丸美屋食品ミュージカル『アニー』2
021スペシャルインタビュー【後編】
荒井美虹・德山しずく~「明日は必ず
来る」という気持ちで届ける特別バー
ジョン

【THE MUSICAL LOVERS】ミュージカル『アニー』第39回

丸美屋食品ミュージカル『アニー』2021スペシャルインタビュー【後編】荒井美虹 德山しずく

昨年(2020年)は新型コロナウイルス感染症の影響により東京公演・夏公演(8月・9月)共にすべて中止となってしまった丸美屋食品ミュージカル『アニー』が、今年(2021年)4月24日~5月10日、新国立劇場 中劇場に帰ってくる。ただし上演されるのは、シーンを厳選のうえ内容を凝縮し、クオリティと感染症対策を両立させた90分(休憩なし)の特別バージョンだ。2020年に出演予定だった子どもたちは、1年越しの登板を果たすこととなる。主人公アニー役も前年に予定されていた荒井美虹(チーム・バケツ)と德山しずく(チーム・モップ)がWキャストで務める。
ⒸNTV
このほど、その2人のアニー、そして同作品の演出を2017年から担当する山田和也から話を聞くことができた(2021年3月31日、リモート取材)。前回より続くこの【後編】では、アニー2人=荒井美虹 德山しずくのインタビューをお届けする。
●荒井美虹(あらい・みく)
【生年月日・出身地】2009年4月4日(12歳、新・小学校6年生)※取材時11歳、東京都出身
【レッスン歴】歌:6歳~現在/バレエ:3歳~小学校4年生まで/タップダンス:3歳~現在まで/ジャズダンス:6歳~現在まで
【主な出演歴】『アニー』が大舞台初挑戦
【アニーを目指したきっかけ】以前、事務所に入っていて(現在は退所)、そこで『アニー』を受けたらと勧められ、現在歌やダンスを習っているシノザキシステム・キッズに入り、舞台が好きになって、受けるようになりました。
●德山しずく(とくやま・しずく)
【生年月日・出身地】2009年1月14日(12歳、新・中学校1年生)、東京都出身
【レッスン歴】歌:直近2年間/ダンス:小学校2年生~現在
【主な出演歴】ミュージカル『冒険者たち~この海の彼方へ~』(2019年)月組 ジャンプ役、ミュージカル『ジョセフ』(2018年)STUDENT役
【アニーを目指したきっかけ】まずミュージカル大好きで、ミュージカルの中でも『アニー』が一番有名だったので、出てみたいなと思って受けるようになりました。
★丸美屋食品ミュージカル『アニー』メイキング特番 放送決定
4月17日(土)14時~14時55分『シューイチ!✕ミュージカルアニー イチから分かるアニースペシャル!』
<丸美屋食品ミュージカル『アニー』あらすじ>
1933年12月、真冬のニューヨーク。1929年に起こった世界大恐慌が色濃く残り、誰もが希望を失っていた中で、ニューヨーク市立孤児院には前向きな11歳の少女、アニーがいた。アニーは孤児院を脱走し、犬のサンディと出会うが、警官に補導され連れ戻される。そこにやって来たのが大富豪ウォーバックスの秘書グレース。彼女の取り計らいにより、アニーはウォーバックス邸でクリスマス休暇を過ごすことになる。ウォーバックスはアニーを気に入り、養子にしたいと願うが、アニーが「普通の子と同じように両親と暮らしたい。父さんと母さんを見つけ出したい」と望むので、ウォーバックスは5万ドルの賞金を用意し、アニーの両親を公開捜索する。しかし名乗り出てくるのは、両親になりすまそうとする賞金目当ての悪人ばかり。さらには孤児院長ハニガンと、その弟ルースター、ルースターの恋人リリーも悪事を企んで……。さてどうなる、アニー!?

■2020年『アニー』中止で思ったこと
ーー 昨年(2020年)の『アニー』東京公演中止の知らせは、稽古が中断された後、自宅待機中に聞いたそうですね。どのように知らされ、どんなことを思いましたか。
荒井:私はお母さんから聞きました。稽古もしてきたし、すごくショックで、けっこう落ち込みました。でも、そのまま上演したとしても、新型コロナウイルスの感染者が広がってしまったら大変なので、仕方がないな、という気持ちが一番でした。それに、学校にも行けず、皆が本当に暗くなっていたので、ここは前向きでいないといけないな、と思って。「来年はできる」と信じて過ごしていました。
リモート取材に答える荒井美虹
德山:私もお母さんから聞きました。最初は「ここまでやってきたのに」と、すごく残念でなりませんでした。でも、2年連続アニーでいられるとすれば、それは「ラッキーだな!」と。そう思うことで、前向きに捉えることにしました。
ーー ということは、2人とも、翌年に再度チャンスが訪れることを予想していたのですか?
荒井:「来年にできる」という気持ちは最初からありました。
德山:アニーだったらずっと落ち込んだりはせず、「来年もできる」と信じていると思えたから、私もそう信じてきました。
リモート取材に答える德山しずく

