鈴木このみ

鈴木このみ

【鈴木このみ インタビュー】
新しい自分をどんどん開拓して、
みんなを驚かせていきたい

2022年はデビュー10周年になるので、
今年はそこに向けての攻めの一年

カップリング曲「Crossroads」についてもうかがっていきましょうか。楽曲の中身の話の前に、この「Crossroads」はゲーム『Re:ゼロから始める異世界生活 禁書と謎の精霊』の主題歌です。鈴木さんはTVアニメでも主題歌を担当されていましたし、『Re:ゼロ』とはご縁がありますね。

率直にめちゃくちゃ嬉しいですね。これで4作やらせてもらっていると思うんですけど、やっぱり『Re:ゼロ』って作品のパワーと愛情がものすごく強いので、自分にとっても特別な作品のひとつだと思ってます。また特別な作品にかかわれるというのはとても嬉しいです。ただ、楽曲がちょっと意外だなと思いました。

あっ、意外でしたか?

『Re:ゼロ』の曲に関しては、いつももがき苦しみながら誰かを守るために頑張る主人公のナツキ・スバルの目線でずっと歌い続けてきたので。他にも『Re:ゼロ』曲を歌っている方がいらっしゃるんですけど、自分はその担当だと思ってたんですよ(笑)。なので、“今回は意外とライトな感じだな”って。

確かに、今回は爽快感と言ってもいいくらいに、明るく開放的なナンバーですね。

そうですね。今回はどちらかと言うと、スバルが頑張るというよりも、その頑張っているスバルを褒めているような気持ちになりながら歌ってました。これはあとから聞いた話なんですけど、華余子さんが歌詞を書いてくださった「A Beautiful Mistake」の曲調がすごく良かったみたいで“この曲の感じで鈴木このみさんに主題歌を”と言っていただいたみたいで。今回のゲームは完全にオリジナルストーリーで、スバルが散らばった禁書のページを集めるためにみんなでルグニカ王国の中を冒険するという王道のRPGなんですね。珍しく明るく冒険していく話なので(笑)、明るい曲調がほしいと。『Re:ゼロ』に関しては、いつも救う側の葛藤や苦悩を歌っているんですけど、今回はその救う側のスバルに対して“あんたはよくやってるよ! 頑張ってるよ! すごいよ!”って褒めているような気持ちになりながら歌ってました(笑)。

ゲームの制作サイドから“鈴木このみの歌う明るい曲”というオファーがあったんですね。イントロのごく頭の部分で聴こえるギターとベースが重めで、コーラスも不穏な感じがしますが、そこはほんのわずかで、残りはほぼ全編で開放感に溢れていると言ってもいいですもんね。

あははは。『Re:ゼロ』で明るい曲調と言っても “どこまでやっていいんだろう?”っていうのは悩みとしてあって。スバルの背負っているものはすごく大きいしどんな時でも抱えている運命なので、イントロでそういう『Re:ゼロ』らしい要素を残しつつ。でも、このゲーム作品はいつもの『Re:ゼロ』とは違うということも相俟って、新しい鈴木このみの一面を出せたんじゃないかと思います。

先ほど“パワーヴォーカルというのが自分の武器”とおっしゃられてましたが、この「Crossroads」はわりとキー高めですか?

そうですね。ハッピー感はキーにもあると思います。ライヴのアンコールでみんなの顔を見ながら“今日の私たち、めっちゃ盛り上がって良かったよね?”って歌っているイメージで歌わせてもらいました。特に最後の歌詞が好きで。《ありがとう 何度でも 悲しみを越えて/新たな未来へ Crossroads》…意外と《ありがとう》っていう歌詞をストレートに歌ったことがなかったから、レコーディングの時に“あっ、みんなの顔が見える”って思いながら歌ってました。

歌詞は突っ込みどころがないと言えばなくて。1番だけ見ても《前は向けてる》で始まって《新たな未来へ Crossroads》で終わりますから、どんだけ前を向くんだという(笑)。

