。
毎日放送 虫明洋一代表取締役社長
毎日放送の虫明洋一代表取締役社長は「コロナ禍を経てライブの良さが見直されている」と、新劇場への追い風に期待を込める。また2025年に開催される『大阪・関西万博』も見据えて、「1年後にSkyシアターMBSがオープンして、万博に向けての機運を醸成する。地元を大切にするMBSにとって大きな話題になるだろう。我が社が得意としているアニメの分野でもこのシアターは大いに活用できる。我が社が作り出すアニメの文化をSkyシアターMBSでさらに発展させることができるのではないか」とさらなる展開を語った。
MBSライブエンターテインメント 松本圭司代表取締役社長
MBSライブエンターテインメントの松本圭司代表取締役社長からは「関西の劇場文化を応援していただける会社とご一緒したいと願っていた。その中で出会ったのが、Sky株式会社。周知の通り、地元大阪で誕生した企業で、何より舞台芸術を支えたいという愛情を持っている。私たちの思いに共感して、ネーミングライツも心よく引き受けてもらえ、パートナーとしてスタートすることになった。SkyとMBSが協力して劇場を作っていこうという思いを込めて、SkyシアターMBSという名前をつけた。オープンまであと1年、皆様に愛される劇場を作っていきたい」と、劇場のネーミングライツなどに関して説明があった。
MBSライブエンターテインメント村田元 劇場支配人
MBSライブエンターテインメントの村田元 劇場支配人は、寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』になぞらえ、「ショーですよ、街へ出よう」と呼びかけた。「この数年間、ライブエンターテインメントの世界はかなり打撃を受けている。その中で、新しい劇場を開き、街の活気につながる一翼を担える場でありたい。MBSが運営する劇場で街を世界を元気にしていくことも、放送局のひとつの使命。皆さんにどんどん街に出て行ってもらって、新しい劇場を楽しんでいただく。そういう形でこの劇場を作っていきたい」と決意を固めた。
藤原竜也
続いて、舞台『中村仲蔵』で主演を務める藤原竜也がサプライズ登場し、作品へかける意気込みや、新劇場への期待感などを語った。
まず、「新しい劇場ができることは僕ら演劇人にとってもありがたいことですし、僕らの下の世代にとっても非常にいいチャンスだと思います。貴重な経験をさせてもらえることだと思っております」と笑顔を見せる。
藤原竜也
2021年に中村勘九郎主演ドラマ『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段』(NHK)に出演した藤原。「中村仲蔵は、底辺から名代にまでのし上がっていった人で、ドラマでは彼の人生を左右するシーンで勘九郎さんと共演させてもらいました。その時、仲蔵は勘九郎さんそのものだと思ったんですね。「勘九郎さん、素晴らしい。本当に最高でしたね」と、代表作じゃないですかと伝えたんですよ。そして先日、勘九郎さんに「実は舞台の話があって、申し訳ないですけど、仲蔵を僕がやります」とお伝えしました」と、尊敬する勘九郎の当たり役を舞台で演じるにあたっての裏話を明かした。
藤原は、舞台での俳優と観客の関係を次のように語る。「表現とは他者とのコミュニケーションで、僕たちがやったことでお客さんとの会話が成り立つという瞬間がありますので、多くを語らず、いいものを見せて。お客さんもまた多くを語らず、いいものを観て帰っていただくという関係がいいのではないのかな。そのために精一杯、稽古して。スタッフ全ての力を出し切って、いい作品にしたいなという思いです」。
藤原竜也
そして、源と蓬莱の二人を「若くして才能ある方」と賞賛し、「お客さんに対してもいいアプローチができるのではないかなと期待しています。ただ、まだ台本ができていないので、何とも言えないですけど(笑)」と続けた。
オープニングシリーズのラインアップに「皆さんが思ってもできないような企画をよく実現させてくれるなと驚きました。また、演劇界も大変な状況の中で、リスクを背負って新しい企画をされることは、すごい決断です。我々も一生懸命やっていかなければいけないなと改めて思います」と気を引き締める。
『中村仲蔵』はオープニングシリーズ第1弾でもあることから、「最初は大切ですから、失敗するわけにはいかない。しっかりと努めていければ」と決意を新たにした。
藤原竜也
取材・文=Iwamoto.K 撮影=SPICE編集部

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