『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Ze
pp Fukuoka』 日本を代表するライブ
バンド達が集結したイベントの初日を
レポート

『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Zepp Fukuoka』Day.1

2022.08.26(fri) Zepp Fukuoka
2001年に九州各地のライブハウスを回るライブイベントとして始まった『TRIANGLE』。2016年からは野外イベントに形を変え、多くのライブキッズ達に愛されているフェスのひとつになっている。17回目となる今年の『TRIANGLE』は、例年通りのバンド編成での野外開催は見送られたが、9月3日、4日に『TRIANGLE’ 22 Acoustic Resort』と題し、アコースティック形式のライブイベントが、LASPARK RESORT内特設ステージにて開催される。
また、今年の『TRIANGLE』は、「原点回帰」と「新しい挑戦」というテーマを掲げ、3つのイベントが企画された。1つ目は佐賀、大分、鹿児島、福岡のライヴハウスをサーキットする『TRIANGLE TOUR'22 〜Return to the Roots〜』と、前述の『TRIANGLE’ 22 Acoustic Resort』、そして、8月26、27、28日の3日間、Zepp Fukuokaにて開催された『TRIANGLE'22 Keep on Doing in Zepp Fukuoka』だ。日本を代表するライブバンド達が集結したこのイベント、ここではその初日の模様をお届けする。
SHANK
SHANK 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
開演前、MCの長岡大雅(KBC九州朝日放送)が、“ヘドバン体操”でオーディエンスの身体を温め、準備万端となったところに、トップバッターのSHANKが登場。「毎年関われて嬉しい」と庵原将平が話していたように、常連組でもある長崎発の彼らは、池本雄季の軽やかなドラミングから幕を開ける「Long for the Blue moon」で勢いよく駆け出し始めると、間髪あけずに「Life is」へ。MCでは「ヘドバン体操で2分押したんで、2分巻いて帰ります」と、庵原が場を和ませながらも、居ても立っても居られない高揚感たっぷりのメロディック・パンクを次々に畳み掛けていく。ハードなスカナンバー「Take Me Back」に、松崎兵太がかき鳴らす感傷的なギターが突き刺さる「Good Night Darling」、さらに、Instagramにやってほしいというメッセージが来ていたという「The One Second Future」など、リラックスしながらも強烈なまでに熱の籠ったサウンドを迸らせ、ラストは「submarine」でフィニッシュ。3日間に亘るビッグイベントの幕開けを飾った。
HERO COMPLEX
HERO COMPLEX 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
続いて登場したのは、北九州発のHERO COMPLEX。「TRIANGLE! ヒーローが来たぜ!」という風太のシャウトを皮切りに、「Feel so good」「SILVER」「ALL STAR」と凄まじい勢いで全力疾走をしていく3人。「ここ2年ぐらい、お預けくらってたんで、爆発して帰ろうと思ってる」と話していたが、その言葉の通り、やすが叩き上げるパワフルなビートの上で、風太としんぺーが代わる代わるマイクをとり、メロディと言葉であり、そこに込めたメッセージを力強く放っていく。「そばにいればいい」では、「サンキューライブハウス、サンキューTRIANGLE!」と絶叫。「九州のバンドとして、このイベントが全国のバンドに愛されていて、とても誇らしいです。TRIANGLEにはいつもお世話になりっぱなしだけど、これから俺らが引っ張っていかないとと思っているんで、俺らのことも頼ってください。九州をもっとおもしろい街にしたいと思ってるんで期待しといてください」と風太。一際エネルギッシュに投げつけた「Picture」で終わり……と見せかけて、最後は「光」。TRIANGLE愛であり、地元愛に溢れた、なんともエモーショナルなステージだった。
dustbox 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
コロナ禍の影響もあって、久々の九州に「やっと来れたぜ!」と喜びを爆発させていたのは、dustbox。スペーシーなSE「NEW COSMOS」がワクワク感を強烈に高めると、SUGAがかき鳴らした「Riot」のイントロからとにかく全開。JOJIも「最高!」と声を上げ、YU-KIのドラムも、ときに心地よく、ときに激しくフロアを盛り上げる。また、来月リリースされるアルバムから新曲「Chocoholic」を披露。甘酸っぱい気持ちが込み上げてくるグッドメロディに、フロアからはたくさんの手が挙がっていた。さらに「Jupiter」ではHEY-SMITHのイイカワケンが参加し、オーディエンスを喜ばせていた。常に笑顔が溢れる幸福な瞬間が続いていたが、なかでも強く胸に残ったのは、コロナ禍のライヴシーンを振り返り、「どんどんよくなってきてると思うし、少しずつみんなで繋げていって、いつかみんなで大爆発できるように」という言葉と共に届けられた「Here Comes A Miracle」。いつか来る未来への期待と希望を2ビートに乗せて、力強く高鳴らしていた。
THE FOREVER YOUNG 撮影=烈
「せっかく久しぶりに会えたけん、命削って帰ります!」という言葉通りのステージを繰り広げたのが、福岡県・久留米市発のTHE FOREVER YOUNG。クニタケヒロキの独唱から始まった「今君を迎えにゆくんだ」では、オガワリョウタ、タカノジュンスケ、ナカオタイスケの3人も歌い、叫び、頭を振り回しながら全身で音をかき鳴らす。いまだ消えず、冷めやらない蒼い感情や衝動をすべてぶちまけていくように、がむしゃらに転がり続けていくと、そんな4人の凄まじい熱を受けたフロアからは、無数の拳が突き上がった。「“また会おうや”って簡単じゃねぇかもしれん。“また来年な”って簡単じゃないかもしれん。でも、今日を忘れんように、TRAIANGLEのこと誇りに思って生きていきや! もう一度言うわ。また来年な!」とクニタケ。そして、「青春は、TRAIANGLEは、俺達が、(自分とフロアを指差し)俺達が、終わらせない!」という絶叫からなだれ込んだラストナンバーの「YOUTH」まで、徹頭徹尾、オーディエンスに真正面からぶつかり続けたライヴだった。
HEY-SMITH
HEY-SMITH 撮影=かわどう(Tabata Daiki)
初日のトリを務めたのはHEY-SMITH。猪狩秀平の「飛ばしていくぞ!」という宣言の通り、彼らがこの日の1曲目に選んだのは、「Come back my dog」! そこからも「Dandadan」「Dancing Is Illegal」と、徹底的にオーディエンスを踊らせていく。凶暴なギターリフとヘッドバンギングが吹き荒れる「Be The One」や、Task-nの豪快なドラムフィルからなだれ込んだ「Judgement Day」ではヘヴィに、「もっと頭おかしくなってけ!」と突入した「Fog And Clouds」ではダビーなサウンドでフロアを酔わせ、Yujiの伸びやかな歌声が映える「Summer Breeze」では爽快感たっぷりにと、多彩な表情でフロアの興奮を高めていく。「来年こそは絶対にあの場所で会おうな! 大変なこともいっぱいあるけど、そのときまでかっこつけて生きとけよ!」と猪狩が叫び、瞬く間にラストナンバーの「Endless Sorrow」に突入。満、イイカワケン、かなすのホーン隊による勇ましいアンサンブルと強烈に耳に残るフレーズがフロアを激しく揺らし、この日最大の熱狂で初日の幕が降りた。

取材・文=山口哲生

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