May'n

May'n

【May'n インタビュー】
変わらない私のまま、
ずっとずっと変わり続けていく

前なんて360度どこにでもあって、
どちらに向かって進むこともできる

素敵なエピソードですね。制作過程からMay’nさん自身の人生と深く結びついている。

あと、今回は各時代で私が憧れてきた方々に作曲をお願いしています。田中隼人さんは以前にお仕事させていただいたことがあって、今回もぜひご一緒したいなと。「place roulette」のRin音さんと「Real Lies」の向井太一さんは、私がここ最近ハマっているアーティストで、すごく今っぽくてカッコ良い音楽を作られるんですよ。洋楽っぽさがありながらもメロディーが心地良くて。ライヴに足を運ぶのが難しい今、より日常に溶け込む音楽を私も求めていたから、そういった楽曲をこのおふた方とぜひ作りたいと思ってお声がけさせていただきました。「SUMMER DREAM」のh-wonderさんは私が青春時代に一番憧れていた作家さんで、私がこの世界に入るきっかけとなったオーディションで歌った倖田來未さんの曲もh-wonderさんが作曲と編曲をされていたんです。私が歌おうとする曲のクレジットには、いつもh-wonderさんの名前があったので、当時から“この人の曲、好きかも”と思っていたんですよ。

だから、「SUMMER DREAM」は青春がテーマになっているんでしょうか?

そうなんです! 私が14歳の頃に初めてフェスに行った時に“こんな大きなステージに立ってみたい!”と感じた、憧れやトキメキを歌にしました。そういう曲を作るんだったら、もう絶対にh-wonderさんにお願いしたいと。

それで歌声もちょっと若い感じに?

そうなんですよ! サウンドに合わせて最初は大人っぽく歌うつもりだったんですけど、青春時代にタイムスリップするような歌詞を書いたんだから、当時のMay’nさんみたいな気持ちで歌うのもありじゃないかと、h-wonderさんが提案してくださったんです。

ブラスが華やかだったり、低音のドラムが響いたりとお洒落な曲なのに、人を若かりし頃に連れて行くようなフレッシュ感のある曲ですよね。その分、低音ヴォーカルで始まる「place roulette」へと続いた時のギャップがすごくて。

自分自身の未来に迷っていたというか、前に前に進みたいと思っているのに、なかなか進むことができなかった時期の曲なので、当時の自分に歌ってあげているようなイメージもあるんですよね。私、学生時代は渋谷にすごく憧れがあって、暇さえあれば渋谷に行ってたんですよ。で、お仕事の時は青山一丁目に行ったり、ちょっと頑張って表参道の美容室に行ったり、半蔵門線を東側に向かって突っ走っていたんです。だけど、仕事がうまくいかなくなって、青山一丁目にはなかなか行けない時代になると、“あぁ、私は渋谷より先に進めないのかな?”みたいな気持ちになって。でも、半蔵門線って反対側に進むと田園都市線になるじゃないですか。たまたま仕事で池尻大橋に行った時に『マクロスF』のオファーをいただいて、また新たな人生がスタートしたんですね。つつまり、私は渋谷から半蔵門線側に進むことばかり考えていたけど、前なんて360度どこにでもあって、池尻大橋は決して後ろではなく、こっちを前にして進むこともできると。そんなことを思い出して、そういうイメージで歌詞を書いてみたいです…っていう話をRin音さんにさせていただいたら、双六をイメージした“place roulette”っていうタイトルで楽曲のデモを作ってくださって。結果、後ろに戻ったとしても、きっとまた別のゴールに辿り着くっていう楽曲になりました。

なるほど。“賽の目”とか“マス目”というワードが出てくる理由が分かりました。ちなみに2曲目の「SUMMER DREAM」がデビュー前の10代前半、3曲目の「place roulette」が『マクロスF』の仕事がスタートした10代後半、6曲目の「イリタブル」が今の歌ということは、5曲目の「Real Lies」は少しだけ過去の曲になるのでしょうか?

いや、これは向井さんのデモに引っ張られたところが大きくて、向井さんってデモに適当な英語みたいな感じで仮歌を入れてくださるんです。そこでずっと“ライ、ライ”って歌ってらして、その色気のある歌声を聴いた時に“嘘をテーマにした男女の曲にしたい!”ってなったんですよ。だから、新曲の中でもちょっと特殊なパターンですね(笑)。

要するにフィクションですもんね。

男女関係だけじゃなく、いわゆる人付き合いの中で“あの人に騙された!”ってなっても、そんな自分を心地良く感じてしまったり、ダメだと分かっていてもブレーキがかけられないとかってあるじゃないですか。結局、この世界を選んだのは自分なんだっていう、今までとはまた違う恋愛の歌になりましたね。

それだけしっかりとコンセプトがある新曲の中に、既存曲を挟み込むのは難しかったと思いますが、ラスト前に「You」が置かれているのは納得です。とても感動的な曲で、クライマックスに向けてグッと気持ちを上げてくれますから。

嬉しい! 私自身にとっても「You」は特別な曲ですね。“やっぱり私はあなたのために歌うよ”っていう部長としての想いが込められていて、ライヴで歌うと本当に想いが爆発して身体が弾けそうになるんです。体中の細胞が爆発する感覚っていうか、それくらい気持ちを乗せていないと歌えない曲だし、記憶がなくなるくらい没頭してしまう…そんなライヴナンバーなんですよ。

OKMusic編集部

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