■アニーとして過ごした1年
ーー 2人は、緊急事態宣言発令後の自粛期間中に、アニー&アニーズの「Tomorrow」歌唱動画や丸美屋食品CM、『世界一受けたい授業』への出演、年末には、『アニー』クリスマスコンサートの代替企画として『アニー』スペシャル・クリスマス・パーティーが配信されるなど、「2020年のアニー」として1年間を過ごしました。その中で特に印象深かったものはありますか。
荒井:印象的で嬉しかったのは『世界一受けたい授業』です。いつも見ている番組だし、2019年のアニーたち(岡 菜々子、山﨑玲奈)が出演したのも見ていました。自分たちも出られると思っていたので、実際に出演できて、すごく嬉しかったです。
德山:私が心に残ったのは、アニー&アニーズで一緒に歌った「Tomorrow」の動画です。それぞれが違うところで撮ったとは思えないくらい、皆の声や心が合っていて、とても感動できました。
【動画】東京公演初日の開演時間(2020年4月25日12時30分)に公開された「Tomorrow」歌唱

ーー 皆の息がぴったりで、素晴らしいチームワークでしたね。「チーム・バケツ」「チーム・モップ」両方がぴったり合っていて、両チーム全員で歌うというのもなかなか聴くことができない貴重なものでしたから、聴いている私もとても嬉しかったですし、何度も聴いて励まされました。
【動画】丸美屋食品ミュージカルアニー2020「応援」篇

【動画】丸美屋食品ミュージカルアニー2020 「がんばるあなた」篇

■2021年『アニー』の上演に向けて
ーー いよいよ2021年の『アニー』上演に向けて、稽古も始まったそうですね。家庭や学校など、稽古場以外の生活の場で、コロナ対策として制限されていることや気をつけていること、あるいは周囲に協力してもらっていることはありますか?
荒井:家でもよく皆で検温をしています。また、会食でクラスターが出たというニュースを聞き、それは避けたくて、外食自体、自主的にしなくなりました。
德山:私は、今年の3月で小学校生活最後だったのですが、学校生活もすごく制限されていました。すごく寂しかったのですが、制限されながらも皆が仲良くしてくれて、とても嬉しかったです。
ーー それは何よりです。ご卒業おめでとうございます。
德山:ありがとうございます。
ーー 稽古からの帰り道も、皆で喋ったりはせず、粛々と帰宅する感じですか。
荒井:電車だと(感染が)危ないので、なるべく車で送迎してもらうようになりました。
荒井美虹

■コロナ禍で伝えたい『アニー』
ーー 『アニー』の舞台である1933年のNYは、インフルエンザが猛威をふるい、世界大恐慌の影響もあって、人々が苦しい日々を送っていました。それは現在の私たちの状況とよく似ています。だからこそ今『アニー』の上演には特別な意味があると思います。しかも、2人は、1986年から続く日本版『アニー』の長い歴史の中で唯一「公演中止」という辛い経験を味わいました。そんな特別なアニーの2人が、今回の舞台を通じて、お客さんに伝えたいことは何ですか。
荒井:アニーはとても前向きで明るくて、いつでもくじけない子です。なので、『アニー』の舞台を観て、アニーのようにいつでも前向きでいてほしいな、とお客さんにも伝えたいです。
ーー つい後ろ向きになってしまう世の中です。アニーはどうしていつも前向きでいられるのでしょう。
荒井:嫌なことばかり考えたり暗い気持ちにならないように、いつでも笑顔で、自分は1人じゃないって意識すれば、前向きでいられるのかな、と思います。
ーー 『アニー』の中の曲「フリードレス/おしゃれは笑顔から」のように、どんな時も笑顔で、ということですね。
德山:私はこの作品を通して「必ず明日は来るし、希望はある」ということをお客さんに伝えて、それを強く感じてもらえれば嬉しいです。
德山しずく
ーー まさに「Tomorrow」の歌詞のようです。2人は本当に根っからのアニーですね。

■お客さんへのお願い
ーー 『アニー』は観たいけれど、電車に乗ったり人の集まる場所に出かけることが不安、という方もいらっしゃいます。もちろん主催側は、稽古場から劇場での本番まで感染防止対策を徹底していますが、公演最終日まで無事に、皆が安心して観劇できるよう、アニーの2人からも来場される方々に協力の呼びかけをお願いできますか。
荒井:劇場に入る前に手の消毒をしてください。マスクは必ず着けたままで、家族で来場しても会話はしないでほしいな、って思います。
ーー 興奮してロビーや客席で喋ったり騒いだら対策が台無しですものね。
德山:来場前にも体温をチェックし、消毒・手洗いの徹底をお願いします。
ーー ありがとうございます。2021年の『アニー』が無事に完走されることを願っています。
ⒸNTV
取材・文=ヨコウチ会長

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