超肯定ソングなんですよ(笑)

《涙の理由》とか《傷ついた両手》とか、悲しみや痛みがなくはないですけど、これもまたほんのわずかです。タイトルチューンもそうでしたが、新しい鈴木このみ像を示すにはこのくらいの前向きさがちょうどいいんでしょうね。

今回のシングルは2曲ともリアルタイムな自分とのマッチ度が高かったんじゃないかと思います。

昨年は声帯結節の手術がありましたし、新型コロナで思うように活動ができない状況もあったと思いますが、そうしたものを払拭する意味でも、2021年の最初のシングルとして「Bursty Greedy Spider」「Crossroads」は相応しいのかもしれませんね。

自分でもシングル作品として満足度の高い一枚になったと思いますし、このシングルでいろんなものが開けていくと嬉しいですね。

それでは最後に、ニューシングルリリース以外の今後の予定もおうかがいしたいと思うのですが。

今後はいろいろと考えています! 今年の初めに“歌づくしの一年にします”って宣言したんですけれども、そこから休養明けて復帰ステージがあって、すぐに自主企画の『鈴フェス』をやってみたり、こうしてカッコ良いシングルを発表したり、いろいろな動きをしているので、この“楽しい”という気持ちのままに攻め続ける一年間にしたいと思っています。ライヴもそうだし、配信もそうだし、いろんな発信をしていきたいですね。

音楽シーン全体を見渡しても、昨年の春頃に比べるとライヴも増えてますし、徐々に有観客ライヴも増えてきましたしね。まだお客さんが声を出せる状況ではないですけど。

私のライヴもまだ声が出せなかったりしますが、今はライヴができることが最優先に素晴らしいことだと思いますし、その中で歌を120パーセント、いつも以上に楽しんでもらえるものにしようという工夫をしています。とにかく“歌を発信する”ということを大事にやっていきたいです。

で、そうこうしている内に2022年が見えてきますね。「Bursty Greedy Spider」がリリースされると、約半年後には2022年ですから。

うわぁっ!(笑) でも、2022年はデビュー10周年イヤーになるので、“今年はそこに向けての一年にしよう”というのは自分もそうだし、鈴木このみチームとしてもすごくありますね。2022年のための、攻めの一年と言ってもいいんじゃないかと思います。事務所を移籍してから本腰入れて“絶対にやってやるぞ!”と言ってるんですけど、10周年は日本武道館でやりたいという想いは変わってないので、そこに向けて頑張りたいと思ってます!

取材:帆苅智之

シングル「Bursty Greedy Spider」2021年5月7日発売 株式会社KADOKAWA
    • ZMCZ-14787
    • ¥1,320(税込)
鈴木このみ プロフィール

スズキコノミ:1996年11月5日生まれ、大阪府出身。11年に『第5回全日本アニソングランプリ』決勝大会でグランプリを獲得し、翌12年に「CHOIR JAIL」で15歳でデ ビュー。TVアニメ『ノーゲーム・ノーライフ』オープニングテーマ 「This game」、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オープニングテーマ「Redo」など多くのTVアニメ主題歌を担当。TVアニメ『LOST SONG』では田村ゆかりとW主演声優を務め、オー プニング主題歌「歌えばそこに君がいるから」も歌唱。16年より4年連続でアジアツアーを行なっており、上海、シンセン、香港、台湾、フィリピンにてワンマンライヴを開催。23年3月には4年振りのアジアツアーを台湾、香港、ソウル、上海」にて開催。23年7月の『鈴木このみ Standing Live ~CALL~』『鈴木このみ Standing Live ~RESPONSE』公演ともにソールドアウト! 自身の誕生日である11月5日にはEX THEATER ROPPONGIにて『鈴木このみ Birthday Live 2023 ~CHEERS BURGER~』開催。鈴木このみ オフィシャルHP

「Bursty Greedy Spider」MV

OKMusic編集部

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