【聖飢魔II インタビュー】
こんなに聖飢魔IIらしいものが
出せるのは幸せだと思う
曲ができる気が全然しないんだけど…
というところから始まった
代官も自作曲について話していただけますか?
代官
普段は“レコーディングしましょう”ということになると、“よっしゃ!”という気持ちになって向かっていくんだけど、今はプライベートで全然曲を作るような状況じゃないんだ。時間がないし、マインドもまったく切り替わらない。曲の練習とかはできるけど、自分の内側とじっくり向き合って音楽を取り出すという作業はここ数年できていない。だから、今回の大教典の話が出た時に、俺は“曲を作れるかな?”というところから始まった。それで、最初は自分のストックの中から“これだな!”と閃いたものを1曲出して、もう1曲はなんとか書き下ろしたよ。そこそこ激しくてポップさもあるという感じの曲だったんだけど、時間がなくて、そんなに追い込んでいなくて、“これくらいで分かるでしょう”というデモを作ったら、やっぱり伝わらなかった。それで、“もっとアグレッシブなやつを!”というリクエストが制作陣からきた(笑)。
全員
(笑)。
代官
“アグレッシブなやつか…。全然そんな気にならないんだけどな”と思っていたよ。その後、大教典を発布するタイミングが延びて、当初は魔暦23(2021)年の秋という話だったのが、魔暦24(2022)年の秋ということになったんだ。その間ずっと曲作りを避けていたけど、制作陣はずっと“アグレッシブなやつを!”と言っていて、“忘れてねぇな…”って(笑)。それで、とにかく昼間はもう無理だから夜から朝までの時間に集中してやって、なんとか「RUN RUN RUN!」ができたんだよ。
「RUN RUN RUN!」はロックンロールが香るハードチューンで、王道的なメタルとはまた違った魅力を湛えています。
代官
王道的なメタルとかってカテゴライズはどうでもよくて、俺はどの曲もロールさせてる。全部ロックンロールだよ。
ロール感のある聖飢魔IIも魅力的です。楽曲のできた背景や、歌詞に関してはいかがでしょうか?
代官
そこに関しては、この大教典を聴いてくれる人たちに、特に何の前情報も先入観もなくフラットな状態で楽曲に出会ってほしいという思いがあってね。聴いた人それぞれが感じたものをまず大切にしたい。だからまだ詳しくは話したくないんだけど。いいかな?
まずは、楽曲を純粋に楽しんでほしいということですね。『BLOODIEST』は作曲者それぞれの個性が顕著に出ることで楽曲がバラエティーに富んでいて、なおかつ完成度が高いというのは聖飢魔IIならではです。
参謀
どの曲もそれぞれの個性が鬼出ていて、面白い構成員が揃っていると思うよ。ここにきて、こんなに聖飢魔IIらしいものが出せるのは幸せだと思う。
代官
『BLOODIEST』は作曲者が全部で7名いて、非常に個性の強い楽曲がひとつにまとまっても違和感がないというのは聖飢魔IIの面白いところであり、凄みだと思う。その中心には閣下の声と歌唱があって、リズムセクションもでかい。そのふたつがつなぎになって、いろんな世界をひとつにまとめ上げていると思う。
同感です。ライデン湯澤殿下が書かれた「WHAT’S HAPPENING?」などは予想を超える世界観ですが、聖飢魔IIとして昇華されていますし。
参謀
彼が書く曲は、いつもすごい(笑)。
代官
でも、「WHAT’S HAPPENING?」のギターアプローチはルークが持ち込んだアイディアだろう?
参謀
そう。シューゲイザー風のアレンジは、ちょっと俺が思いついたところがあったからやらせてもらった。聖飢魔IIはそういうものを持ち込めるんだ。それに構成員がちゃんと応えられるというところがすごくて、ミュージシャンとしての懐の深さをそれぞれが持っている。
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